Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

J×J Books①レシピ本×旅エッセイ『世界一周ナニソレシピ』

J×Jをオープンする前から、ECサイトを作ってみたい、物販もやってみたい等、飲食営業だけでなく、それに付随する事業(と言えるほど大それたものではないけれど)にも取り組んでみたいと思っていました。それと同様に「本を出版したい」という気持ちも強く、いつかチャンスがあれば…、なんて考えてたりもしてましたが、そんな簡単に「機」が転がってくるはずもなく、一方、緊急事態宣言やマンボーによって(もはや懐かしき言葉になりつつある)時間だけはたっぷりあり、であれば自分で作ってしまえということで、レシピ本を作ってみました。同人誌と言えば同人誌ですが、同人活動から生まれてるわけでもないので、「ZINE」と言ったほうが近いかもしれません。要はフリーではないフリーペーパーのようなものです。

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メインテーマは「レシピ本×旅エッセイ」です。レシピ本を作ろうというところから始まりましたが、いくら多国籍と言ってもいわゆるのレシピ本を作っても退屈だし(他に色々名著もあるし)、ということで旅エッセイの要素を加えることにしましたが、それにしてもなんだか凡庸です。「レシピ本×旅エッセイ」をベースとした上で、また違う切り口というかフックがほしいと思い、考案したのが「ナニソレ」の概念でした。

全ての料理に名前があるかと言うと、そんなことありません。むしろ、名前を授けられている料理はごく一部の恵まれた特権階級で、名前すら与えれていない料理も数多く存在します。でも、そうした無名性にこそ、新しい発見や可能性があったりするのだと僕は思っています。例えば、「白いご飯の上にオリーブをのせて、オリーブオイルをかけて、塩胡椒を振ったもの」、これだけで十分美味しいのですが、名前はないですし、日本人の感覚からしたら「何それ?」感が強いです。

一例とした挙げた「オリーブ」ですが、例えば、本格的なパスタを作ろうと思って買ったはいいものの、その後、使い道を見失って成仏させられないまま、冷蔵庫の中でお地蔵さんのように鎮座させている、そんなようなことありませんか?そうした食材のことを化石化食材と呼んでいるのですが、本書ではその化石化食材たちをサルベージし、海外料理(や海外ならではのアイディアや工夫)との掛け合わせにより、新しい価値としてトランスフォームさせることに挑戦しています(そして提案しています)。上記「オリーブごはん」はその典型例ですし、パクチーとかピクルスとか豆とか、買ったはいいけど使い道ない、あるいはスーパーでたまに見かけて買ってみようと思うけど結局買わないとか、けっこう多いと思うのです。そうした不憫な食材たちに不必要なまでに強烈なスポットライトを当てているのがこの『世界一周ナニソレシピ』です。


まさに大多数の方にとっては「何それ?」かつ不必要なレシピのロイヤルストレートフラッシュだと思いますが、ごくごく一部の方にとっては必要な「ナニソレ」なのではないかと自負しております。ごくごく一部の方の中のごくごく一部の方にこのナニソレシピをサルベージしていただくことを願います。正気の沙汰ではないことを重々承知しながらも、1000部、刷りました。狂気です。大変です。どうぞよろしくお願いします。店頭、もしくはJ×Jのオンラインサイトからご購入いただけます。

旅エッセイ×レシピ本『世界一周ナニソレシピ』journeyjourney-ec.myshopify.com