Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

『J×Jの冒険』への冒険vol39.【レセプション編】

飲食店を始めるにあたり、どのタイミングでスタートを切るのがもっとも適切か、というのは以前から考えていた。個人的には3月か4月がいいと思っている。この時期は人が「動く」シーズンだし、また気候的に「動きやすい」シーズンでもある。勿論、立地にもよるので全ての飲食店に該当するわけではないけれど、自店のような事業所立地の場合、オープンしてすぐにゴールデンウィークが控えていて、その時間を利用してオープン直後のてんやわんやをクールダウンすることもできる。3月1日の契約開始から27日のレセプションまで4週間弱、スケジュール的にはタイトだったけれど、この時期で良かったなと今でも思う。

 

 

レセプションは3日に分けるとあらかじめ決めていた。年度末、新年度のせわしさに加え、お花見の季節でもある。友人や知人の日程調整の困難は目に見えていたし、単日や2日連続で集中させるよりも、3週にわたり3日に分けた方がゲストとしてもホストとしても余裕が持てるのではないかと考えた。

 

 

初っ端の初日、2015年3月28日のレセプション初日は45人ほどのゲストにご来店いただいたが、そのほとんどが学生時代からの気心知れた旧友だった。意図したわけではないが、初日のゲストがそのように構成されたことに僕はちょっと安堵した。宅飲みのような、あるいは、同窓会のような感覚で、リラックスした心持ちで臨めた。

 

 

大学時代の友人たち、

 

 

 

 

 

 

 

昔のバイト先の友人たちも、

 

 

 

 

 

近所の仲良しのお店もお祝いにきてくれた。

 

 

 

 

 

この日のことはこれから先、細部に渡って、胸に刻まれ続けるだろうと思っていたが、あれから1年と4ヶ月が経ち、正直に言って記憶はクリアとは言えず、随所に朧げだ。遠い昔のことのような、昨日のことのような、という表現があるけれど、「昨日のことのような」という感覚はない。かと言って、「遠い昔のことのような」と言うほど遥かなものでもない。何と言うか、3月28日はそうした縮尺や遠近感に属さない場所にある一日のように感じる。

 

 

そんな中、くっきりしてるのは最後のゲストが帰ったあとにスタッフと乾杯したビールが極上であったこと。

 

 

 

 

そして、もう一つは「いい仲間をもった」ということ。

 

 

翌日の29日に僕はフェイスブックに下記のような投稿をしている。

 

 

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夢だとか、

憧れだとか、

独立だとか、

 

オープンの喜びだとか、

レセプションが無事に終わった安堵感だとか、

 

そういうのを飛び越えてただただ思うのは、ひたすらに感じるのは、

 

「いい仲間をもった」ということ。

 

ほんとうの出航まであと2日。やらなければならないことは山ほどあるけれど、

 

今はただひたすらのスぺシャルサンキュー。

 

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朧げな記憶と、出鱈目な縮尺と、定まらない遠近感の中で、この一点に関しては今もなおソリッドで、今また改めて、より強い熱を帯びる。

 

 

 

来てくれたゲストとの乾杯においても、一緒に頑張ってくれたスタッフとの乾杯においても、と言うか、全ての乾杯において、その一杯をより極上せしめるのはその乾杯にどれだけの感謝が込められているか、のように思える。

 

 

 

 

サンキューって思いながら、飲む一杯は美味しい。

 

 

 

 

 

それがスペシャルサンキューならば、

 

 

その一杯もまたスペシャルなものになる。