Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

J×Jの2号店への冒険

「丸三年で一店舗目を軌道に乗せ、体制を整え、4年目に2店舗目を出店する」というのがオープン当初からの目標だった。そして、2店舗目を展開するのであれば同じ台東1丁目で出したいと前々から考えていた。今すぐには難しいけれど、将来的には役に立つだろうと思って、以前から物件に関する情報サイトには登録し、通知が来るたびに参考程度にチェックしていた。

ところが、希望する台東1丁目の物件情報は全く上がってこなかった。台東2丁目だとか、隣合わせの番地だとかの周辺の物件はたまにアップされることはあったし、少しでも可能性を感じる場所には行ってみることにしていたけれど、ピンと来る物件は一つもなかった。まあ、どのみち今は無理だし、とりあえずチェックだけして気長に待とう、そして本腰入れるようになったらWebだけでなく、実際に足を使って不動産屋にあたってみよう、

と思っていた矢先、

「台東1丁目 12坪 家賃24万」という物件情報がサイトに上がった。5月末のJBQが終わってちょっと一息ついた6月上旬のことだった。坪単価はけして高くない。立地も間取りも間口も、2号店として理想的だった。こんなドンピシャな物件が出てくるとは、と晴天の霹靂に胸が高鳴った。と同時に、この条件であれば中堅や大手が出てくるだろうと見越して、はじめから諦め気味でもあった。でも、とにかく内見だけはしておこうと思い、問い合わせした。内見後、思いのほか話はスピーディーに展開し、あれよあれよと事は進んでいった。早々に降ろされるだろうと思っていたレースは予想に反して、いいポジションを保持したまま中盤戦にさしかかっていった。3回までに3失点で済めば上出来、と思っていた投手が4回まで無失点に抑え、5回のマウンドに立とうとしている。そんな感じだ。

その過程で当初の提示金額である24万の家賃が途中で30万に跳ね上がった。「途中で金額を吊り上げるなんてちょっとありえないし、私も抗議したんですが…」と仲介業者は言った。僕自身はこれを受け、当然それなりの疑念や不信感を抱いたけれど、それでも魅力的な物件だという認識は変わることなく、この値上げで他の応募者がふるいにかけられるのであればかえって好都合だと、最後まで突っ走ってみることにした。

交渉が大詰めを迎え、今日が天王山という時分で、同じ「台東1丁目」の物件情報が出た。今まで全然出て来なかった台東1丁目の物件が短期間に立て続けに出たことに、そしてそれが交渉の大一番の局面だったことに困惑しながらも、とりあえず申し込むだけ申し込もうと半ば強引に滑り込んだ。

結局、当初本命だった物件には弾かれた(正確には9回裏の完投目前で自らマウンドを降りた)。

そして、滑り込んだ2つ目の物件を抑えることに成功した(ここに至るまでの過程がなかなかにドラマチックでスリリングだったのだけど、その物語はいつか別の機会に触れたいと思う)。

 

つまり、2号店の出店が確定した。

2017年9月1日に契約開始。

9月20日にプレオープン。

(もともとお弁当屋さんだったので、まずはお弁当販売から始めた)。


そして、10月2日にひっそりとグランドオープンした。


お店の名前は「Journey×Journey Box round」。本店との区別のために「ボックス」という愛称で定着したらいいなと思う。

 

お昼はお弁当が主体となるので、「ランチボックス」のイメージで「ボックス」というワードを抽出した。これにかこつけて、ディナータイムでは「ボックスメニュー」を提供している。ボックスメニューは各種料理を詰め合わせている。サラダボックスは世界のサラダの3種盛り合わせ、チキンボックスは世界のローストチキンの3種盛り合わせ、という案配で、世界の料理を少しづつ、幅広く楽しんでいただきたいと思っている。

また、僕の大学時代、所属したサークルの部室の愛称が「ボックス」だったことにも由来している。14席ほどの狭いお店ではあるけれど、友人や同僚など身内でワイワイするには本店よりも過ごしやすいのではないかと感じている。

 

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ボックスは本店から徒歩2分の場所にある。
(住所:東京都台東区台東1-33-4 山上ビル1F)


今、僕が行ったり来たりしているように、ゲストの皆様もシーンに応じて使い分けしたり、ハシゴしてくれたりしたらいいなと思う。そして、そういうふうにしてもらえるようにBOXを育てていくのがスタッフ一同の使命。


BOXは平素のご愛顧の賜物であり、これに厚く御礼申し上げるとともに、

秋葉原旅食ダイニングJourney×Journeyならびに、
Journey×Journey Box roundを、

今後ともどうぞよろしくお願い致します。