Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

今まで何をしてきたのか②

自分なりに粘ってみようと思ったものの、貸切がどうとか、なんとか打開策を、とかそういう話ではなく、飲食店運営そのものが立ちゆかない。そうした重大局面に直面した。この時はまだ補償も曖昧で、そうしたフォローの部分の極めて不透明であった。自力でなんとかするしかない。

この時、同時に起こっていたのはトイレットペーパーの買い占め騒ぎだった。そして、ロックダウンや東京封鎖という言葉が独り歩きしながら横行していた頃で、スーパーマーケットに押し寄せる様をメディアはこぞって取り上げていた。こうした動きを横目に見ながら、「そうか、モノは売れるのか」と強く感じ、ここに活路を見出そうと考えた。「モノ」を作ろう、と。もうこの頃には飲食店のテイクアウトへのシフトも取り上げられるようになっていたが、それについてはあまり考えなかった。今ここでテイクアウトを打ち出しても埋もれるだろうという懸念と、もう一つは店内体制的に難しかったということ。それまでいた社員が退職し、4月1日付けで飲食未経験の社員が入社することが確定していた。限られた条件で乗り切っていかなければならない。

という流れの中から「物販」を始めた。オリジナルの調味料を作って、おうちごはんやSTAY HOMEに訴求しながら、お店にすでにあるモノを買ってもらうためにはどうすればいいかを考えた。そして、自店の商品だけでなく、店外の人にも関わってもらいながらプロダクトを広げていった。海外ビールやワインなどの酒類(免許取得)、レシピ本、アチャール、エコバッグ、エアコン清掃、Tシャツ、小説など。そのようにして「商品」をある程度作ったのち、日程を絞って、デリバリーを始めた。デリバリーには当然、物販だけでなく、FOODメニューも含みながらであり、「おせち」など特別メニューを用意した。

GW明けはオンライン販売をどうすれば構築できるかに集中していったが、これについてはスピード感を持つよりも助成金を活用した方がいいと考え、少し慎重に考えることにした。どの助成金を、どのように活用するかを考えながら、2,3か月先を見据えて、どのような体制を組むのがいいのかを模索した。4月からの取り組みの中で思ったのは店舗運営という枠の中で活用できないまま、手つかずだったものが多いということ。こうしたリソースを咲かせるにはどうすればいいかが主題であり、すこし話を膨らませるならば「自分の経済を自分で作り、自分で循環させる」ということになる。と言うと、少し話が抽象的になるけれども、スタッフがそれぞれ自分の強みを生かして自分の商品を作り、売り、それを通じて通常営業やオンライン販売につなげていく、これが入口となる。そして、その試金石を7月25日の5周年を兼ねたフリーマーケットに据えた。


6月から7月時点の検討項目は「通常の店舗営業をどうするか」という飲食店としての前提について。最も大きな選択となるのは2号店のディナータイムをどのタイミングで開けるか。そもそも開けないという選択肢もあったが、結論、7月下旬に再開することとした。いずみの調理習得や本店を含めたグランドメニューの変更、コンセプトのマイナーチェンジ、コンテンツの策定など、7月はこうした部分に注力した。

 



こうした流れの中、今、8月を迎え、気付けばあと一週間。どこにどうアクセルを踏み、どこにどうハンドルを切るか。今が最も悩ましい。少年時代を経て、思春期なのだろう。

https://jjakihabara.thebase.in/items/32492327

f:id:journeyjourney:20200823192924j:plain