Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

秋葉原路地裏酔いどれ経済論2021①(1月~3月)

一年の多くが緊急事態宣言下にあり、営業時間も酒類の提供も制限され、多くの飲食店にとって、本当にどうにもどうしようもない一年だった、2021年。J×Jも全面的に要請に従い、ディナーはほぼほぼ休業、にも関わらず、僕にとって、J×Jにとって、2021年はかなり忙しい一年だった。休もう休もうと思いながら、結局、ひたすら働き続けたし、ブログの更新も、SNSの投稿もオープン以来、最も少ない一年だった。

さすがに気が早いけれど、きっと2022年もろくに振り返ることなく、あっという間に過ぎていくのだろうから、2021年がどんな一年だったかを記録として残しておこうと思う。


まず、2021年は新年早々、緊急事態宣言が発出されるところから始まった。のっけからこれか…、という暗澹たる気持ちがありがならも、営業自粛と縮小を余儀なくされる飲食店への補償がこのタイミングを機に手厚くなり、また店舗数に応じて対応いただけることとなり、とても安堵した。同時に、感染拡大防止と損益収支の観点からすれば休業するのが一番なのだろうと思う一方で、これに甘んじて、動きを止めてしまっては自分もお店もだらけてしまうような気がして、営業は継続することを決め、その上で自分たちに何ができるか、何をこの先に繋げられるかを模索することにした。

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まず初めに取り組んだのが①デリバリーの拡充。この時点ではまだゴーストレストランの一店舗しか展開していなかったけれど、自店のアカウントで3店舗、追加で出店した。それぞれ「激辛・旨辛」、「羊・ラム肉」、「オリジナルカオマンガイ」をコンセプトとし、ニッチなニーズをピンポイントですくえるように図った。激辛・旨辛に関してはそれなりに動いたけれど、他の2店に関してはさっぱりだった。けれど、カオマンガイに関してはその後、テレビ取材につながったので、何がどこでどうなるかわからない。また、ウーバーなど既存のプラットフォームは使わずに自店でデリバリーを構築できるよう、台東区の新ビジネスチャレンジ支援という助成金を活用させていただいた。


これに付随して、飲食店営業ができないのであれば、ウーバードライバーの待機所を作るのはどうか、という事業案も出た。「②ウーバーヲマーツ」という名前でビラを作ったり、実際にドライバーさんに案内したりもしたが結局、実現化には至らず。けれど、デリバリーの拡充やマーツ事業の構想があったからこそ、③2号店のバックヤード改装に着手することができた。包材などの在庫やデリバリー用の自転車やバッグを保管するためのスペースを作った。

 

こうした動きは飲食のマイナス分を補填するための展開であったが、メインである店内営業をどうするかに関しては、営業時間を拡大して新規顧客にアプローチするしかないと考えた。もともとは団体や貸切の利用を獲得することで、費用対と満足度をできるだけ最適化することが第一義だったけれど、その道が絶たれたのであれば、逆に営業時間を拡大して来店動機と利用シーンを広げるしかない、と(この頃は「昼飲み」が問題にもなっていたし、話題にもなっていた)。営業時間をどれだけ絞っても、どれだけ広げても家賃は変わらないし、20時までしか営業できないのであれば土日も開放しようとしたが、そうなると今度はバックオフィス業務など自分の仕事が進まない。それにスタッフが休憩できる場所もない。であれば…、と考えたのが、④本店の2階の新規契約とオフィス化だった。この内装工事を助成金と絡められないかと思索したけれど、感染防止のためでもなければ、「事業」でもないので断念。イニシャルもランニングもかかるし、リスクを負い続けることにもなるけれど、長い目で見れば投資すべき事案だと判断し、契約。今では2021年に取り組んだ物事の中で最も良かったことの一つだと感じている(しかし、営業時間に関しては結局、従来のままとなっており、今後どうするかも今のところ考えられていない)。

メニューに関して言えば、この頃から「激辛」に精力的に取り組んでいた(⑤激辛メニューの開発)。本来、既存の激辛にはないオリジナルの激辛メニューを打ち出すべく、「世界の料理×激辛」というコンセプトで「世界一周弱激辛コース」を推していきたいと考えていたが、営業時間が限られている中、コースの推奨もやはり厳しいので、単品メニューとして畏れ多くもラーメンもメニュー化することにした。まだまだ認知されていないけれど、透明な激辛「白虎」は今後も粘り強く推していきたいメニューの一つ。

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できれば「激辛」というピンポイントなワードを強くしたかったし、昨今の激辛ブームにのって、ここをフックにあわよくばメディアに露出して、時短の中でも売上を作れるようにしたかったが、その思惑とは別にスポットライトが当たったのは「ガーリック」だった。たまたまネットニュースのインタビューに応じたことをきっかけに、複数のニュース番組に取り上げていただき、その後、激辛はいったん退いて、⑥「ガーリック」と「ガリガリカオマンガイを積極的に打ち出すことにした。

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放送が立て続いたのは3月下旬だったけれど、その後しばらくして9月に今度はバラエティーで取り上げていただいた。

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結果的に2021年は最もテレビに出させていただいた一年となったが、ほとんど全て宣言下での取材だったので客数としての反響はそこまでではない。けれど、通常では到底出せないアクセスがあったので、SEO的にこれは大きな収穫だった(多分)。