Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

超貧窮問答歌を歌おう①

緊急事態宣言ってなんだったっけ?、と、もはやうっすら記憶に霞むほどに情勢の展開ははやいのだけど、4月15日現在、今から一週間前に緊急事態宣言は発出された。そして、発令初日、ぎりぎり、ぎりぎりのラインを保っていた店内のランチの客数はついに1名になった。売上850円(税込)。「マジっすかー。いよいよ、いよいよだなー」と感じながら、同時にこれを閃いた。

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昨今においては『鬼滅の刃』の人気におされて(僕の推しは岩柱・悲鳴嶋さん)、今や絶滅危惧種にも近い流川ファンに失礼を承知で使用するが、心境としてはこの領域に近い。

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絶望的かつ圧倒的な沢北を前に流川は笑ったかもしれないけど、店内ランチ1名に山本も笑いましたよ。

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まったくありがたくはないけれど、贋者じゃないのは間違いない。間違いなく最強、間違いなく最恐。意識高い系の記事ではまあまあ見かけるけど、おそらくほんとに既成概念では太刀打ちできない。従来のスタイルやスタンスでは進化論の中でさくっと淘汰されてしまうと思う。ウイルスに人情はないし、感傷もない、当然、容赦も慈悲もない。経済が環境をほぼ無視してきたように、環境も経済のことなんて無視ですわ。


でもまあ、そういう議論はそういう議論をできる人、したい人に任せるとして(今さらの門外漢はその議論から学ばせていただくとして)、僕は僕で店を継続させなければならない。ちょっと前までは頑張る理由をいろんなあれこれを引き合いにしてたけど、一周まわって今思うのは事情とか、意義とか、動機とかそういうのはさておき、ただただやりきりたいという気持ちが強い。とにかく出し切りたい。いろんなあれこれはその先の、その後で、今とは違う輪郭を帯びるんじゃないかと思う。

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本店家賃    :203,704円
2号店家賃  :186,230円
最低人件費:300,000円

合計689,934円。

この緊急事態宣言下、駅から離れたゴーストタウンでこの金額に到達できるか検証していきたい。

この取り組みがまわりに与える印象というのは実に多岐にわたると思う。無関心の人もいれば、何もしなければ一ヶ月で70万が飛ぶのか、と深刻に受け止める人もいれば、山本はそんな浅瀬でギャーギャー言ってるのかよと冷たい眼差しを向ける人もいるでしょう。


なんであれ始めるのであればやりきりたい。できるだけ生々しく、体験的で、実写的でありたい。けれども、被災地の悲惨な状況をリポートするのではなく、あくまでポジティブで明るめのトーンでお届けしたい。哀愁は漂わせても、悲壮感は排除したい。というか、そもそもない。達成できたらそれはそれで良しとして、もしわずかに届かなければ嘲笑していただき、まるで届かなかったら逆にウケると逆に胸を張れる。


いずれによせ、これは超「貧窮問答歌」だ。「貧窮」の中で、どうすべきか「問答」していくのだ。ご感想、様々あるかもしれない、でも貧窮鎮魂歌ではない。鎮魂歌を奏でるぐらいであれば、問答歌をお届けした方が幾分マシでしょう。