Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

J×Jのタイへの冒険①-思惑-

ブログで書き進めている開業物語、2015年3月28日の一回目のレセプションまであと一息というところで、現実ではそれよりも先に一周年を迎えてしまった。ドキドキでワクワクだったレセプションからちょうど一年、2016年3月28日は特に感傷に耽ることなく、と言うより意識して思い出すこともなく、月末の各種振込に追われ、バタバタと過ぎ去っていった。

 

 

一周年を機に、2月に行ったタイ旅行のことを書こうと思っていた。開業物語はまだ途中だけれども、ここで一度中断して、予定通り旅行記を書き留めておくことにする。

 

 

2月に旅行に行くことは前々から決めていたし、オープン当初からの目標でもあった。12月の繁忙期を乗り越えて、正月はゆっくり過ごし、1月に体制を整えて、閑散期となる2月に旅行、というスケジュールで進めてきた。

 

 

なので、旅行の目的の一つはずばり、バカンス。何はともあれ、とにかくビールを飲んで、ビールを飲んで、ビールを飲みたかった。日本からさくっと行ける距離で、さくっと頭のネジを緩めてくれる国と言えば、タイ。他に対抗馬となる国はなかったし、今回に関して言えば新しい国や街を開拓しようというフロンティア精神は全く湧き上がってこなかった。お馴染みのバンコクで、お馴染みの堕落論を展開することを何よりも求めていた。

 

 

そう考えれば一人で行ってもよかったし、より完成度の高い怠惰を謳歌するのであれば一人の方がよかったのだけど、今回は「加藤と一緒に」とはじめから決めていた。それはひとえに「一年間お疲れ様でした、ありがとね」という労いの意に他ならない。

 

 

しかし、お店の営業を休んで行くからには目的をそれだけに留めるには勿体ない。休暇とは言え、時間とお金を100%バカンスに注げる余裕なんてないし、そもそも、ペラペラでふわふわのルーキーなのだ、我々は。お店の営業やゲストに還元できる何かを持ち帰りたかった。と、漠然と考えていたのが11月。そして、12月に差しかかる頃、そのタイ旅行をお店のイベントであるタイ・ラウンドに繋げようと思い至った。

 

 

12月のクリスマス・ラウンド(忘年会)と4月の一周年までの間に一回、加藤主導のイベントを差しこむ予定だった。7月に加藤に担当してもらったスペイン・ラウンドではまるちゃんが料理を作ったが、次のイベントでは加藤にお願いしたいと思っていた。僕は彼に料理のセンスを感じていた。手先は自分よりも器用だし(と言うか、俺が絶望的に不器用)、暇な時にまかないを作ってもらうことが何度かあったが、要領よくポイントを掴む。加藤は調理に向いてる、と本気で思っていた。今回のイベントを通じて「調理」への足掛かりにし、段階的・部分的に通常営業の料理も習得してもらうという構想があった。

 

 

とは言え、周囲の認識にそんなイメージは当然ない。加藤の料理でイベントを起こし、集客し、代金をいただくとなるとそれなりの説得性が求められる。少なくとも、提供側としてはそういうスタンスでいたい。勿論、営業の合間合間に少しずつ僕が教えていくことになるけども、そうした当然の努力とは別のロジックが欲しかった。

 

 

であれば、実際にタイに行って、実際にタイで修行して(まあ実際は料理教室に参加しただけなんだけど)、それをイベントで提供すればいい、と思った。そうすれば加藤が料理をすることの違和感を少しは和らげることができるだろう。

 

 

そのようにして、2月のタイ旅行をタイ・ラウンドに反映させ、ひいては細くうっすらと「調理」に繋げるというストーリーラインが浮かび上がった。

 

 

加藤もそのシナリオに同意した。「おちゃらけではなく、本気でやりたい」と言った。

 

 

 

というわけで、今回のタイ旅行の主な目的は、

 

 

①休暇

②タイ・ラウンドへの必要条件と十分条件

 

 

の2点に集約されるが、

 

 

さらに、

 

 

③内装のリニューアル

(もともと2月中に改装することも決めていた。改装中、営業はできないので工事によって生まれる休みを有効に使いたかった)

 

 

バンコクにいる友人に会いに行く

 

 

⑤そもそも加藤に海外を体験してほしい

 

 

 

 

 

 

という目的も伴い、

 

 

 

 

 

全ての思惑はバンコクにたぐり寄せられていた。

 

 

 

 

 

 

下の写真はタイ・ラウンドのカバー写真(俺が世界一周時に撮った写真を加藤が加工)。

 

 

 

 

 

 

そして、今回のタイ旅行で同じ場所、同じアングルから撮った写真。