Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

よろずやジャーニーの商品紹介①「ここに来てようやく公開、緊急事態フードメニュー」編

最近まったくブログが追いつかなくなってきました。でも正しいことなのでしょう。「よろずや」だけに商品(コンテンツ)が多すぎて、記事に起こしている時間がない。「よろずや」っぽくていい。

今、大体150品目くらいだと思うけど、もともと1つのアイテムに在庫を抱えているわけではないので、売れたら終わり。その代わりに新しい商品も続々と入ってきています、作っております。だから一応商品リストもあるのだけど、そのラインナップは極めて流動的で、刹那的なので公開はせず、実際に興味のある方(ご購入が現実的な方)のみにピンポイントで送付しています。それだけでけっこう手一杯、という状況であります。なので、これからシリーズで取り上げる商品紹介は「基本、売り切れることはないもの」に絞って取り上げていきたいと思います。

前回の記事でも書いたけど、基本的な姿勢としては当面の間、「飲食店」から「なんでも屋さん」にシフトしたいと考えています。けっこう本気でそうなのだけど、そうとは言っても飲食店であり、勿論、ゲストの皆様にとってもジャーニージャーニーは「飲食店」。だからフードのテイクアウトが売上構成の大部分を占めることになります。

ただ、フードメニューでさえ今までどこにも公開していません。SNSでの発信も普段から取り組んでいるランチタイムの店頭販売の弁当のみ。これも理由があって、とにかく徹底的にテイクアウトを伸ばすんだ!、というスタンスであれば、メニューをひたすらアピールすることになるのだけど、それは逆にお店のリソースとパフォーマンスがフードのテイクアウトに限定されることになってしまう。僕はその状況を避けたかった。何故なら、売れないから。これに尽きる。売れたとしても少なくとも、それを展開することで発生するカロリーと見合わない。

とは言え、一部の常連様や友人・知人からの問い合わせは、ありがたいことに少なからずありました。その「少なからず」の問い合わせやリクエスト、及び試験的に行ったデリバリーでのご注文から、ニーズというか、ウォンツというか、傾向とかパターンを抽出、吟味、分析、精査し、いったん完成させたのが下記、メニュー表。

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お店(店内)のご利用目的というのは大体において、自然と決まってくると思うのだけど、テイクアウトの場合、その目的範囲が広い。ましてやデリバリーするとなると良くも悪くも無限に広がる。独り暮らしの方、家族で食べたい方、お酒を飲みたい方、お酒を飲まない方、など色々。固定のメニューでこうした四方八方からのニーズをカバーするのはけっこう困難で、ご希望に添えるように強引に対応としたらそれはそれで店側が疲弊する、アイテムを絞ったらそれは客層とご利用シーンを店側が限定することになる。例えば、美味しくて有名なオムライス屋さんがあって、とにかくそのオムライスを食べたいという人が前提として多数いるのであればそれで成立すると思うけど、自店はまったくそんなことない(そんなニーズない)のでテイクアウトをやろうにも工夫しないといけなかった。


上記メニューは一応、幅広いシーンに対応できるように組んでみてみます(と言っても、このメニューも、というかテイクアウト自体、いつまでやるか悩んでいるところだけど)。


この画像には書かれていないけど、「ご注文は事前予約のご協力をお願い致します。注文確定からご提供まで2時間をご考慮ください」と添えています。つまり、直接お店にご来店いただいてもその場ではご用意できない、ということです。今の状況や、今後進めたいと思っていることを考えると、このバランスがジャストだと思ってます。やはりテイクアウトやデリバリーを広範囲に広げようとはあまり思っていなくて、本当に望んでいるゲストに対して、ピンポイントでご満足いただければそれで充分、と思っています。あくまでゆるくやりたい。


そもそも、テイクアウトは一瞬にして戦国となり、もうすでにレッドを通り越してブラックオーシャンなので、この海で戦おうとは思わない。戦おうにも店のブランドもなければ、僕の実力もない。では、どうするか。現状は「おうちごはん」の対立軸として「飲食店のテイクアウト/デリバリー」が存在しているのだけど、そうではなくて、僕は「おうちごはん」のマーケットの方に入り込みたいと考えている。



【超貧窮路地裏経済論①】J×Jとクラウドファンディング(多分前編)

ちょっとセンシティブで、どう考えるか難しいトピックになりますが、今日時点(4月20日)でJ×Jの事業主として「クラウドファンディング」をどう考えているか、ちょっと書いておこうと思っています。前提として、になるけれど、クラウドファンディングを薦めてくださる方はとても多いのです(そして、同時に「支援するよ」とおっしゃっていただける方も多く、大変に恐縮です)。こうした動きに対して、事業主としては複雑な気持ちを抱くことになるのだけど、根幹にあるのは「ありがたいな」という気持ちです。今回のブログ記事はそうした方々へ感謝の意を込めた回答でもあります。


前々から検討しているものの、今の時点において、クラウドファンディングに踏み切る意向はありません。理由は色々ありますが、「お店によって向き・不向きがあること」、「内容とタイミングにはくれぐれも慎重にならなければならない」、この2点が主な理由になります。これについては下記の記事にて、もう少し詳しく書いてます。

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ストレートに言うなれば「潰れちゃったらリターンできなくない?」ということです(勿論、リターンの内容にもよるけれど)。でも、この極論的な見地はクラウドファンディングだけではなく、「未来チケット系のサービス」は含め、その他あらゆる可能性を排除することになってしまうので、いったん、この最悪の想定からは離れます。話をもう少し前の段階に据え、「お店によっての向き・不向きの話」で考えると、こういう感じになります。

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自分でも自覚しているのですが、説明が下手。もう少し掘り下げていきたいのですが、その前に言うと、


支援が「お金」であるのに対し、リターンが「お金に関わらない」場合、今から説明することは該当しません。例えば、1,000円の支援に対して、リターンがハグwである場合とか、あとは「限定招待」とか、つまり「何かの権利」であること。要はリターンに「お金が関わらない=原価を伴わない」ケースは除外します(ちなみに僕はクラファンのことについて全く詳しくありません。個人的な感想を個人的に述べているだけなのでご留意いただければと)。


その前提で、もう少し具体的にイメージしていきます(以下、丁寧語略)。


例えば、僕が席数10の小さな居酒屋の店主だったとする。「常連さんは10人、たまにふらっと入る方が10人、それより頻度の低い方が10人、あとは新規客が不定数」、そういうイメージのお店が今回のような事態に見舞われ、月末の家賃が支払えない状況に陥り、クラファンを活用。1万円の支援に対し、8,000円の食事券をリターンを用意。常連さん及び他一部のゲスト、合計15人がそれぞれ1万円ずつ支援し、店主は15万円を募ることに成功し、4月末の支払いを乗り切る。その後、5月6日に緊急事態宣言が解除され、常連さんから徐々に客足が戻る。支援した15名の初動の8,000円分はリターンとして消化されるが、残り固定客15名及び新規客のご利用は正規の値段となるので、十分とは言えないものの5月末の支払いもなんとか乗り切る。6月からはもとの軌道に戻り、通常運転を再開させる。「よかった、よかった」と僕と常連さんは乾杯しながら、日常を取り戻す。


これがクラファンによる「資金繰り」のスタンダードなケースでしょう。

(本来はあくまでクラウド、webに広がる無数無形を対象としているので、上記の場合だと全然クラウドじゃないのだけど、今この状況下でお店のことを全く知らない人が既存のお店のことを支援する、というのは稀有だと思うのでわかりやすく削ぎ落します)


一方で、僕が「結婚式の2次会利用に特化したレストラン、2次会利用がない時は通常のレストランとして営業」、こういうお店を経営していたとする。レストランには僕の友人・知人含め60人の「不定期な固定客」がいると想定する。ただし、その60人同士はそれぞれに面識や繋がりがあるわけではない。

今、この状況で、結婚式を挙げる人はいない。それは上記60名も当然認識し、運営を危惧している。僕はレストラン存続のためにクラウドファンディングを始め、1万円の支援に対し、8,000円の食事券のリターンを用意し、それを受けて固定客60名のうち30名に支援いただき、その30万円を元金に月末の支払いを乗り切ることに成功した(実際にはそんな安いところないけれど喩えとして)。

緊急事態宣言解除後、60名は徐々にレストランを訪れるようになる。そのうち支援した30名はリターンを使用・消化し、他の30名は通常利用をする。「よかった、よかった」と僕は固定客と乾杯しながら、日常を取り戻す、

ということには当然ならない。


前者の居酒屋と違って、後者のレストランにとって「日常」や「もとの軌道」というのは、運営上においては「結婚式の2次会として利用されること」ではじめて取り戻すことができる。では、仮に5月6日に緊急事態宣言が解除されて、5月中に結婚式の2次会の予約が入るか、というとまず100%ない。ジューン・ブライドである6月も皆無に等しいだろう。


するとどうなるかと言うと、4月に募った30万で4月末を踏ん張り、5月もまた同様に苦しくて支援を選択しなかった残りの30人に訴えかけ、どうにか30万を募り、5月も命辛々乗り切ったとしても、2次会が戻ってこない限り、6月中にきっちり破綻することになる。支援してくれた60名の方に然るべきリターンを実施できればまだいいものの、それさえできないまま閉店、という可能性だってこのケースにおいては十分にありうる。


だから多分、後者のレストランのオーナーがクラウドファンディングに踏み切るんだとしたら、60名の不定期な固定客にアプローチするのではなく、収益の主たる部分/運営の根本を担う「結婚式の2次会利用」(の見込み客)に訴えるべきなのだけど、それは言うまでのもなく事実上、不可能に近い。この状況であれば、最初からクラウドファンディングには手をつけない、多分これが正しい。


か、もしくは、店の存続を前提としないファンディング、かつ、店の存続を前提としないリターンを用意する、しかないのではないかと僕は思う。あるいは「2次会利用に特化したレストラン」という基幹を捨てるしかない(これはこれで修羅の道だ)。そして、J×Jは現時点において、収益構造上、立地特性上、事業内容上、あらゆる側面で前者の居酒屋より後者のレストランの立ち位置に近いのは間違いない。

 

 

 

「よろずやジャーニー×ジャーニー」、ごひいきに。

3月上旬の時点では(3月6日時点)、

 
「飲食業」を営んでいるのであれば、「飲食業」で打開していかないといけないと思う。政治家が政治で問われるように、医者が医療で問われるように。難しいけれど、そこを突き抜けていかなければならない。全霊を以て臨まなければならない。

と、ブログに書いている。

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それ以来、僕はブログやSNSにおいて「コロナ」という言葉を用いていない(多分)。毎日のように何らかでコロナに基づく投稿をしているが、文字に起こさないようにした。だから上記ブログのタイトルも『コロナウイルス編⑥FIN』としたが、それ以降も、この40日間の間、ずっとコロナとの切った張ったの、半か丁かの真剣勝負だ(マクロで言えばこれは「勝負」ではないけれど、経営で言えば勝つか負けるかの「戦争」だ)。その戦記は、実際には多分、コロナウイルス編㉒くらいだろう。

 

3月下旬、オリンピック延期が決定となり、その直後、都知事から「ロックダウン」という言葉が初めて用いられ、世の中がトイレットペーパーに熱狂していた頃同時に、僕の中で「飲食店」の「飲食業」そのものについてのアラームが鳴った。多分、「飲食」はいったんここまでだろう。僕の中で「2号店は3密回避で、6名様から貸切できますよ」の訴求が潰えた時点で詰みだった。

 

3月31日、最後のご予約を万感で対応させていただいたのち、4月1日より、全力で面舵いっぱい、全霊で「飲食」という概念をいったん幽閉し、全速力で「物販」にシフトすることとした。

そして3日後、4月4日、

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というJTVを投稿。この時点でおそらく20品目くらいしか商品はなかったので完全に見切り発車だったが、とにかくスピード、何はともあれスピードで4月4日に投稿、そして、これより一週間で品数を強引に5倍増し、100品に。八百とまではいかないけれど、まあ十分だろう。一週間後(今から一週間前)、試験的に八百屋販売及び配達も実施した(個人的な検証として)。

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本来であればこの時点でもっと具体的に、もっと広範囲に発信してもよかったのだが、試しているうちにいろんなアイディアが浮かび、また期限付きの酒類販売免許の兼ね合いなどもあり、自分なりで爆速で進めてきたのにも関わず、結局、今日となった。


ジャーニー×ジャーニーは当面の間、八百屋改め「万屋(よろずや)」に転職致します。100%、物販に移行するわけではなりません。よろずの中にテイクアウトメニューはございます。詳細、品揃え等々はまた別途お伝えするとして、取り急ぎ、強引かつ爆速にて、「よろずやジャーニージャーニー」、ごひいきに。

超貧窮問答歌を歌おう②

本店家賃    :203,704円
2号店家賃  :186,230円
最低人件費:300,000円

合計689,934円。

4月8日から5月6日までの間で店内営業せずに(ほぼ)、広義に「テイクアウト」のみでクリアすることができるか、に取り組みます(J×Jは完全休業はしない方針です)。目標とする金額を上記に設定した理由は特になく、なんとなくこの状況でそれを達成できれば十分かな、と思っただけです。勿論、これ以外に原価(食材費)をはじめ、消耗品費、雑費、水道光熱費等々、そして僕の報酬のこともあるので、これを達成したところでぶっちぎりの赤字ですが、これはそういう戦いではない、と捉えています。

日々の経過についてはインスタツイッターで随時更新していく予定です。こんな感じで。

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上記、画像にもあるように販売チャネルは下記の4つ。


①本店店内ランチ
②本店店頭弁当販売
③2号店店頭弁当販売
④ディナータイム含めたテイクアウト

①〜③に関しては文字通りですが、④に関しては料理のテイクアウトに加え、「物販」を含めます。物販というのは今まで「八百屋」というワードで示してきた領域です(明日からは事業名称を八百屋から「よろず屋」と変更しようと思っています)。そして、クラウドファンディングはじめ、そうした未来の需要を今に引っ張る系の対応策は、現時点では考えてはいません。同時にWebまわりのアプローチもBASE以外は現在検討しておりません(BASEは早く挑戦したい)。カードは少しでもとっておきます。いざという時の一刀は少しでも先にとっておきます。

営業時間としては①〜③は平日の昼間のみ。④は特に営業時間は設定しません。テイクアウト料理を作るとなると時間がかかるけれど、物販であればその場で対応できます。つまり、僕が店にいさえすれば、即時的に成り立ちます。そして大体、店にいます。これまでのブログと重複になりますが、1500円以上のテイクアウトで5,000円券(幹事様無料券)を配布し、用途不明の食料雑貨に関しては僕がリモートで超カジュアルにコーチングします。


人時は平日昼は本店2人、2号店1人の3人。スタッフはその適宜、入れ替えます。僕はお弁当販売が落ち着いたら基本、外出して買い出し等々の時間に充てます。14時15分~17時15分までは休憩とし、僕は16時~17時までは仮眠します。その後、18時よりオープンしますが基本テイクアウトのみです。今日アナウンスされた東京都の補償条件等々、まだよくチェックしておりませんが、20時以降もテイクアウト販売は可能であれば対応するし、NGであれば20時で完全クローズとなります。夜は本店のみで、僕といずみの2人体制、あるいは僕1人。僕もいずみも電車は使用しておらず、基本、働きっぱなしなので、残念ながら、外部との接触はほぼ皆無に等しい状況です。

 

4月15日時点で残り542,254円。営業日数は18日(週に一回は休むとして)。一日あたり平均30,125円の売上が必要となります。上記に添付したこの2日間の売上は大体2.5万円。目標と5,000円の乖離があり、このままの数字で推移すれば結果的に営業日数18日×5,000円=9万円届かないことになります。ただし、5月第一週はGWであり、今の感じであれば①〜③の売上は発生しないことになります。だから9万のマイナスではなく、実際は15万くらいの乖離を想定しなければならないと考えてます。


ここから先はこの15万のビハインドをどう埋めるかが課題であり、まさにこれについてのああでもないこうでもないと問答を繰り返し、行動と実践に移し、解決していこうじゃないかと思っているのです。そして、それを実際の数字を公開しながら、そしてJTVを活用して、体験型かつ実写版的な感じでお届けできればと思います。たった15万、今であれば、されど15万です。


なんでこんな面倒くさいことするかと言うと、休業しないのであれば、営業するのであれば、道中楽しみたい、というのが一番です。とてもアイロニカルな逆説になるけれど、こんなことをこんなふうにできることなんて、これだけ好き放題できることなんて多分もうないから(勿論ルールと感染防止は守って、要請には協力した上でね)。それに伴い、過程と結果を可視化することも重要に思える。重要というか、これもまた、こういう時にしかできない。


でもそうした遊び心だけを先行させるわけでもない。むしろ、僕は自分の今まで(の店舗運営)をかなり反省している。今までのスタンスを貫くだけじゃどうにもならんなと感じている。だから、そうした今までを否定し、崩していく。

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そして、この取り組みを通してちゃんと着地させたい場所も見据えている。だから、ありとあらゆる場所にありとあらゆる布石を置く。

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置いた布石のうち、おそらく大半は回収できないままただの見捨てられた石コロになってしまうと思うけれど、そのうちのいくつかがこの先の何かになって、少しでも今とは、今までとは違う場所にいれたらいいなあと思う。

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まあこんな綺麗にいくわけなくて、あっさり借金まみれになってるかもしれないけどね!






超貧窮問答歌を歌おう①

緊急事態宣言ってなんだったっけ?、と、もはやうっすら記憶に霞むほどに情勢の展開ははやいのだけど、4月15日現在、今から一週間前に緊急事態宣言は発出された。そして、発令初日、ぎりぎり、ぎりぎりのラインを保っていた店内のランチの客数はついに1名になった。売上850円(税込)。「マジっすかー。いよいよ、いよいよだなー」と感じながら、同時にこれを閃いた。

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昨今においては『鬼滅の刃』の人気におされて(僕の推しは岩柱・悲鳴嶋さん)、今や絶滅危惧種にも近い流川ファンに失礼を承知で使用するが、心境としてはこの領域に近い。

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絶望的かつ圧倒的な沢北を前に流川は笑ったかもしれないけど、店内ランチ1名に山本も笑いましたよ。

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まったくありがたくはないけれど、贋者じゃないのは間違いない。間違いなく最強、間違いなく最恐。意識高い系の記事ではまあまあ見かけるけど、おそらくほんとに既成概念では太刀打ちできない。従来のスタイルやスタンスでは進化論の中でさくっと淘汰されてしまうと思う。ウイルスに人情はないし、感傷もない、当然、容赦も慈悲もない。経済が環境をほぼ無視してきたように、環境も経済のことなんて無視ですわ。


でもまあ、そういう議論はそういう議論をできる人、したい人に任せるとして(今さらの門外漢はその議論から学ばせていただくとして)、僕は僕で店を継続させなければならない。ちょっと前までは頑張る理由をいろんなあれこれを引き合いにしてたけど、一周まわって今思うのは事情とか、意義とか、動機とかそういうのはさておき、ただただやりきりたいという気持ちが強い。とにかく出し切りたい。いろんなあれこれはその先の、その後で、今とは違う輪郭を帯びるんじゃないかと思う。

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本店家賃    :203,704円
2号店家賃  :186,230円
最低人件費:300,000円

合計689,934円。

この緊急事態宣言下、駅から離れたゴーストタウンでこの金額に到達できるか検証していきたい。

この取り組みがまわりに与える印象というのは実に多岐にわたると思う。無関心の人もいれば、何もしなければ一ヶ月で70万が飛ぶのか、と深刻に受け止める人もいれば、山本はそんな浅瀬でギャーギャー言ってるのかよと冷たい眼差しを向ける人もいるでしょう。


なんであれ始めるのであればやりきりたい。できるだけ生々しく、体験的で、実写的でありたい。けれども、被災地の悲惨な状況をリポートするのではなく、あくまでポジティブで明るめのトーンでお届けしたい。哀愁は漂わせても、悲壮感は排除したい。というか、そもそもない。達成できたらそれはそれで良しとして、もしわずかに届かなければ嘲笑していただき、まるで届かなかったら逆にウケると逆に胸を張れる。


いずれによせ、これは超「貧窮問答歌」だ。「貧窮」の中で、どうすべきか「問答」していくのだ。ご感想、様々あるかもしれない、でも貧窮鎮魂歌ではない。鎮魂歌を奏でるぐらいであれば、問答歌をお届けした方が幾分マシでしょう。


リモート料理教室、テレキッチン、ZOOMクッキングを始めます。

J×Jの八百屋計画は現状、宣言しただけでその内容や詳細についてはほぼ全く触れてきておりません。中には「どうしちゃったの?」と本気で心配してくれる方もおりますが、ほんとに野菜を売ろうと思っているわけではありませんし(ただ人参はこの一週間でけっこう売れた)、僕はいたって正常なのでどうかご安心ください。

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緊急事態宣言が吹き荒れる中、僕は先週一週間をその準備期間とし、八百屋作りを着々と進めてまいりました。バラエティーも品数もそれなりの感じになってきています。実際にお店で展開しているのですが、この限られたわずかな客数の中で、この限られたわずかな来店機会の中で、なんとリピートしてくれているお客様までいらっしゃいます。大変にありがたいことです。詳細についてはもう少し体勢を整えてからお知らせいたします。


今日は八百屋計画に付随する話になります。品揃えの多くを占めるのが食料雑貨になるのですが、スーパーでさくっと買えるようなものは基本的にラインナップから外すようにしております。まあ、当たり前です。おそらく通常のご家庭には用意されていないんじゃないかというアイテムに集中し、実際にお店で調理し、ご提供しているものを販売しております。価格は仕入れ値(原価)に利益を加えた価格で設定し、利益率は一律ではなく商品によって異なりますが、いずれにせよ総体的に見て妥当だと思えるラインにおさめています。

何故、そんなものを売っているかというと主たる部分は「おうちごはんに飽きた時に、たまにはエスニックでもどうでしょうか?あるいは中東料理に挑戦してみませんか?」という多国籍料理店としての提案です。ただ歯痒いのはデリバリーできないこと、宅配できないこと。お弁当同様、わざわざお店までお越しいただなければなりません。そして、多くの人はそのためにわざわざJ×Jには行きません。


でも中には買いに来てくださる方がいます。お弁当を買いに来たおまけに、とか、仕事帰りや帰宅ついでに、とか、応援で、とか。とにかくありがたいかぎりです。そういった方々に自分ができることは何かと言うと、お買い上げいただいた品物について、レシピや調理の仕方やポイント、活用・アレンジ方法、ちょい足し知識を共有すること。ただ、そんなあれこれを店内で実施するとなると時間がかかります。つまり、テイクアウトがテイクアウトとしての意味を成さなくなる。別途、レシピを書いてる時間もない。であれば、その部分はリモートで、ということになります。ツールは単純にLINE、通話、チャット、メールなんでもいいです。むしろ、「利益」はそのリモート部分を意図したいと思っています。この買い物にユーザーにとって価値があるとすればここです。これまた歯痒いのだけど、現時点で僕がリモートで対応できるのはそれぐらいしかないとも言えます。現時点で。

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で、実際、この一週間の間にお買い上げいただいたお客様とそれっぽいことに取り組んでみました。一件目はフォーお買い上げいただいたお客様とのやりとりで、

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2件目は世界の前菜盛り合わせなどをデリバリー(宅配も試験的に進めてます)、そしてガパオの素をお買い上げいただいたお客様です。

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まあ、これをリモートというのか、という感じではありますが(アナログオンライン…)、少なくとも遠隔ではあるでしょう。ただこれをもう少し発展させて、流行のZOOMで一緒に作ってみるとか、超カジュアルにコーチングしてみるとか、それぐらいはできるかなあと思ったりしてます。アレンジとか、ちょい足しとか、そういう邪道系は僕が得意とする領域なので、ネタやコンテンツは尽きない自信があります。興味のある方は是非。


八百屋化における5,000円券配布について②

前回投稿の記事(4月5日深夜/緊急事態宣言前)、

この記事の中で、5000円券配布の意図について、以下のように書いた。

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「御礼」、「継続性」、「きっかけ化」の3つの意味と文脈を5,000円券に託しているのだけど、もう一つ、4つめのポイントがあって、事業主としてではなく、個人としてはこの4つめが一番重要、けれどこれはなかなか言語化しにくく、さらなる長文を呼び起こすことになるので、この記事内で完結することを諦め、次のブログに持ち越すことにします。このブログを書いているうちに「6日も緊急事態宣言の準備入り表明見通し」とのこと。できれば「緊急事態宣言の準備入り」ぐらいの段階までに書ききりたいんだけどなー。

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実際には「準備入り表明の見通し」から「宣言」、そして「発令・実効」、それに伴う別途「東京都からの要請」まで展開は思ったよりも早かった。世界各国の対応や、世論の印象や、早期から自宅での籠城を決めこんでる人にとってはともかく、路地裏の飲食店店主からすれば、一連の動きは実に目まぐるしいものだった。同時に、「で、結局どうすればいいんだろうか」という感は正直強く、実際に「国の方針に基づいた都の方針が国によって再調整される」といった不揃いな足並みが露呈し、当然、営業自粛を求める側も、求められる側も錯綜したのは間違いない。「我々(飲食店)は一体何を禁止され(要請され)、逆に何が認められ、どこまでが守られ、どこから先が補償されないのか」、結局いまひとつわからない。おそらく今もなお誰もよくわかっていない。そして誰もよくわかってないまま、「行けばわかるさ、ダー!」といったアントニオ的な猪木な道だけが無造作になんとなく敷かれている(現在、4月11日午前2時。12時間前に東京都から正式に飲食店営業は20時までとしてほしいという自粛要請があった)。

 

でもまあ、しょうがない。どうやったって痛みはどこかが、誰かが引き受ける。皺を伸ばせば、どこかに皺が寄せられる。日本に暮らす1億2千万人が全員納得する答えなんてないし、もし誰かがその最適解を出しているのであればとっくに採用されている。むしろ、人口の4分の1相当の3,000万人の納得を導くことさえ困難で、そもそも状況が流動的かつ加速度的である以上、「解」そのものが流動的で曖昧模糊であるのも必然だ。

そして、それは飲食店だけを切り取って考えても同様のことが言えると思う。患者にそれぞれの診療と処方箋が必要であるように、それぞれの飲食店に症状と傾向と相性がある。

友人や知人や常連様から「こういうサービスがあるよ」とか「この助成金申請してみたら?」とか助言やアドバイスを多くお寄せいただき、ありがたいなあと思ったり、感嘆したり、ぐっときたりしました。近頃、御礼を申し上げてばかりだけど、改めて、皆様のご親切とお心遣いに厚く御礼申し上げます。

一方で、そうした多角度からの複数の進言をいただいたとしても、この窮地を脱するがための決定的な一手をなかなか見いだせないというのも厳然たる現実。今、業界には各方面から様々な救済案が提示されており、それについて僕は「大変なのは一部の業種だけじゃないのにすごいなあ」とその想いと行動力とスピード感につくづく恐縮なのだけど、広く伝播するためには汎用性のあるサービスでなければならず、また多店舗が発着できる大規模なプラットフォームでなければならない、逆に言えば、カバーの範囲を広げれば広げるほど、そのサービスがもたらす恩恵の濃度は薄まる。身近なところで例えるのであれば、「今、飲食店の活路はデリバリーだ、テイクアウトだ」として皆がこぞってこれに参画すると限られたシェアを多数で取り合うこととなり、リターンの幅は狭まれ、結局解決には至らない。そもそも、デリバリーやテイクアウトも個店によって向き不向きがある。

需要の先食いやクラウドファンディングキャッシュフローを考えれば有効なのは間違いない。けれど、それは、①事態が比較的早期に解決し、②社会の動きや流れも特に変わらず(人々はZOOMからまた居酒屋に戻る)、③そもそもお店の営業が継続しており、④そしてお客様の消費志向も減退していない、という4つの要件は少なくとも必要であるように思える。自店(というか僕)の場合で言えば、③の「収束した時にそもそもお店はまだあるのか」が気になってしまい、クラウドファンディングには踏み切れなかった。確かに先食いすることによって今月の家賃は払えるかもしれない、でもそれだけでは来月は払えない。④も切実だ。お店はなんとか持ちこたえたとしても、その時にゲスト側に余裕がなければ結局今の状況が続くことになる。飲食店は料理を出すから成り立つのではなく、料理を注文してくれる人がいるから成り立つのであり、現時点で特に経済的影響を受けていない方々の消費者心理が今後落ち込めば、その時はきっちり大恐慌で、ずっぽり乱世だ。この先のステージはその世界であり、普通にありうるんじゃないかと思う。

結論として僕が思ったのは、「結局、自分でどうにかするしかない」ということ。自店の症状と傾向と相性を精査すれば精査するほどその結論は確固たるものとなる。その第一の矢が「八百屋化」であり(デリバリー、ではなく)、第二の矢が「5,000円券を配る」(集める、ではなく)だった。生き延びるためにこれからあと18本くらいの矢を放つつもりだけど、この残り18本は第一の矢と第二の矢を土台としている。

僕個人はそれが自店にとっての最良であると考えたのけど、そうした結論(第一と第二の矢)に至ったのは広く皆様の助言・進言・アドバイスがあったからこそです。その一つ一つを因数分解し、繋ぎ合わせ、掛け合わせたものであり、そういう意味では僕個人の経営判断ではなく、これから放つ全ては皆様からのお力添えを基礎とした総合的かつ総体的なアウトプットであり、感謝の形となります。


情報は「収集」だけしても仕方ない、また「評論」してもどうにもならない、

「編集」し、自分の行動に落とし込むことで初めて意味を成すのだと思う。飲食店は両手両足もがれているのだから、とにかく考え続けるしかない、知恵を絞り続けるしかない。


まあ、一か月後には収集も評論も編集もへったくれもなく、店そのものが綺麗さっぱりなくなってる可能性だって勿論あるけれど、「矢」はまだたくさんあり、「弓」(店)もまた元気です。なんでかわからないけども、俺自身も心身ともに良好。


 

八百屋化における5,000円券配布について①

4月4日(土)、「来週からテイクアウト中心に切り替えます=八百屋化を始めます」とお伝えすると同時に、「5,000円券を配布致します」フェイスブック及びJTVでアナウンスしております。

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この動画の中でも説明しておりますが、無条件でお渡しし、無条件でご使用いただけるものではなく、以下、2つの条件を設けております。


①テイクアウトで1,500円以上お買い物いただいたお客様に1枚配布致します。

*テイクアウトをいつまで継続するかは現時点では未定であり、不明です。

 

②本店にて14名様以上、2号店にて6名様以上の貸切利用において、このチケットがご活用いただけます。

 

他にも、「ご利用の際は世界一周プレミアムコースでお願いします」、とか、「有効期限は2020年11月末まで、もしくはお店が持ちこたえるまで」とか、そういう設定をしておりますが、大きなところで言えば上記2点が要件となっております。

 

シンプルに言えば、「幹事様無料券」の配布(勿論、使い方は自由ですが)というわけです。

 

何故、このタイミングでそれを配布するのか。自分の考え、というか、自店の都合、にもなるのだけど、一応書いておきます。

 

いろんな観点と側面がありますが、1つめは「御礼」です。テイクアウトを実施するのであれば、勿論テイクアウトしてほしい、でも配達やデリバリーができない以上、お店に実際にお越しいただくしかない、こんな時にわざわざお店に来てもらっちゃって申し訳ない、ありがとう、いつか落ち着いたら&機会があったらこの券使ってパーッと飲んでください、ということです。条件付きであればさして嬉しくない方もいるかと思いますが、かと言って、この券をお渡しして怒鳴ってくる方もいないでしょう、と観測してます。

 

2つめは「継続性」。このテイクアウトをショット(単発)で終わらせないこと。例えば、自店がテイクアウトカレーを1,500円で販売するとする。これが100個売れれば15万の売上になるけれど、3個しか売れなかった場合、当然4,500円にしかならない。このテイクアウトを実施するためには原価と経費の発生を伴うわけで、4,500円との収支を考えなければならない、それでも目の前の4,500円が欲しければやる、ということになる。

 

J×Jは3個しか売れないお店だと僕は思っている(いや、2個かな…)。これを10個に伸ばそうとは思わないし、2,000円のカレーにして6,000円を目指そうとも思わない。採算度外視前提で目の前の4,500円を切望しているわけでもない。ナチュラルに3個売れるのであれば、ナチュラルにその3個がありがたい。カレーのテイクアウト数そのものにお店の命運を託しているわけではないので、自然に売れる数が自然と嬉しい。

ただ、お買い上げいただいた3名の方に御礼としてそれぞれ3枚の5,000円券を渡し、それを通して、この先の75,000円(2号店で6名で貸切、1名分割引で25,000円×3回分)の売上につながるのであれば、それは率直にもっとありがたく、もっと嬉しい。

 

売価1,500円のカレーをお買い上げいただいたゲストにとって1,500円分の価値があれば、損にはならないはずなので(実際には僕は1,500円の高価なテイクアウトカレーは作れないが。八百屋化はこのリスクヘッジでもある)、5,000円券はおまけであり、ゲストにとって券を使うか使わないかはそれほど重要にならない。財布の中でぼろぼろになっていく券も少なくないでしょう。多分、3枚お渡ししたとして、実際に使われるのは1枚あるかないかぐらいと考えているけれど、今、両手両足をもがれたかのようなこの状況において、その25,000円は後光を放っている。

 

3つめ、「きっかけ化」。現状において、収束後のことを考えるなんて半ば馬鹿げているのだけど、かと言って、今、今のことを考えてもほぼどうにもできないので、ちょっと先のことも考えてみる。今までの流れは、①団体利用がNGとなる→②中規模の飲み会も禁止される→③グループ飲みも気まずくなる→④1人ないし2人飲みであればまあいいか→⑤いややっぱりおうちで過ごそう、という感じで今に至っている。今の施策や間もなくであろう緊急事態宣言が仮に(あくまで仮に)うまくいったとして、GW明けぐらいから事態が緩和された時にどうなるかというと、当然⑤→④→③…と、逆流することになるでしょう。

④ステージのお店は⑤の期間を凌げれば、という感じである一方で(ちょっとざっくりです、正確には色々あると思うけど)、①から影響を受けているお店は、①→②→③→④→⑤→④→③→②→①という全過程において、影響を受けることになる。①「団体利用」の定義をどこに据えるかにもよるけれど、自店は①、②に属し(というか意図的にそうしていて)、世間的に緩和ムードに入ったとしても、平時に戻るにはかなりの時間がかかるだろうと覚悟している。

 

だから、①や②に戻るまで待つのではなく、できれば③ぐらいから緩和ムード・回復傾向に合流したいというのは切実であり、その時に、5,000円券が少しでも有効に働いてくれれば…、きっかけになってくれれば…、と計算と祈りを込めている。「貸切」をチケットご利用の要件としているのもここに由来し、回復傾向に入ったとしても3密回避は勿論求められることになるし、お店としても十分なスペースを十分に使っていただきたい、そのためには自店のレイアウト的に「貸切」にしてほしい。

 

というわけで、「御礼」、「継続性」、「きっかけ化」の3つの意味と文脈を5,000円券に託しているのだけど、もう一つ、4つめのポイントがあって、事業主としてではなく、個人としてはこの4つめが一番重要なのだけど、これはなかなか言語化しにくく、さらなる長文を呼び起こすことになるので、この記事内で完結することを諦め、次のブログに持ち越すことにします。このブログを書いているうちに「6日も緊急事態宣言の準備入り表明見通し」とのこと。できれば「緊急事態宣言の準備入り」ぐらいの段階までに書ききりたいんだけどなー。

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J×Jは当面の間、八百屋さんに転職します。

2月中旬にかかってきた貸切のキャンセルの電話がJ×Jにとっての非常事態のホイッスルであり、以来、ずっと非常事態であり緊急事態、そしてずっと緊張状態なので、政府が改めて宣言したところで「お隣のお宅の旦那さん、鬱になったらしいわよ」ぐらいのニュースに過ぎず(僕にとってですよ、社会全体で見れば勿論違います)、「へえ、そうですか、大変ですね」と朧げな相槌を打つだけにとどまるだろう。

 

というわけで、えぐすぎてもはや泰然自若の観音的領域、うっすら感覚麻痺してきたかのような心地におりますが(あ、予防はちゃんと対応しておりますし、味覚も嗅覚もばっちりです)、僕が境地に至ったところで家賃の請求書はしれっと送られてくるので、自店も東京の多くの飲食店がシフトしているように、テイクアウト中心の営業に切り替えていこうと思っております。

今にも封鎖になりそうで、そうなった時に飲食店のテイクアウトの位置づけはどうなるのかと気になるし、これ絶対降るよなーという巨大な雨雲を眼前に洗濯物を干すかのごとくであり、状況に合わせて適宜、対応策を打ち出してきたつもりですが、都度、情勢悪化に飲み込まれ、言うなれば『007(ダブルオーセブン)は二度死ぬ』的であり、山本ジャーニーもこの一ヶ月で二度くらい死んでますが、決定的なタイミングまでは感染予防を前提に、できることを粛々と進めていく次第であります。


で、テイクアウト。自店では平日のお昼にもともとお弁当を販売しているので、これをそのままスライドさせるだけであり、特に難しいことではありません。カオマンガイやガパオだとか定番で構成し、これに加え、有事のスペシャルメニューとして「世界一周カレー」、「世界一周タコライス」をご用意します。お店に僕がいればいつでもサクッとお出しできるので、不在か不在じゃないかだけ事前にご確認いただければ(24時間中大体16時間はいます)、いつでも歓迎です、笑(黒)。

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世界一周タコライス

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世界一周カレー

なんだけども、少なくとも自店で言えば、テイクアウトだけでは延命措置にすらなりません。じゃあ今から気合い入れて、とびきり美味しい&バエバエのテイクアウトメニューを開発して、攻勢に転じるかというと、勿論、否。そうした正攻法は正攻法のお店でしか通用しません。邪道を生業としている自店ではインポッシブル系ミッションです(僕の料理におけるモットーは「邪道も極めれば道」であり、その点に関しては僕は誇りをちゃんと持っている)。

だから「テイクアウト」という切り口で、メニューにはこだわらずに、裾野を広げてみようと考えました。そこで生まれたのが作戦コードネーム「エイト・オー・エイト」、いっそ八百屋に転職してみようじゃないか、と。

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【八百屋(やおや)】

1.野菜類の小売商、青物屋

2.なんでも扱うこと、その人
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もともと実家のある千葉から父が作った野菜が大量に送られてくるところから着想を得ましたが(最初はほんとの八百屋さん路線でした。が、現在は畑のメンテナンス中で収穫ゼロとのこと…)、そこから転じて、お店にもともとある在庫を活用できないかと。例えば、フォーの麺とか、タイの調味料だとか。実際、自粛要請でどれだけの人が家で自炊しているのかは測りかねるけれど、フォーが手元にあれば「パスタにも飽きたし、フォーでも作ってみるか」となるのはあり得ることだし、一応のロジックは立つし、色々あればテイクアウト展開も少しは楽しくなるかな、と。お客さんも、お店側も、お互い。

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とりあえず一回やってみようかと思い立ったのが、4月1日。2日に大枠を作り、3日にとりあえずの体裁を整え、このJTVを撮影し、今日(4日)にアップロード及びSNSで投稿。で、今、5日0時にこのブログを書いております。八百屋とは名ばかりで、これから少しずつ商品を増やしていき(巨大な雨雲の行方を追いながら)、超こっそりと、超ちょっとした食料雑貨店を目指していきます(三度目の死が待っているかもしれないが、 トゥモロ―・ネバ―・ダイ、そしてダイ・アナザー・デイ)。

 

当然、調味料やフォーが売れてもさほど状況は変わりません。作戦の全体像としてはもう少し立体的で、奥行きがあるものなのだけど、それはまた追えたら追って。

 

 

 

5周年の孤独に僕は思わずくしゃみをした。

グランドオープンは2015年の4月1日なのだけど、レセプションはそれよりちょっと前、3月28日に開いたので、自分の中ではこの日を一つの区切りと据えている。

www.journeyjourney-blog.com2015年3月28日からすれば、2020年3月28日なんて20億光年先と同等に果てしないものに感じていたものだけど、途中、宇宙に飲み込まれることなく、この日を迎えることができた。まさか、その日が史上初の東京都による自粛要請の日に重なろうとはつゆにも思わなかったわけだけど、なんであれ5年というのは感慨深い。皆様の日頃からのご愛顧に厚く御礼申し上げます。

【注】周年のイベントは毎年4月に開催させておりますが、今年は少なくとも4月開催は見送る予定で考えています。やるなら完全な形でね、そして来年も桜は咲くし、5周年を来月以降に咲かせても困る人はいないでしょう。

5年前、J×Jをオープンさせる前は橘さん(仮名)という男性が一人で和食屋さんを経営していた。この5年の様々な出会いの中で「この人、変わってる人だなあ」と思うことは多々あったけれど、橘さんほど奇怪な人は他にいない。

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このブログの中にも似たような記載はあるのだけど、橘さんは、

「僕はこの場所で表現したいと思ったことはこの5年で全て出し尽くすことができました。だから店をたたむことにそれほど遺恨はないんです」

と、言っていた。

 

僕はこれを聞いたとき、羨ましいな、と思った。当時の自分はそれまで溜め込んできたものをほとんど何も表現・アウトプットできていなかったからだ。そして、お店を始めて5年経ったら僕も同じような境地に立ってたらいいな、とも感じた。


では実際はどうかと言うと、そんな域にはまるで達してない。


おまけに今回の騒動を受けて、新しいことに取り組まざるをえない状況になっている。今までと違う考え方が求められ、今までと違う動き方を余儀なくされている。良くも悪くも、半ば強制的に。ので、しんどい。が、少しエキサイティングでもある。もし、これを乗り切ることができたら、J×JはそれまでのJ×Jを脱皮できるだろうなとも思っている。


橘さん、というわけで、僕は残念ながら全然出し尽くせてないです。まだまだこれからです。


2020年3月28日だけども、今回の自粛要請がもともとギリギリの運営をさらに困難せしめるとして、あれこれ計画を練り、それを資料に起こしていたのだけど、PCの不具合で途中で全て消滅した。本来であればこのブログも当日に書きたかったのだけど、やる気がなくなって、新しく設置したスクリーンを広げ、ボリュームをあげて、ターミネーターの最新作を鑑賞することにした(YouTubeレンタルで400円)。

ターミネーター:ニュー・フェイト (字幕版)

ターミネーター:ニュー・フェイト (字幕版)

  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: Prime Video
 

 ターミネーター特有の退廃的かつ近未来的宇宙観がどこか今の世界状況にも通じているように感じ、僕は谷川俊太郎の『20億光年の孤独』の一節を思い出す。

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万有引力とはひき合う孤独の力である


宇宙はひずんでいる
それ故みんなは求めあう


宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
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いい感じに酔っぱらって、続けざまに『翔んで埼玉』を鑑賞(YouTubeで500円)。

翔んで埼玉

翔んで埼玉

  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: Prime Video
 

 【注】まさか5周年のブログで『ターミネーター』と『跳んで埼玉』のアフィリエイトを張り付けることになるとは…


ゲラゲラ笑いながら、こういう時間もたまにはないとなあと思いつつ、いやでも相当寂しいよな、と憂える埼玉と憂える自分を連動しながら自虐に走り、誰もいないことをいいことに盛大にくしゃみをし、あとで『翔んで埼玉』はAmazonPrimeで無料で観れることを知り、うっかり500円払ってしまったことと5周年の孤独に僕は思わず舌打ちをした。