Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

2017-01-01から1年間の記事一覧

「やらなきゃならないことをやるだけさ」。

2号店「Box round」の壁は映画のチラシで埋め尽くしている。学生時代、映画研究部に所属していて、その時の部室(ボックス)に倣って、2号店の壁面も同じようにした。オープン当初は時間がなくて、映画のチラシを取り扱っている神保町の書店に見繕ってもらって…

Journey×Journey Box roundの冒険

Journey×Journey2号店、BOX roundについて改めて自己紹介。前回投稿した内容と重複する部分もあるけれど、お店の概要を説明したいと思います。お店の場所は本店から徒歩2分。秋葉原駅からの場合、ファミリーマートを背に海老専家さんを右折して来られる方が…

J×Jの2号店への冒険

「丸三年で一店舗目を軌道に乗せ、体制を整え、4年目に2店舗目を出店する」というのがオープン当初からの目標だった。そして、2店舗目を展開するのであれば同じ台東1丁目で出したいと前々から考えていた。今すぐには難しいけれど、将来的には役に立つだろう…

J×Jの冒険-2015年4月㉕「オープン1ヶ月」 

Journey×Journeyをオープンした2015年4月のことを書き始めたら、結果的に全25話の大長編になった(書き始めたのは去年の9月…)。本当はもっとテンポよく書き進めていきたいが、オープン時の構想や、イメージしていたことがその後に繋がっていくわけで、ここを…

J×Jの冒険-2015年4月㉔「カオマンガイの失敗」後編-  

カオマンガイの失敗の一つは「仕込み方法」(前回記事参照)、そしてもう一つは「ソース」だった。シンプルゆえ、火の入れ方が重要となる料理であると同時に、お店独自のソース(たれ)が決め手になるメニューでもある。仕込みの時間配分に慎重になりすぎてイメ…

J×Jの冒険-2015年4月㉓「カオマンガイの失敗」前編-

前回の記事より、 ___________ 僕はカオマンガイに対して慎重になりすぎたのだ。そして、必要以上に慎重になりすぎたゆえ、本来できるはずの、できたはずのパフォーマンスよりも劣っていた。当初、はっきり言って、きっちりレベルが低かった。_…

J×Jの冒険-2015年4月㉒「シーズンドライス」後編-  

初期の段階におけるランチメニューは2種類。一つは「カオマンガイ」で固定、もう一つは「シーズンドライス」とし、こちらを日替わりとする。シーズンドライスというのは平たく言えば「炊き込みご飯」、例えばその日のメニューがバターチキンカレーであればそ…

J×Jの冒険-2015年4月㉑「シーズンドライス」前編-  

このようにして、ランチに実際に使用する器は決まった。次はこの器に何をのせるか、だ。勿論、開店準備の中でランチメニューに何を出すかは前もって考えていたけれど、器が決まらない限り、細部を詰め切れない。ここからは自分のイメージを具体的に実現して…

J×Jの冒険-2015年4月⑳「踊れ、おさら大捜査線」-  

今まで延々と書き連ねてきた内容はほぼ全て「ディナー営業」に焦点を合わせている。ダイニングバーの形態をとる以上、売上構成の多数を占めるのはディナータイムでの売上になるし、当然かけるべき比重は昼よりも夜に傾けられる。そして、どうすれば思い描い…

J×Jの冒険-2015年4月⑲「貸切」vol2-

1名×16組でもなく、2名×8組でもなく、「16名×1組を追う」。と言っても、当然、そのハードルは高い。よほど雰囲気がいいか、あるいは既に名が知れてる店でもない限り、いきなり「貸切をお願いしたいんですけど…」なんていう問い合わせはまず来ない。何も準備…

J×Jの冒険-2015年4月⑱「貸切」vol1-

物件を選ぶ際、最初に考えるのが「立地」で、次に考えるのが「坪数・席数」だと思う。けれども、この坪数・席数は単純に「数」としてその良し悪しを割り切れるものではない。仮に12坪・20席という物件があったとして、重要なのは「12坪」ではなく「どういう1…

2017年4月1日、3年目の「そもそも論」。

2017年4月1日。今日からJourney×Journeyは3年目。まずは無事に3年目を迎えることができたことに感謝。日頃ご愛顧の皆様に心より御礼申し上げます。と、よく言うけれど、誠にそう思います。J×Jのドアを開いてくれる人がいる、J×Jの椅子に座ってくれる人がいる…

J×Jの冒険-2015年4月⑰「正方形二元論」vol2-

「大人数や団体時に利用したい店」という認識が深まれば、「事前予約」に必然的に繋がる。事前予約が浸透すれば、提供側である店もある程度の売上予測を立てながら、自分たちが持ちうるパフォーマンスをより適切に表現することができる。それだけ慎重を期し…

J×Jの冒険-2015年4月⑯「正方形二元論」vol1-

自店の強みとは何か。ずばり、お店の「間取り」だと思っている。と、前回の記事で書いた。 www.journeyjourney-blog.com 物件が決まった後、あれこれ検証して「この店の強みは間取りだなあ」と思ったわけではなく、物件探しの段階から「間取りが強みになる店…

J×Jの冒険-2015年4月⑮「表裏と強弱」vol2-

「物事に表裏があり、側面があるように、強みと弱みというのも常に抱き合わせであり、一体であると思う。強みを前面に押し出すことによって、同時発生する弱味のリスクを埋められない限り、強みはすなわち弱みになる」前回の記事において、そう書いた。 www.…

J×Jの冒険-2015年4月⑭「表裏と強弱」vol1-

話が行ったり来たりしてしまって、ブログがややこしいことになってしまったのだけど、ここでいったん元の軌道に戻そうかと思います。去年の9月から12月まで、「商売不繁盛論」と題して、オープン当初、自分がお店の運営をどのように考えていたのかを書き続け…

【2017年嵐を起こすのかメニュー】提供開始のお知らせ

1月3日のフジテレビ『嵐ツボ』の放送から早一ヶ月。 この放送を見て来店されたゲストのほとんどは「番組で紹介していたメニューが食べたい」とおっしゃられます。まあ、当然の話です。でも、あれは「2017年絶対に流行る 日本ほぼ未上陸グルメ」として世界一…

あかねの「将来の不安」への冒険-香港ラウンド後編-

香港の中心部で本格中華を堪能したのち、九龍に移動。日本で言うところの六本木というか、豊洲というか、それをどちらも兼ね備えたかのような九龍。惜しみないセレブリティが惜しみなく溢れていた。 僕たちをアテンドしてくれた友人はこのエリアに住んでいる…

あかねの「将来の不安」への冒険-香港ラウンド前編-

あかねは去年の春からJ×Jで働いている。ジョインから数ヶ月経つが、このブログではほとんど触れたことがない。あかねがどんな女の子で、どんな経緯でJ×Jで働くことになったのか、そして、どのような日々をJ×Jで過ごしているのか、それはまた改めて別の…

「商売不繁盛論」と「冒険」④-小説『Journey×Journey』後編-

小説『Journey×Journey』の主人公は「僕」ではない。自分の世界一周に基づく紀行文を書いたところでたかが知れてるし、凡庸で、興がない。それを実現できるかはさておき、書くのであれば「凡庸ではなく、興のあるもの」を目指したい。 この物語では5人の旅人…

「商売不繁盛論」と「冒険」③-小説「Journey×Journey」前編-

採用がうまくいったとしても、うまくいかなかったとしても、今年は店舗運営とは別に新しいことに挑戦していきたいと思っている。その一つが小説『Journey×Journey』の執筆と完成。ここに「出版」という文字も加えたいが、実際にそこまで持っていくのはちょっ…

「商売不繁盛論」と「冒険」②-採用-

前々回の記事に書いたように、僕はオープンしてからこの1年8ヶ月の間、「商売不繁盛論」をベースに店舗運営を進めてきた。結果として、まだまだではあるけども、それなりの成果は出たと思うし、一定の手応えも感じた。基本姿勢はこのまま変えず、前のめりに…

百姓「山本ジャーニー」のジャニーズ「嵐」への冒険

「のぶあきおじさん」(仮名)は僕から見て4親等(多分)にあたる、いわゆる「親戚のおじさん」の一人だ。今は故郷である山口に帰省する機会をあまり持てていないし、帰ったとしてもどうしても時間がタイトで、ろくに挨拶にも伺えていない。早くお店を落ち着かせ…