Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

「働き方の自由化」と「飲食店営業の自由化」

ここのところ、

「Shopifyについて教えてほしい」

Uberって実際どうなの?」

「J×Jの内装でこういうことってできる?」

「調味料製造業許可ってとるの大変?」

「キャンプ雑誌のコンテンツで何か面白い企画ないかな?」

助成金とか補助金とかってさあ…」

そういう相談を受けることが多い。もはや飲食、関係ないことの方が多い。


その一方で、

「WEBマーケティングの実績作りたいからJ×Jで試させて」とか、

ツイッターの運用を他社でやってみたいんだけど、その実験台になってくれない?」

など、この手のアプローチを受ける機会も多い。勿論、基本的に全部ウェルカム、そして非常にありがたい。うまくいったらいったで集客や販路拡大につながるし、そうでなくても自分自身の素養になる。コロナがあってもなくてもこうした流れになっていたかもしれないが、コロナによる環境変化が働き方や仕事観の地殻変動をより加速させているのは言えると思う。オフェンシブに前に出てる人もいれば、逆にディフェンスを固めている人もたくさんいるが、いずれにせよ今は大きな交差点の真ん中にいるようで、そのスクランブルが僕自身、とても楽しい。

前回ブログで書いたけれど、

www.journeyjourney-blog.com

J×Jは今、

①平日のみ本店内ランチ営業
②平日のみ両店にてお弁当販売
③UberEats2店舗
④たまにテイクアウト
⑤EC展開
⑥内装業
⑦UberEatsの新規出店(2店舗)
出前館の新規出店(2店舗)
⑨一日に少しだけウーバーの配達員
⑩今、全く手をつけられていない2つめのECサイトの運用改善
⑪⑩に伴う「激辛コンテンツ」の育成
⑫第3、第4のECサイトの制作
⑬「キャンプ」をキーワードにした取り組み
⑭「内装業のWebサイトをShopifyで表現できないか」の模索
⑮「飲食店×Shopify」の模索及び構築
アフィリエイト
OEM(外部委託生産)への挑戦
⑱本店2階の事務所を新たに借りるかどうか
助成金補助金の申請


の真っ只中であり、間もなくディナーも通常営業が始まる。つまりは、

⑳採用

が喫緊の課題となっています。今、フルで働いてもらっているスタッフはいずみだけなので何はともあれ、正社員を一人、新規採用しなければならないのはマスト。一方、両店ともに通常営業するのであれば、もう一人採用したいところですが、今の状況で社員を2人同時にというのはちょっと躊躇してしまう、けれど案件は山積み。


そこで思うのは、㉑外注してみるのはどうか、ということ。

「仕事は会社ベースからプロジェクトベースへ」、「会社はコミュニティ化し、仕事はプロジェクト化していく」と言われているのは今に始まったことではないし、それに伴い、ギルド制やギルドワーカーなんていう概念も生まれている。おそらく、ラディカルな企業だけでなく、今や大手や老舗もこうした働き方にシフトしていると思うし、内装業は案件ごとに召集するチームが違うわけだから、もともと自然とギルド制を採用している。

では飲食業はどうか。

僕の肌感だと飲食業はこのあたりの仕事観が薄いような気がしている。勿論、経理を税理士に外注する、広告の運用をマーケティング会社に委託する、というのはあるにせよ、飲食そのものを外注するというのはなかなかない。オーナーシェフの個人店は特に自店の調理を自店のスタッフに任せることすら難しく、それを外部の人間に任せるなんてとんでもない。そのシェフの技術や職人芸、経験値や思考法、ひっくるめてその「属人性」に魅力と価値があるわけであって、もっともな話だと思う。飲食業のような連続的・継続的な仕事を一時「プロジェクト」とするなんて難しい。

けれど、それが全ての飲食店に当てはまるとは思わないし、飲食店の全ての仕事に該当するとも思わない。例えば「⑪激辛コンテンツの育成」という仕事の中に「激辛カレーのメニュー開発及びその提供」というタスクがあったとして、当然、「開発」は「開発したい僕」が開発するわけだが、それを提供するのは必ずしも僕である必要ではないし、通常業務の中に無理矢理ねじこむのではなく、お店が休みの日に「外注」してみるとかもちょっと面白かもなあと思ったりもしている。それを「売る」のは僕よりも最適な人材がいて、そういう方のほうが「売れる」気がする。メニュー単体にとどめずに「激辛コンテンツの育成」そのものをプロジェクト化し、成功すれば内製化、外れれば解散、みたいなまわし方もありうる。


と考えれば、上記①〜⑳も全て自分でやるのではなく、全て自店のスタッフで担うのではなく、仕事を因数分解しながらプロジェクト化し、アウトソーシングしていくのも飲食店運営の一つの手法なような気もする。一般企業においては変哲のない普通のことかもしれないけれど、飲食店はやはりクローズドな環境下にあり、特に厨房は聖域化している傾向がある。重複になるけれどその密室性こそ飲食店の価値であり、そのお店が選ばれる理由なのだけど、そうではなく開放的にオープンにしていくことで生まれるものもあるだろう、きっと。

というわけで、J×Jは正社員採用とともに、それだけでなく上記のような仕事に関わっていただける方々を広く募集しております。アルバイト、パート、フリーランス個人事業主、副業禁止、社長、ニート問わず。もし少しでもピンと来るものがございましたらどうぞお気軽にお声がけください。

(けれど書いてて思いましたが、このあたりの話は本当にポジティブ面とネガティブ面があるなと。正規・非正規については難しい。小さな飲食店にとってもここに解はなく、ケースバイケースだと思います。個人的には採用ではなく、「外注」という概念を始めて実店舗運営の中で初めて知覚して、コロナの影響が強い今の状況では有効なカードかもしれないを思ってこのブログを書きましたが、半年後にどう思ってるかはわからない)