Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

STAY CHALLENGE.2

このチャレンジは「もうここらでよか」と思っている。

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4月8日にこのチャレンジを始めるにあたり、もう一つ考えていたのは「この一ヶ月はあえてオフラインでいってみようじゃないか」ということだった。オンラインは後回しにしようと思った。

理由は色々あるのだけど、まずは①一度始めたらちゃんとやらないといけない。そして、②でもきっと売れない。ちゃんとやらないといけないにも関わらず売れないって最悪だ。だとすれば、ちゃんとやる体制を整えて、ちゃんと売れるようにすればいい、ということになるのだけど、③メインで一緒に働く社員(いずみ)は入社まだ一週間。オンラインに一点突破するのであればともかく、お昼は弁当販売をしているわけだし、その習得と仕込みを考えると難しい。④そもそも俺がよくわかってない。まあ、④が全てだ。というわけで、まずはオンラインに関わるものを盛大に見送った。

だとすれば「テイクアウトを充実」という路線になるのだけど、そのためには実施するための広義に「スペース」が必要になるわけで、そうしたスペース確保のためにフードメニューではなく、物販にまずはフォーカスすることにした。料理を僕が作らないといけない以上、自分の時間と余裕が逼迫されることになる。それに仮に僕が風邪を引いたりでもしたらアウトだ(コーヴィッドにかかったらそもそも終わりなんだけど)。でも物販であれば、入社一週間のいずみでも対応できる。用意しているものを渡せばいいわけだから。実際に、その間にいずみは基本を習得することができた。今のステータス(5月6日現在)であれば、違う手が打てる。違うチャレンジに踏み切れる。

また別の話になるけども、深刻な問題として同時並行しているのが「仮に終息してもJ×Jの売上は元通りにはならない」ということ。ランチの来店数は比較的はやく元の軌道に戻るかもしれないが、本店に貸切が入るようになるまでには相当な時間を要するだろう。だから、そこには期待せずに他の部分でカバーしていくしかない。その「他の部分」というのが物販となる。最終的には多極化したが、よろずや作戦の出発点は「仕入れが必要ないもので売上を作る」だった。ありがたいことに物販は想像以上に売れたけども、新たに仕入れして新たに売上を作る、ということは考えていない。それよりも新たに商品を自ら作る、ということに力点を置き、これをここからの「物販」の新しいラインナップとしたい。そうでないと今月は乗り切れても、来月、再来月にさらなる危機に瀕することになる。

というわけでこの一ヶ月は極めてアナログで、極めてフィジカルなアプローチに徹した。上述したように、そうせざる得なかった部分もあり、意図的にそうした部分もある。

けれど、想定しなかったのはこの取り組みを通じて、普段なかなか会えない方々や古くからの友人に多く出会えたこと。そして、それが自分にとって想像以上に感慨深く、エモーショナルだったこと。最初はそれこそ蓄えが…とか、借金が…とか、家賃、人件費のことで必死だったけれど、途中からはさほど気にならなくなった。自粛警察に見つかったら大変なので大っぴらには言えないけれど、なんだか日々同窓会めいていて、日々文化祭を作り上げているような心地になった。せっかくの機会にも関わらず、一定の距離を保ちながらの、刹那的な時間であったことは残念だけども、それはまたいつか改めればいい。コロナウイルスは人と人を別離し、孤立せしめるものであり、そこが非常に厄介なのだけど、僕個人においてはむしろその逆のことがもたらされた、と感じている。

ただしこの同窓会も、文化祭も、全力疾走も、全力投球も今のように続けるのは困難でしょう。きっとあらゆる意味で難しい。だから、この一ヶ月にわたる超貧窮問答歌の中で培ったもの、養ったものの一部は今後にも踏襲しつつ、次の段階へとシフトしてまいりたいと思います。

というわけで、「もうここらでよか」なんだけども、新しいことに挑戦するタイミングとしても「もうここらでよか」です。オフラインとアナログでわーわー言うのはこのへんにして、もうこのあたりで次のことを始めます。


本日、5月6日、「よろずやジャーニーオンライン」開店。


まずはじめに小説『Jounrney×Journey』のオンライン販売からスタートです。