Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【総論】ジャーニー×ジャーニーのこれから

J×Jにとっては、2月中旬の団体・貸切のキャンセルに端を発したこの狂騒曲、5月31日をもって一つの区切りとし、6月1日より新しい日常と新しい営業を始めさせていただきます。

以前の記事でも申し上げているとおり、J×J は慎重姿勢を崩さず、「実態と風向きがどう変わろうとも変化に柔軟に対応できるようにする」というのを基本に、営業を再開致します。政府と東京都が状況に応じて段階的な制限緩和を計画しているように、J×Jにおいても、大局と近隣の状況を見据えながら対応していまいります。したがいまして、ブログのタイトルを「ジャーニー×ジャーニーのこれから」としながらも、一朝一夕や朝令暮改は辞さず、同調圧力や誹謗中傷には、必要に応じて、どこまでもあっさりと屈します。そして同時に、必要に応じて、どこまでも鋭くロックに貫きたいとも思っております。

とは言え、幸か不幸か(幸にも不幸にも)、僕自身、独り身であり、どれだけ目を凝らしても、どれだけ耳を澄ませても、何が何でも守り抜きたいものがあるわけではなく、仮に自分の収入が完全に途絶えたとしても、店が閉店を余儀なくされたとしても、両親と融資元が肩をすくめながら「やれやれ」と深い溜息をつくぐらいで、特に何がどうなるわけではない(両親は融資元よりは悲しむかもしれない)。せいぜい僕の婚期がさらに遠のき、職業選択の自由が狭まり、国の社会保障制度をほんの少し圧迫するだけで、飢餓が生まれるわけではなく、温暖化や環境破壊を加速させるわけでもない。クラスターやオーバーシュートを誘発するわけではなく、それに関して言えばむしろ、ほんのわずか0.0001%くらい、確率を下げるのかもしれない。

にも関わらず、6月1日以降のシーズン2をまたしゃかりき頑張ろうと思える源泉は、生活のためでもなく、自己実現や承認のためでもなく、単純に居心地がいいからなんだろうと思う。居心地って意外と代替が難しく、意外とけっこう尊い。WEBにはWEBの居心地があると思うが、WEBがこのオフラインな居心地に取って代わるのは困難で、テイクアウトもデリバリーもできない。さらに言うなれば、その居心地を共振・共感してくれる方が自分自身の他にも少なからずいる。であるのであれば、「他のどこでもなく、ここで」、ベストを尽くそうじゃないかと思う。ヘミングウェイ風に言えば「この世界は美しいところであり、そのために戦うに値する」だ(『誰がために鐘は鳴る』より引用)。


世の中に、普遍的な「不要」や「不急」はなく、あるのは個々人の「温度」だけかと思う。例えば、「会いたい人に会いたい」とか「一緒にいたい人と一緒にいたい」と想う気持ちに本来、不要も不急もあるだろうか。誰がそれを「不要」とし、誰がそれを「不急」とするのか、その主語は一体誰か、一体何か。「危ない、君と僕が彼氏彼女だったら不要不急扱いだったけれど、この前籍入れたから、今は不要不急じゃないね」といった具合に人間関係はきっと割り切れるものではなく、割り切れない人間関係を紡ぐのが飲食店(の一つの役目)なのではないかと思ったりもする。


僕自身の場合をヘミングウェイ風に言うなれば、「このお店は居心地のいい場所であり、そのために戦うに値する」ということになる。【各論】に続く。

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5月31日までの営業についてのご案内

5月25日、無事に緊急事態宣言解除となり、それに伴い、東京都の休業及び時短要請も緩和されました。発令初日においてはこれが解除となる日はどれだけ感慨深いのだろうか、どれだけの歓喜に湧くのだろうかと思ったものですが、静かですね、実に。

J×Jにおいては5月いっぱい、これまでと特に変更なく、静かな営業を続けます。6月1日以降についてはまた検討し、改めてお知らせさせていただきます。

<営業時間・営業状況/5月26日時点>

【本店/ランチタイム】

平日 11時半OPEN~14時  店内営業及び店頭お弁当販売

*基本的にワンコイン弁当のみの販売となっており、その他のテイクアウトは実施しておりません。

【本店/ディナータイム】

平日18時OPEN~22時  デリバリーの関係で引き続き、事前予約制とさせていただきます。また、カウンター営業についても5月いっぱい見送ります。

*テイクアウトは別途実施しておりますが、事前のお問い合わせを推奨させていただいております。

【2号店】

ランチタイムでのお弁当店頭販売のみとなり、ディナーは全面的に休業しております。 


なお、30日、31日はお休みいたします。


何卒よろしくお願い申し上げます。



J×Jの出口詮索及びロードマップ④「おススメメニュー」

現在、5月24日。5月31日より早まることはないだろうなと思っていた緊急事態宣言解除だが、このままよほどのクラスターが確認されなければ5月25日には解除、そして東京都の制限緩和も26日から始まるでしょう、ということで、ちょっと対応が追いつかないな、どうしようという感じになってきました。前々から申し上げているとおり、基本的には慎重姿勢で進めたいので、タイミングが早まったからといって方向性は変わらないのだけど、実務がまわらない…。

なので大慌てになりそうな感じではありますが、情勢がどうなったとしても今後J×Jがおススメしていきたいメニューは変わらないので、今日は普通に新メニューの紹介です!

まずはベトナムの「カオラウ」。

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一時期、たまに出していたメニューではありますが、個人的にはJ×Jの新しい看板メニューにもなるんじゃないかと思っているメニューです。ベトナムのまぜうどんなのだけど、牛筋をつかったりと、毎度ながら良くも悪くもアレンジきかせています。ネックであり、強みなのが「麺」であるということ。これはお店の都合になるのだけども、麺は在庫の持ち方と提供方法が難しくてですね、そのあたりの問題が解消しきってないのだけど、当面J×Jの推しになっていくことは間違いないでしょう。

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もう一つは「バイン麺」と「バイン飯」。

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これもベトナム料理で、人気の「バインミー」のデフォルメです。そもそもバインミーというのが「サンドイッチ」という意味なので、言葉としてバイン麺も、バイン飯もありえないのだけど、そのあたりはご愛嬌ということで…。

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他にも今、新メニューを量産しているところですが、この2つはその中でも特におススメしていくメニューになるかと思います。そして、他ではそうそう食べられないかと。ので、ご来店の際は是非お試しを!

J×Jの出口詮索及びロードマップ③「100ッキン1ップンクッキン」

4月の時点でGW後はこういうことに取り組もうというのはあらかじめ決めておいて、実際にこの動画もGW明け初日の5月7日に撮影したのだけど、結局、それから2週間経ってしまった(現在、5月20日)。

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この2週間の間で大分情勢も変わったので、今さら感は否めないのだけど、今後全体の状況が実際的にどう推移していくかはともかくとして、JTVの一つのコンテンツとして不定期投稿できればいいなと思っております。これもまた出口戦略と言ったら仰々しいのだけど、こうした料理コンテンツも重要だろうと、飲食店として当たり前のことを改めて思ったりもしてます。出口戦略というよりも、出口と入口が有機的に結びくようなルートを「詮索」している感じ。


というわけで、『100ッキン1ップンクッキン!』。100円均一(ローソン100)で販売されている食材でどれだけレパートリーやバラエティをだせるか、そんな企画です。自粛、ステイホームによって、こんな時こそ自炊!、料理!と張り切った方もいれば、しょうがなく始めた、と多様でしょう。そして、もっと深めたいと決意を新たにした方もいれば、もうとっくに飽きたわ、という人もいるだろうし、飲食店のテイクアウトにも熱が冷め、コンビニに回帰する人もいれば、夜のスーパーで長期戦を見据えての倹約重視を選択する方もいらっしゃるかと思います。

そこで、その全ての中間層に向けてはじめようと思ったのが100ッキン1ップンクッキン。料理は科学であり、同時に無秩序で、アナーキー(無政府主義)。だからこそ楽しい。派閥で言えば、僕はがっつり流行の滝沢カレン閥となるでしょう。

SNS投稿にしろ、流行のレシピ本にしろ、根底にあるのは「誰かに見せたい」という欲求、もしくは「効率至上主義、あるいは時短ファースト」の追求、か、「健康志向」。それはそれでそうなんだけど(それが求められるのだろうけど)、なんか料理にはもっとシンプルに「面白い」っていう要素があってもいいんじゃないかと思ってます。生活のマストでありながら、同時にアートであり、一方で「レクリエーション」でもあるはず。


「面白い感」にも色々あると思うのだけど、面白くさせるのはまるっきりの自由よりも一定の制限だったり縛りだったりもするので、まずは「100均」という誰にとっても馴染のあるもので、「1分」という枠を設けて、ゆるっと始めていきたいと思います。まあキューピーの3分クッキングが実際はCMも入れて10分くらいということなので、大体1分では収まらないのだけど、そのあたりはご愛嬌で、ということで、悪しからず、そして、よしなに。

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J×Jの出口詮索及びロードマップ②「バックパッカーデリバリー」

テイクアウトやデリバリーを今後どうしていくか、飲食店にとっては非常に悩ましい議題だと思います。相性の良し悪しがあるし、店内体制(スタッフの数やシフト事情)によるし、売上先行か利益先行か、そもそもそれに見合うだけの販売が立つのか、など判断の分かれるところかと。

J×Jにとっても難しいところではあるのだけど、販売チャネルとしてとっておいたほうがいいだろう、というのが今のところの結論です。ただユーザビリティに逆行するようだけど、時間と曜日を絞り、「木・金曜日(時々土曜日)の18時~20時にお届け」に絞って実施していこうと思ってます。

メニューは、

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をベースに、GWに販売した「おせち」と類する「総菜9種盛り合わせ」(2,250円)を上記メニューリストに加えます。多国籍かつ日持ちするメニューで構成するので、個人的には当商品が一番、J×Jらしさと外食感とコスパを発揮できるかと思ってます。


ただし、4月からGWにかけて実施した車でのデリバリーではなく、ポンコツの原付でお伺いします。したがって、自然と先着順となり、積載量の関係もあるので同エリアに1~2軒デリバリーするのが限界になるかと思います。

配達可能エリアはお店から約6㎞圏内。

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駅名でぐるっと円を描くのであれば、亀戸・北千住・ぎりぎり池袋・ぎりぎり新宿・六本木・麻布十番豊洲東陽町、こうした駅で結ばれる円の範囲になると思います。この円をさらに半分にしたエリアであれば、基本いつでも行けるかと思いますが、ほぼ住宅地じゃないから、そもそも注文母数がないかなと。

というわけで、上記のような原付デリバリーを定期的に実施していこうと考えたわけですが、原付も限りなくただの原付なので、せめて背負うものぐらいはちゃんとしないとと思ったものの軒並み売り切れ。それにUber専用のバッグも含め、同じような感じだとちょっと無機質というか、面白みがないなあと悩んでいたところに妙案。

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ウチのデリバリーはこれでしょう、ということで。この動画では段取り悪くグダグダですが、改善してばっちりバックパッカーデリバリーさせていただきます。よろしくお願いします。

J×Jの出口詮索及びロードマップ①「営業案内」

加えて言うと、半径200ⅿくらいの距離に本店よりひとまわり小さい2号店を構え、スタッフも食材も頻繁に行き来し、この2店舗間をうまく活用して、補完し合って、できるだけ効率よく運営できるように努めている。スタッフは2店舗合わせて、社員1名、パート・バイトが計4名だけれども、実質、出勤しているのはこのうちの2名、そして僕。GW明け、少しはランチ需要が戻るかと思っていたけれど、近隣大手事業所のリモートは全面的に継続され、未だに通りは閑散としている。

検査数やらなんやらはさておき、極めてソフトランディングなステイホームだったにも関わらず、感染者数は順調に減少傾向を辿り、ほんとに減るもんだなあとちょっと逆にびっくりしてるぐらいだ。予断を許さない状況ではあるけれど、もう色々としんどいので、どうかこのまま無事に切り抜けてほしいと思う。

とは言え、前回記事にも書いたように、前のめりにならずに、はやる気持ちを抑えて、慎重に事を進めてきたい。振れ幅が大きいとその分、疲れる。一喜一憂も疲れる。重心だけしっかり据えて、あとは場面に応じて、適宜、柔軟に。というのが基本姿勢となる。

 

GW後、そんなふうにふわふわしながら営業していたのが祟ったのか、先日、「ところで営業はしてるんでしたっけ?」と聞かれて驚いた。ああ、そういう感じか、と反省しました。しゃかりきに働いております、ひたすらSTAY WORK。なんなら1月中旬にヨーロッパに行ってから、一日もステイホームしてない国賊です。ていうかヨーロッパ旅行はヨーロッパに行ってたわけだから、1月2日以降、家でのんびり過ごす、ということをしていない。


そんなブラックカミングアウト、この令和という時代においては、祇園精舎の鐘の音の如く無常に響き渡るだけで、沙羅双樹の花の色如く必衰の理を自らアピールすることになってしまうので大概にするけれど、とにかく、営業はしています。

<営業時間・営業状況/5月19日時点>

【本店/ランチタイム】:平日 11時半~14時  店内営業及び店頭お弁当販売

*基本的にワンコイン弁当のみの販売となっており、その他のテイクアウトは実施しておりません。

【本店/ディナータイム】:平日18時~  事前にご予約いただいた方のみ20時まで営業させていただいております。

*テイクアウトは別途実施しておりますが、事前のお問い合わせを推奨させていただいております。

【2号店】:ランチタイムでのお弁当店頭販売のみとなり、ディナーは全面的に休業しております。 


なお、土日は基本的にお休みとなります。

 

といった具合で、休業していないわりにはけっこう脱力系でお届けしています。でも実際に力を抜いてるわけではなく、ヒット&アウェイでポイントを絞って展開しているイメージで、ご予約がない時は他のことに勤しんでおります。

 
で、その「他のこと」の基礎の構築が済んだのでこれから順次、アウトプットしていきたいと思っています。ジャーニー×ジャーニーは今後、「オンラインでどれだけ収益を上げられるか」がメインに据えていきます。全て初めてのことなので手探りで進めていくことになり、限られた人数と時間の中、通常の店舗営業と並行して走らせるので、このまま宣言解除となったとしても、リソースの全てを従来の店舗運営に投下しようと思っていません。初動において、前のめりになるのはやめようと考えるのはそうした意図に由来します。


だから出口戦略のまず第一は「ほどほどに」、ということになり、これが一番重要な行動指針だと考えてます。何がどうなるかわからないのだから、何がどうなっても大丈夫なようにしておくことが大切かなと。



A→「C」→B→D→E「#王様のブランチに抗議します」

以下2記事の観点に基づき、

www.journeyjourney-blog.com

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①先回りできることは先回りし、


②そうすることで創出した時間で他のことに取り組み、


③あとでもフォローできること(多数派が取組み、主流になること)については予想される課題やストレスを測定、改善しながら追随


という、「C→A→B→Z→Z→D→E」のサイクルをいかに作れるかが、J×Jが生き残るための道であるように思える。昨日、『王様のブランチ』で都内有名店のテイクアウトが特集されていたが、いかなる努力とロジックを動員したとしても辿り着ける境地ではない。

www.tbs.co.jp

あまりにも美味しそうすぎて、あまりにも安すぎて、テイクアウトしたすぎて、逆に飲食業界全体にトドメを刺すためにTBSが放った刺客ではないだろうか、と思うほどだ。東京中の飲食店をまるごと巻き込んだ無理心中を図りたいのかと訝しく感じる(片っ端から全部注文したい。特に数寄屋バーグ弁当、税込1500円)。武力のスケールが違いすぎるこの合戦に一兵卒として身を投じるぐらいであれば、本当に満足してもらえるであろう一定の層に集中的にコミットし、あとは潜水して隠密行動に徹した方が賢明だと考える。


2月に端を発したコロナ禍はDのタームからEのタームへと進もうとしている。政府や東京都と出口とその先にある社会の在り方を模索しているように、お店もどのようにしてトンネルを抜けるかと、そして抜けた先にまずどの島を目指すかを明確にする必要がある。でも、もしかしたら「明確にしないこと」を明確に表明すべきなのかもしれない、ともちょっと思っている。今後の行動指針と計画はできるだけ明確にせずに、ふわふわとクラゲのように漂ってみてもいいのかもしれない。はやる気持ちを抑えて、前のめりにならず、極力ニュートラルに。

そもそも今は本当に「D→E」なのか?、というのが疑問だ。宣言解除後に来るであろう第2波や第3波への懸念ではなく、もっと長期的に捉えた視点が必要だと感じる。確かに飲食店としては宣言解除に伴う制限緩和は一つの区切りにはなるし、A→Eのシーズンを終えることにもなるだろう。でもその一方で、まだ巨大な「A」の中にいるのではないかとも思う。今、うっすらと輪郭が見えてきているのが次の巨大な「B」というステージで、社会全体で考えればきっとそうなのだろう。

社会生活の中で前線に立つ飲食店、ライブハウスや劇場、美容院などリアルビジネスは言うなれば海沿いの街で、この大きな津波はそのエリアを丸ごと飲み込んだわけだけど、津波はそれで引いたわけではなく、これからじわじわと内地に押し寄せていくだろうという見立てはけして過剰な悲観論ではないと考える。海岸線に立つ飲食店は内地に暮らす人々に訪れてもらって初めて経営が成り立つのであって、被害が内地に及べばマーケットそのものが消滅することになる。そうなれば店舗運営は「新しい生活様式」だとか「入場制限」だとかを遥かに凌駕したレベルで改めて逼迫することになる。

コロナ禍の初期の段階で被害を軽視していた事業体がその後、苦難と不安を余儀なくされたように、社会全体の中で「自分は大丈夫」と思っていた層に津波がどこまで到達するかは誰にもわからない。「飲食店や事業主はいいよね、まだ政府が補償してくれるうちに被害にあってさ」なんて言われる日が来る可能性だってゼロではないような気がする。おまけにこの津波は長い目で見れば、ほぼ同時に全世界を襲撃している。日本が今、食糧自給率を改善しなきゃと危機感を募らせているように、世界中の国々がそう考えている。桁違いの被害と損失を被り、惜しげもなくAmererica Firstを前面に打ち出すアメリカは今後どうするだろうか。アメリカの意向次第で輸出入の世界地図はいかようにも変容し、当然、それは日本経済にも連動し、直結する。飲食店運営の立場とすれば、今世界各国から輸入され、流通している食材や調味料の在庫と価格はどうなるのだろう?、ぐらいだけど、それぐらいの心配で済むことを祈ってる。

 

だから、5月末までの営業をどうしようか、とか、6月からどうしようかというのも当然考えなきゃいけないことなのだけど、それよりも間もなく来る巨大な「B」の前に、先回りして「C」にどれだけ取り組めるか、そういう視点を大切にしたい。先行きなんて全然わからないけど。


公務員はそれでも守られるかもしれないけど(羨ましい)、個人事業主/従業員、社長/会社員、フリーランス/フリーター、そういうあらゆる境いがなくなって、個々のサバイバルの幕が開け、みんなが等しくインディーズというのも過剰な悲観論ではなく、もうすでに始まってるのかもな、とうっすら思ったりもする。


C-A-B-Z-Z-D-E②「自粛警察の皆様お疲れ様です!」編

だから、AやBに取り組む前にCを済ませ、多数がCを取り組んでる時にZをぶっこみ、で、ワンテンポ遅れて、同じようにDとEを踏む、こういうアプローチもありなんじゃないかと思う。


と結んだ前回の記事だが、

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当然、言うが易しだ。行うはとても難し。

基本的にAに先んじてCを済ますことなんてできないし、ましてその間に誰もやらないような、言い換えれば誰も見向きもしないような、「Z」に注力するなんて、なお難しい。異端児扱いか、奇を衒うの好きだよねと一蹴されるか、見て見ぬ振りされるか、冷笑かのいずれかだろう。ガリレオ・ガリレイ亀山社中も、堀江貴文も石川県の旅館「森の栖」も、切り拓くから叩かれ、叩かれるから切り拓き、切り拓くから切り拓ける。

j-town.net

先人たちの歴史的開拓や、現代を生きる鋭いインフル-エンスはともかく、話のスケールをぐっと庶民的にして、例えばこの恐慌に際しての「資金繰り」の在り方とかに落とし込んでみる。多くの小規模事業者が申請しているであろう政府系の日本政策金融公庫からのコロナ融資だが、2月の上旬にはすでに公表されていた。厚生労働省管轄の雇用調整助成金の同様で、なんならもっと早く始まっていたような気がする。当初は要件に「中国からのインバウンド減少に伴う売上低迷」という文言が盛り込まれていた。まさかわずか2ヶ月でここまでの世界的厄災になろうとは誰も思っていなかっただろう。


その後、雇用調整助成金は特例措置として、もう原型ないくらいに緩和されたわけだが、日本政策金公庫の融資については基本的に変わらない。あくまで融資であり、返済しなければならない。だからこそ経営者は迷う。ここで新たに借金すべきかどうか。「まあ言うてもそこまでじゃないでしょう、もう少し様子を見よう」と考える人もいれば、「いやいや、運転資金借りれるなんてむしろラッキーじゃん」と飛びつく人もいる。ただ多数は前者の判断を選び、AやBの段階では様子見し、状況がCに突入してから融資の申請に踏み切る。その頃には三密を伴った行列ができていて、当然、申請にも審査にも入金にも時間がかかる。同時に融資が決定しないことには動こうにも動けない、という状況に陥る。あくまで結果論であって、その時に何が正しいかなんて誰にもわからないのだが、決断と行動が多数派のタイミングと重なると、あらゆる「密」が発生するのは間違いない。クラウドファンディングについても同じことが言える。

当然、テイクアウトやデリバリーへの傾倒についてもまた然りで、店もメディアもこぞってこれを前に打ち出すわけだから、ユーザーも消費行動もそれに呼応する。現状、それしか手立てがないわけで、この取り組みを通じて「飲食」という業界全体の呼吸困難が回避されればそれに越したことないけれど、結局は供給過多、「密」であることは否めない。宣言解除後も引き続き、テイクアウトでの勝負を継続するのであれば、今、Dというタイミングでここに時間と予算と可能性を投下するのは有意義かもしれないが、ここからのEというターム(宣言終盤及び解除後の初動)に向けて、どこまでウェイトを寄せるかは際どい議題であるように思える(現状、J×Jはテイクアウトやデリバリーはあまり風呂敷を広げず、ピンポイントで対応している)。

その店のアイデンティティや個性はテイクアウトとデリバリーだけに収まることはないはずだ。飲食店(特に小規模事業者)の窒息死を救うための処方はきっとそれだけではないはずで、他の呼吸法も、他の息継ぎの仕方もきっとある。だから、僕はオンラインで小説を販売するという「Z」という措置をとり、今はこの営業に励んでいる。 「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」のトリックプレイ(あるいは超正攻法)にはただひたすら感服するが、僕も自分なりにアクロバティックに動いていきたい。このまま酸素を失い、窒息するわけにはいかない。だからこそ、小説のオンライン販売に挑んでいる(決済はNOTE経由で500円・1000円・任意のサポート、もしくはPayPay経由での送付とさせていただいております)。

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ちょっとしつこいなと僕自身も思っているけれど、現状におけるジャーニージャーニーの主力商品は小説『Journey×Journey』であると確信している。あらゆる側面と、あらゆる角度から考えて、そう思っている。販売開始から10日経つけれど、販売当初よりも、「読み終えた後」のサポートが断続的に続いていることが嬉しい。ありがとうございます。勿論、お世辞や社交辞令が大半を占めていることは承知しているけれど、読後にいただくご感想からして察するに、一定の手応えについては自信を持っていいように思える。だから、読んでもらいたい。全5章から成るのだけど、とりあえず2章まで読んでいただけたら…と思う。

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といった具合で、このオンライン販売は崖っぷち店舗運営の中での「Z」としての取組みではあるのだけど、別の意味合いもある。自分自身も、お店も、小説も世界を旅したことで得た経験と、世界を旅させてもらった恩恵が礎になっているのだ。それが封じられている今だからこそ、旅に憧れる多くの人に読んでもらいたいという気持ちも、旅人として、また強くある。

 

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C-A-B-Z-Z-D-E①「解決策はバッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」編

先日、ツイッターでこういうポストを見かけた。


このツイートはメディアと、メディアに踊らされている(であろう)方へのアイロニーであるわけど、ツイートしている方(永江さん)も、取り上げられてる方(永江さんに取り上げられているおばさん)の両方に通底しているのは同調を喚起していること。「テレビを見ろ」という同調喚起と、それに対し、「テレビなんて信じるな」という同調喚起。


主たる部分が依然謎めいているにも関わらず、被害は不特定多数に及び、かつ甚大で、情報は否が応にも大量に流れ込んでるわけだから、何に、どれに、行動規範のウェイトを寄せるかは結局は個人に委ねられる。実際のところ、どうなのかなんて誰もわからない。

日本政府に失望する声も多いけど、「死者数」だけのコミットで言えば何であれ結果を出してることになっちゃうような気がするし、当初、あれだけ叩かれたダイヤモンド・プリンセス号のことなんて今や誰も取り上げず、この船での対応の失敗が感染拡大に結びついてるなんてほぼ誰も思っていない。「東京事変」事変は満州事変ぐらい遥か彼方の出来事だ。

確かに今さら届けられる2枚のマスクは日本中の郵便受けの中で、日本中の失笑を買うことになると思う。これはタイミングの問題であって、一ヶ月早ければもっと有効だったかもしれないし、今から配送を停め、1日に1万人の感染者が出ているロシアに送れば少しは有意義かもしれず、それはタイミングが遅いからこそできることだったりもする(ちなみにロシアは1日に1万人の感染者が出ているにも関わらず、経済を再開させようとしてるのだから半端ない。日本はここ数日一日に100人前後。思いきりのスケールが桁違いだ)。

そして、その一方、幸福の国ブータンでの感染者数と幸福度がどう推移しているのか、ハイパーインフレでぶっ飛び続けているジンバブエ経済がこの大騒動でその後どうなっているのか、おそらくほとんどの人が知らない。僕も知らない。有事において情報は何よりも重要であるけれど、同時に情報なんてそんなもんだ、とも思う。


情報の有効力や正誤性というのは結局、最終的な結果とタイミングからでしか測れない。感染者数ではなく検査数、検査数ではなく病床数、感染による死者数ではなく自殺者数、自殺者数ではなく失業率、失業率ではなく倒産数、倒産数ではなく日経平均、いや陽性率、いやGDP、いや食料自給率、いやいや実効再生産数でしょ、いやいや…、といった具合でキリがない。

そう言えば、バッタの大群はどこに行ったのだろう?

news.yahoo.co.jp

上記、3月7日の記事。その後どうなったのかを調べたところ、アフリカで第2波が起きていた(第1波がどうなったのかはよくわからない)。

wired.jp

上は5月11日の記事。この新たな問題への対応として、環境学者シリル・ピウ氏(フランス国際農業開発研究センター所属)はこう言う。「解決策はバッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」。そりゃそうだろう。フランス国際農業開発センターに所属していない、秋葉原旅食ダイニングJourney×Journeyの山本だってそれぐらいのことは言える。「バッタの被害を抑えるためにはどうすればいいですか?」と聞かれたら、「それはですね、バッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」。同様に「テレビを見なさい」、あるいは「テレビを信じるのはやめなさい」、まあ多分、特にメディア論も政治信条も持たない崖っぷちの店主にだって、それぐらいは言えそうだ。


Aの次はB、みんながCをやるからC、CをやったみんながDって言うからD、だったら次はE、情報交換も、足並みを揃えることも、同調も、We are the worldも、Its a small worldも必要だけども、みんなが同じステップを踏んだら、そのA-B-C-D-Eの正当性すら証明できなくなるリスクも感じる。と、俺は思っちゃうけどな。他の国と比べる比較論に持ち込むなら、日本はどういうわけかすでに成功になっちゃう。ブータンからすれば失敗かもしれないけど。


だから、AやBに取り組む前にCを済ませ、多数がCを取り組んでる時にZをぶっこみ、で、ワンテンポ遅れて、同じようにDとEを踏む、こういうアプローチもありなんじゃないかと思う。

 

 

小説Journey×Journeyのオンライン販売はどこに向かうのか。そして、このままお客さんが来ない、来ても満席にできない店内で不貞腐れながら生きていくのか。

2月上旬に東京で初めての感染者が出たところから、3月末の東京都知事会見までが僕の中では第1ラウンドで、その後、緊急事態宣言を経て解除予定日だった5月6日までが第2ラウンド。そして、ここから第3ラウンドがスタート。この第3ラウンドは5月31日までというより、もう少し長いスパンを見据えています。 2本柱で進めていこうと思っているけれど、1つはオンライン販売。そして、その封切作品としたのが小説『Journey×Journey』です。

概要については以前の記事でお伝えしているので割愛するけれど、「何故このような取り組みをするのか」で言えば、根本にあるのは「危機感」。僕は自分と自店が置かれている状況でしか今後を推し量ることができないので、あくまでJ×Jの話になるけれど、事態がもっとも切実化するのはもう少し先の話になると推測している(8月か9月頃)。全体的に緩和ムードへと傾斜し、補償や助成の道筋が見え、今は絶望と焦燥から少し救われた気運があるけれど(自店もしくは同じような小規模事業者の間では)、本当の修羅場はむしろ、今からではないかと。この部分に触れると長くなるし、明るい話でもないので、これまた省くけれど、とにかく僕はそう見立てている。

控えめに言って、今回の禍を通じて、「従来の消費マインドとスタイルが変容し、新しい生活様式が周知され、定着する」、それだけで今の飲食業のモデルや収益構造はいよいよほぼ壊滅するだろう(行列ができる美味しいラーメン屋さん、デリバリーに向いている本格ハンバーガーショップ、またそれに準じる事業体は戦火をくぐるかもしれないが)。

だから、飲食店も提供側として「従来のマインドとスタイルを変容せしめ、新しい事業様式を立ち上げないといけない」と感じている。「これからは時代に合わせて、テイクアウトやデリバリーにより一層力を入れて…」とかそういうおとぎ話ではなく、もっと本質的に、もっと抜本的にひっくり返さないといけない。苦し紛れの中途半端な斜め上ではなく、もっと「ねじれの位置」からの「とびきりのおとぎ話」をしたためなければならない。現実、それは難しくても、それぐらいの意気込みで思考と行動を創作的にすべきだと思う。

今までの客数、客層、来店動機、利用シーン、利用できるスペース、ニーズ、ウォンツ、財布の紐の締め方、緩め方、その全てが変わっていく。杞憂に終わればそれに越したことはないが、僕はそれぐらいの覚悟でいて、だとすれば「選択肢(商品)を増やそう」と思っている。飲食店ではなく、商店になるイメージ、言うなれば「世界に一つだけのコンビニ」化。それが僕の中の「とびきりのおとぎ話」であり、八百屋もよろずやもそのための布石で、小説Journey×Journeyのオンライン販売はそのための第一歩だと考えている。

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当然、まあ、売れない。そりゃそうだ。公開もされていて、価格も曖昧(500円/1,000円/任意)で、まったくの無名で、文脈も突拍子も全くない、となれば当たり前でしょう。そんな得体の知れないインディーズ商品を買うのであれば、無難なカオマンガイを食べた方がいい、普通にそのとおりだと思う。

でも一方で、「身動きとれないけどオンラインで何かあれば協力したい」とおっしゃってくれていた方々、またそう思ってくれていた方々の何名かは「苦境に立つ飲食店あるいは僕個人に対する支援」という意味も含めて(というかほぼその意図で)、サポートいただいている。もう御礼を言ってばかりで、甚だ恐縮なのだけど、とても有難く受け取らせていただいている。そして、これから、とても有難く積極的に活用していきたいと考えています。


「活用」についても前回内容と重複になるけれど、今回サポートいただいた資金を元手に小説『Journey×Journey』をZINE(フリーペーパー)にします。


現時点でデジタルとして存在しているものを、形化して再びアナログな存在とする。アナログに起こしたものを今度はオンラインショップで販売する。アナログ→デジタル→リアナログ→リデジタル、こういうサイクルに挑戦したいのです。一つのエコシステムのようなもので、J×Jという一つの経済の中で循環させていきたい。この挑戦に、綺麗事を言わないのであれば、一度予算を投じて作ってしまえば「原価」がほぼかからないこと、そして、この生産と販売に関して、ほぼ「コスト」が発生しないこと(そもそも僕がこれを書き上げるのに10年近くの歳月を費やしているという観点を除けば)。


綺麗事を言うのであれば、この取り組みは「プロジェクト」という側面を持つということ。飲食業の場合、「Aさんからカオマンガイをご注文いただく→Aさんにカオマンガイをご提供する→Aさんにお召し上がりいただく」という個人的な消費活動に終始するけれど(そこが飲食業の醍醐味でもある)、このプロジェクトであれば「参加型感」を纏わすことができる。またカオマンガイは即時的、物理的に消化されてしまうけれど(ここも飲食業の醍醐味だ)、ZINEは有形であり、成果として残り続け、プロジェクトそのものは継続されていく。綺麗事だけど、信じるに足る綺麗事だと思っている。


さらに綺麗事を重ねるのであれば、このプロジェクトは他の飲食店のみならず、多くの小規模事業者にも適用される可能性を秘めている、ということ。僕は文章を書くのが好きだから、小説を書く。だから、小説を商品化する。でもそれは、飲食店店主が撮る写真集だっていいし、美容師が描く油絵だっていい、一人親方が焼くホールケーキだっていいはずだ
。「そんな売り物にできるほどじゃ…」と言うかもしれないし、実際僕がそうであるように、売ろうにも売れないかもしれない。かと言って、このままお客さんが来ない、来ても満席にできない店内で、不貞腐れながら生きていくのか、と思う。

 

「いやあ、俺、他にそんな特技ないし…」と言い始める人もいるでしょう。であれば、とりあえず目の前にあるものを、すぐ手に取れるものを商品化すればいいんじゃないかと思う。既存のメニューブックを編集して、メニューの開発秘話やコメントを載せて冊子化するとか、カメラロールの中で眠り続けているラーメンの写真を集めてカレンダーにするとか、何か激しいコンプレックスを持ってる人はそのコンプレックスをぶちまけた詩集を販売する、とか。「もうほんとに何もない人」がいるのであれば、その「もうほんとに何もないこと」を代え難い価値とすべきだと思う。とにかくプロダクトを新たに創出することが大切だと思う。個人事業主フリーランスであれば、特に。閉塞感は閉塞的なプロダクトしか持たないからもたらされるのであり、であれば、それを打破しうる何かを持てば、光明は差すのではないだろうか。


確かに僕は多国籍料理店の店主としては一応プロかもしれないが(一応5年やってるから)、文筆家としても、よろずやの店主としても、地べたを這うことさえできないインディーズだ。けれど、本業の圧迫が不可避であるのであればなおさら、今後重要になってくるのはそのインディーズの部分だと思う。
在り方や価値観がひっくり返るのであれば、同じぐらいひっくり返して、「プロのインディーズ」という矛盾と荒野を目指す。道のりは険しいけれど、どの方角も道のりは険しい。


だから、小説Journey×Journeyをオンライン販売するというよりは、

この小説そのものを販売するというよりは、
(何ならクリエイターへのサポートですらなく)、


「このプロジェクトが秘める可能性」をよろずやジャーニーの棚に陳列しているつもりです。


綺麗事だし理想論だが、信じるに足る綺麗事であり、懸ける価値のある理想論だと思っています。

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