Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

邪道と紆余紆余カオマンガイ

J×Jの開業当初からの定番かつ看板である「カオマンガイ」、率直に言ってカオマンガイではありません。カオマンガイではなく、「カオマンガイ的なもの」です(この表現ですら好意的な譲歩でしょう)。

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カオマンガイの定義とは何か。それについて僕はろくな回答ができません。wikipediaによれば中国の海南島の名物である「文晶鶏」に由来しているらしく、海南島の出身者の華僑がタイ、シンガポール、香港に移住し、故郷の味としてそれぞれの土地でそれぞれの土地の料理として確立した、とあります。そう考えると料理というのはすべからく流動的で、その時々と場所々々で変遷し、さすらうものであり、定義付けすること自体に無理があるように思えます。だけども、カオマンガイAとカオマンガイBを違う名前にするのもしんどいので、名称を統一することによって、便宜性を高めているのだと思います。だから、正しくは「カオマンガイ的なJ×Jオリジナルの鶏肉ごはん」となり、その自覚はあるのだけど、当然ややこしいので、便宜的に「カオマンガイ」としています。ので、以降、J×Jのカオマンガイはやはり「カオマンガイ」と呼びます。

 

お店をオープンした時、ランチはカオマンガイをメインに据えようと元々考えてました。自店の近くにはエスニック的なお店はなく、中華屋さん、カレー屋さん、お蕎麦屋さんなどランチシーンにおける巨人ばかりがひしめきあっている状態で、「多国籍料理」というただでさえ異色なのに、内容やテイストまでクセがあると牽制されるかなあと懸念し、本格派からすれば大分、中途半端な仕上がりになりました。いつか機を見て、本格派に寄せていこう(現実的にオペレーションが可能な範囲で)と構想していましたが、次第にそのテイストにも固定客がついてくれるようになり、変えるに変えられなくなりました。そして、その中途半端で軟派なカオマンガイのスタンスを崩さない範疇で、何度か改良を繰り返してきました。

さらにこのコロナ禍において、カオマンガイUBERで適用するようになり、他店との差別化の意味もこめてトッピングを充実させるようにしたそんな折、『エブリィ』、『Nスタ』、『ひるおび』から立て続けに取材が入りました。

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ニンニクを効かせたカオマンガイを「ガリガリカオマンガイ」とし、こうなればとことんやってやろうということで、現在では「ガリガリ」の他に、パクパク、坦々、タルタル、ネバネバ、辛々とアレンジを広げています。否定的な眼差しを感じながらも、ランチメニューではカオマンガイが独走状態であり、他メニューをぶっちぎってます。「邪道も極めれば道」という哲学を胸に、改良は今後も継続しますし、より良いものは目指していきますが、カオマンガイについては今のここに到着したかなという感があります。ディナータイムでもスタンダードとアレンジの両軸で展開していきます。インジェラや鴨だとクセが強すぎるので、こうした安全安心メニューも是非お試しくださいませ。

カオマンガイについては今のここに到着したかなという感」と言いつつも、この先、どこにどう漂流していくかも楽しみだったりします。「料理というのはすべからく流動的」と僕は思いますが(思うと言うかそう考えたほうが個人的に楽しい)、伝統や文化が重んじられ守り抜かれているからこそ(そうした方々がいるからこそ)、流動性が生まれ、物事を変遷、変容せしめるわけで、そう考えれば両社は背反するものではなく一体的なものだ、と邪道を突き進みながら改めて感じてます。


温故知新、覧古考新、紆余紆余曲折。


引き続き、紆余紆余していきたいと思っています。



一から出直してます②鴨飯編

J×J、一から出直してます。

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接客や内装、人柄や客層、クリンリネス、コミュニケーションなど飲食店を構成する要素や来店動機は色々あるかと思いますが、本質的な部分はさておいたとして、直接的に何が売上を上げているか、何を売り買いしているかというと、それは単純に「メニュー」になります。J×Jは開業から6年経った今、ここに初めてメスを入れる、というか、斧を振り下ろしています。メニューを変えたところで何も起きないお店もあるし、自店もその可能性もあるけれど、新しいお店を作るぐらいの勢いで、一からスタートするつもりで抜本的に見直してます。

メニュー数は今の時代それほど重要ではないし、むしろ絞って、強みとコンセプトをシャープに尖らせた方がいいのだと思いますが、今回取り組んでいるのはその対極です。J×Jはメニューを現行の30品から120品まで拡大します。

とは言え、今の20時までの営業時間でそれを対応するのは困難なので、6月28日より20時までの時短営業要請が解除されるまで、先行的にいくつかのメニューをピックアップして取り上げていきます。その一品目が前回ご紹介した「インジェラ」です。そして、今回の記事で取り上げるのは「鴨飯」です。6月28日より、インジェラとともに鴨飯を前面に打ち出していきます。

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鴨飯とはその名のとおり、鴨をのせたご飯です。香港が有名なような気がしますが、タイや中国でもあります。国や街、店によってそれぞれに個性があるのですが、J×JはJ×Jのスタイルでお出しします。

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J×Jでもこのようなスタイルでお出しできればいいのですが、これまたちょっと難しいので…

鴨肉の特徴は「鶏肉よりも固い」、「鶏肉よりも野性味がある」、「鶏肉よりも小骨が多く食べにくい」という3点が挙げられます。はっきり言って「鶏肉の方が美味しい」と感じる方のほうが多数派でしょう。逆に言えば、鶏肉にない魅力が鴨にはあります。野性味があり、弾力があり、肉々しいお肉を食べてる感がある、とも言えます。

 

先程の写真のようにフルサイズ(全羽)でお出しするのはマンボウ中は難しいので、

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フルサイズを4分の1にカットした状態の鴨飯をお出しします(写真は4分の1カット×4です。なので1人前はこの4分の1ですね)。基本はこの4分の1サイズの鴨飯(1人前)で1,500円になります。事前にご予約いただければ半羽(2分の1)、全羽もご用意できます。

もし時短が緩和されてせめて21時までの営業が可能になれば、インジェラ同様、他のメニューとの兼ね合いで事前予約が必要となるメニューになります。小さめのサイズで予約不要でご注文いただけるのは20時までの時短営業中のみです。先述したように鴨飯と言ってもいろんなタイプがあるのですが、J×Jは「鴨を焼いてから煮る」という「焼き煮」のスタイルでお出しします。この機会に是非お試しくださいませ。

一から出直してます①インジェラ編

J×J、イチから出直します。

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今までの在り方を全面的に見直し、新しいジャーニージャーニーを目指していきたいと考えてます。根本の根本はぶらさずにしても、スタンスや表現の仕方は従前から丸ごとひっくりかえそうかと。その転換を一言で言うなれば、「メニューのフルリニューアル」です。コロナ前のアラカルトメニューは約50品でしたが、ちょうど一年前にコロナの影響もあり30品に縮小、これにより単品・アラカルト注文でも大分スムーズに運用できるようになりました(元々はコースばかりだったので)。今後もこれくらいに絞った感じで続けていけたら、と思っていましたし、昨今の流れからすればそれでよかったのかもしれませんが、ばってん一転、結局、J×Jは現行の30品から約120品に増やすことにしました。

間違いなく大変な感じになります。ゲストがたとえその日2組であってもそれなりにハードだと思いますし、提供側の提供的事情はさておき、お客様をお待たせしてしまうリスクだってあります。そうならないようにする努力と工夫は当然として、その一方で、リスクは承知の上でちょっといったんズバッと振り切ってみようと思うようになりました。マイナスを踏まないようにリスクヘッジリスクヘッジを重ねて、取捨選択しながら、慎重に進めてきたつもりですが、そういうのはもういいかなと。リミッターを外して、予定調和をぶっちぎって、その先に何があるかちょっと冒険してみようという気持ちが開業から6年の歳月を経て、ふつふつとぐつぐつと湧いてきました。

という気概で、一から出直す気持ちで、なんなら新しいお店を作ってやるぐらいの勢いでGW以降、全リソースをそこに注ぎ込んできました。はやくぶっ放したいのですが、緊急事態宣言の延長に次ぐ延長、だらだらとぐだぐだ続く時短要請。今の短い営業時間の中で120品はさすがにどうにもならないので、20時閉店の間は期間限定メニューでお届けします。

そうした事情に伴い、J×Jは当面の間、インジェラ屋になります。「見た目は雑巾、味はゲロ」とバックパッカーの中で揶揄される、エチオピアの主食「インジェラ」。通常営業においてはおそらく要予約の商品になりますが、逆に今の機会だからこそ打ち出してみようと考えました。「見た目は雑巾、味はゲロ」。誰が最初にこう表現したかはわからないけれど、このフレーズは先述したようにアフリカを旅するバックパッカーの間では有名で、面白がってネタにする旅人も多くいます。でも、こうした風潮に違和感を覚え、一周中にインジェラについてのブログを書きました。もう9年前の記事ですが、ほんの少しだけ炎上しました(ボヤぐらいな感じですが)。インジェラが何故そう揶揄されるのかも書いてますので、興味のある方はどうぞ。

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ちなみに小説『Journey×Journey』でもインジェラは出てきます。

jjakihabara.thebase.in


僕が一周中に現地で食べたのはこんな感じで、

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J×Jで出そうと思っているのは下記のようなイメージです。

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上にのせる具材は現地仕様を踏襲しつつ、半分はJ×Jのオリジナルにして世界一周感や多国籍感を出す予定です。料金は1,800円となります。


J×Jの「一から出直します」の初手であるインジェラ、好き嫌いと賛否分かれるところだとは思いますが、この機会に是非お試しくださいませ(J×Jは6月28日から18時〜20時の時短で営業再開する予定です)。JTVではインジェラを作る様子などもお届けしていきますのでこちらもどうぞよろしくお願いします。

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恋つづ-後編-

「一緒に行かないか?」

と、おじいちゃんは言った。

ここまでの過程でおばあちゃんは特に動じることなく、ただ静かにお茶を啜り続けていた。角度的に表情こそ読み取れなかったが、その堂々たる背中にただならぬものを感じていた。さてはおばあちゃん、やり手の女子だな、散々モテてきたな、と。一方、おじいちゃんはもうすでに見てられない。もう完全におばあちゃんに恋をしてしまってる。自分もこんな感じだったんだろうなと戦慄する。見てられない…。

答えがOKであれ、NGであれ、おじいちゃんのその直球をおばあちゃんがどう上手に返すか、僕は固唾を飲みながら、お茶を飲んだ。まだ3皿目なのにお茶を啜ってばかりだ。もはやタッチパネルでネタを選んでいる場合ではない。まさに今、僕の隣でどでかいネタが繰り広げられている。

おばあちゃんは湯呑を置き、カウンターに残されていた握りにここに来て手を付けた。咀嚼とともに沈黙が流れる。そして、

「こ、これ、お、お、おいしいね…」と苦しそうに言った。

完全にテンパっている。おじいちゃんのマグニチュードを遥かに凌駕する規模で激しく動揺している。

ちなみにおばあちゃんはその時食べた握りは「下足」(ゲソ)だった。ここで本日のおススメである金目鯛や鉄板の中トロであればともかく、下足に「旅行に誘う」というヘビー級の会話をぶった切って、話題を面舵一杯するほどの力はない(下足は僕も好きではあるが…)。しかも、おばあちゃんがどう「上手」に切り返すかを期待していた自分としては「下足」が個人的なメタファーとなって押し寄せてきた。じわじわとじわる。今、僕の隣でとんでもない邂逅が展開している。

おばあちゃんのその想像以上の動揺はおじいちゃんにとっても予想外だったようで、事態はさらに混迷した。

「あ、か、か、金は俺が全部払うからさ、だからそこはし、し、心配しなくていいからさ…」。

そこじゃねー、多分、そこじゃねー。そこだとしても今言わねー。

「金は天下のまわりものって言ってね、使わないと増えないから…」

だからそこじゃねー、そして多分この件に関してはまわしても増えねー。

「1泊だとあまりゆっくりできないからさ、2泊くらいしてさ…」

そこでもねー、絶対、そこでもねー。2泊ならOK、ってならねー。

おばあちゃんの方は「いや、それはちょっと…」という空気は醸すものの、かと言って、明確な否定もしない。波を立てずになんとなく交わしたいのであれば今は宝刀「コロナ」があるではないかと思うが、それを抜こうともしない。

「大丈夫、ちゃんと2か月前くらいに予約するからさー」

おじいちゃん、全然大丈夫じゃないよ。一回の表に7点取られてるのにその上で暴投してるようなもんだよ、それ。

「ほら、1か月前だと予約埋まっちゃってるかもしれないし、キャンセルとかになるとまためんどうくさいからさ…」

おじいちゃん…、空室状況も、キャンセルポリシーも今は気にしなくていいんだよ…。もう9点くらい取られてるのに気付いて…。

よほど白タオルの代わりにおしぼりをリングに投げ入れようと考えたが、結局その場はおばあちゃんが最後まで封じていた(封じてくれていた)「コロナが落ち着いたら…」という大砲を放ち、幕を下ろした。

 

この物語の結論は、

①コロナ、はやく落ち着いてほしい。
(おばあちゃんも多分まんざらではない)

②うずうずしているのは若者だけではない。
(おじいちゃんはコロナが落ち着くまでの間にちょっと落ち着こう)

酒類の提供禁止は解除してほしい。
(今日はおばあちゃんの隣で飲みたかった。おじいちゃんはお茶でよかったね)

④世の中の「お友達と言えばお友達」という関係は無限の意味と蓋然性を孕み、それは中学2年生であれ、70歳の男女であれ同様で、時に最もプラトニックで、時に最もエモくエロく、往々にして切ない(本当に切ない)。

 

⑤されど恋はつづく。
(どこまでも) 

 

 

 

 

恋つづ-前編-

ご夫婦と思われたその二人はどうやら「夫婦」ではないらしい。

回転寿司のカウンター席で僕は鱧の握りを味わいながら、隣の席に座る二人の会話からそんなふうに推察した。年齢は二人とも70代前半と思われる。特にこれといった特徴も変哲もない、穏やかで優しい感じのおじいちゃんとおばあちゃんだ。けれど、夫婦ではないし、兄妹や親戚に類する関係でもなさそう。お友達と言えばお友達なのだろうけれど、それだけで割り切れるような雰囲気でもなく、かと言って、スキャンダラスな匂いを漂わせているわけでもない。感覚としては「付き合ってるわけではない中学2年生の男女が横に座っている」が一番近いように思える。けれど、世の中の「お友達と言えばお友達」という関係は無限の意味と蓋然性を孕み、それは中学2年生であれ、70歳の男女であれ同様で、時に最もプラトニックで、時に最もエモくエロく、往々にして切ない。

「これって何て読むかわかる?」

とおじいちゃんは携帯電話の画面をおばあちゃんに見せた。

おばあちゃんはお茶を啜りながら「ぎんざんおんせん」と言った。銀山温泉山形県の大正浪漫の温泉郷

「いや、俺の携帯にさ、ここの温泉の広告がしつこく出てきてさ、行ってみてえなーと思っててさー」

「私もこの前、テレビで見たわよ」

「けっこうしつこく携帯に出てくるから、しつこくてさー」

広告のしつこさを不自然に連発している、というか、広告のしつこさをしつこく言及しているところに、おじいちゃんの動揺と心拍の乱れが伺える。僕の隣に座るおばあちゃんは身体をおじいちゃんの方に向けているので、僕は彼女の脈はおろか、表情を捉えることもできない。茶を啜り続けるおばあちゃんはおじいちゃんの胸の高鳴りと血圧の上昇を感じ取っているだろうか。


「でもさあ、広告見ると"2名様〜"ってなってんだよなー。1人じゃ行けねーんだよなー」

おじいちゃんは完全にドキドキしている。お寿司どころではない。

おばあちゃんを挟んで僕も完全にドキドキしている。僕もお寿司どころではない。

おばあちゃんはやはり茶を啜っている。

僕も箸を置き、仕方なく茶を啜る。

僕は茶を啜りながら、茶を啜るおばあちゃんの背をちらりと見る。なんだか、その落ち着きっぷりに数々の歴戦を超えてきた「やり手の女子の背中」に見えてきた。


「一緒に行かないか?」とおじいちゃんは言った。


僕の脳内ではOfficial髭男dismの『I Love…』のイントロが流れた。まさに『恋はつづくよどこまでも』 だ。

けれど、それはあくまで僕の脳内の話で、実際はいかにも回転寿司屋で流れていそうなメロディーがいかにも流れている。ちなみに今日のおススメは僕が食べた「鱧」と「金目鯛」らしい。そして、今、僕の隣ではおじいちゃんがおばあちゃんを銀山温泉へのデートに誘っている。

 

 

Spicehoric&Hungry apartment(スパイスホリック&ハングリーアパートメント)スタート!②

J×JはECの第3弾となる「スパイスホリック&ハングリーアパートメント」というサイトをリリースしました。

スパイスホリック&ハングリーアパートメント

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テーマは「スパイス」で、コンセプトは「ECの間借り」ということで、「アパート」のイメージでサイトを作っています。

現時点においてアパートの住人は、「香辛酒臓」さんと「Neo culture」さん。そしてJ×Jと、J×Jからスピンオフしてる「東京ロマンティックベーカリー」と「K-3カレー(スタッフいずみの燻製カレー)」。この5つの事業体がそれぞれの部屋で、それぞれの商品を販売している感じです。

まず香辛酒臓さんの商品からご紹介します。香辛酒臓さんは普段から第4土曜日のお昼間にカレーを間借りしてもらっているのですが、カレーはもとより、アチャール(インドの漬物、ピクルスのようなもの)を作るのが得意で、ありとあらゆる食材をその食材に合わせてアチャール化します。今回のこのアパートメントでは「シーチキン」をアチャールにしてくれてます。

香辛シーチキンの3種盛り合わせ(各200g)spicehorichungryapartment.myshopify.com

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使い方は「シーチキン」と同様です。ご飯の上に乗せる、サラダの具材とする、パンにつける/はさむ、オムレツの中に入れる/かける、パスタと和えるなど。現時点は「赤/明太子」、「黒/海苔」、「黄/エノキ」の3種類のご用意があります。それぞれの食材に合わせたスパイスが合わせられており、香辛酒臓ならではの繊細さと大胆さが楽しめる味わいになっております。こちらは3種盛り合わせセットか、他の商品も合わせたミックスセットからお買い上げいただけます。

そして、次に紹介するのはNeocultureさんのレシピ本です。

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カレーとスパイスの勉強のためにインドのインド人のお店に泊まり込みで修業してしまうほどの行動力のある彼が作る、現地感と生々しさが溢れる唯一無二のレシピ本となっております。カレーを深堀りしたい、スパイスをもっと追求したいという方に特におススメですが、その一方で説明は丁寧ですし、「スパイス2種で作るカレー」など凝ったカレーというよりも現地感のあるカレーに寄せていますので、これからカレーを作るという方にもおススメです!彼自身ははっきり言ってマニアというか、奇才というか、変人です。そんなNeo Cultureワールドを是非ご堪能くださいませ。

SHA202号室「Neo culture」spicehorichungryapartment.myshopify.com


続いてのブログではアパートメントにおけるJ×J関連のアイテムについて、ご紹介させていただきたいと思います!




ところで今、補助金・助成金はどうなっているのか?②

前回のブログで書きましたが、

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去年及び今年に入ってJ×Jが主に取り組んだ助成金補助金関連は以下の3つ。

業態転換支援事業(東京都中小企業振興公社)
小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型(日本商工会議所)
新ビジネスチャレンジ支援(台東区公益財団法人産業振興事業団)

この3つに関しては無事に採択され、2つは支給決定、残り1は今実績報告書を作成中。
助成の上限は①は100万、②も100万(申請内容にもよるけれど)、③は20万です。自店のような個人店には十分な予算ですが、いわゆる中小企業にとっては労力と見合うかどうか微妙なところだと思います。

そこで今注目されているのが「事業再構築助成金」。通常枠では補助額100〜6,000万、補助率3分の2。上記3つとは予算規模が全然違います。飲食に限らず、幅広い事業をカバーしているのもあって先日の第一次公募の際には応募殺到でサーバーダウン、締切が一週間延びたほど。補助額が多いだけに要件も厳しめ(山本調べ)、自力はちょっとしんどそうという印象。ので、J×Jはとりあえず今はスルーしてます。

あと感染症対策にかかる経費の軽減で言えば「中小企業等による感染症対策助成事業」。これは東京だけですね。こちらは上記3つと被るところもあるので、いったん据え置きしてますが、今後「山梨モデル」の全国普及が本当に余儀なくされるのであれば、申請を検討しようかなと考えています。


といった具合で、色々あります。上記3つに関しては①は間もなく最終締め切り、②は「低感染リスク型ビジネス枠」として新たに予算が組まれ(第一次公募はまもなく終わりですが2次も始まるのではないかと)、③も再受付を望む声多数ということで似たような制度が新設されています。なので、それぞれのお店の事情と都合に合わせて、良さそうなものをチョイスするのがいいと思います。

以上3つを自力で取り組んでみて思うのは、

①制度の主旨や目的に見合う申請内容であり、
②申請内容が論理的、合理的

であれば採択されると思うのですが、結果的に採択率が30%前後であることを考えると「申請金額が上限いっぱいでないこと」もポイントなんじゃないかと個人的かつ密やかに思っています。僕は③以外、上限の半分くらいで申請しています。多分、採択するほうもできれば採択したいのだと思います。感染拡大防止のための補助で、感染拡大防止を促してるのに採択率が10%とかだと逆に問題になるだろうし、採択率は申請件数によって決まり、件数が多い方が事務局側としては都合がいいはずで、100万の申請している1社と50万の申請をしている2社であれば、後者を選ぶのではないかと勝手に思ってます。

また、下記リンクのような問題も出ています。

news.yahoo.co.jp

揺れるところではありますが、もしお店や事業主が何か新しいことを始めるとき、あるいは非対面・非接触の何かを取り組む時は調べてみることに越したことないんじゃないかと思います。

 

Spiceholic&Hungry apartment(スパイスホリック&ハングリーアパートメント)スタート!①

J×Jは去年、「東京ロマンティックベーカリー」というECサイトをリリースしました。

tokyoromanticbakery.com

僕にとっても、J×Jにとっても初めてのECサイトでしたが、スタッフゆかさんが焼くパンにファンの方もでき、順調に推移することができています。ゆかさんとお客様に感謝申し上げます。

そして、続けざまに激辛調味料をメインとしたネットショップもオープンしましたが、こちらはほぼほったらかしの状態。作ったはいいけどそのあと放置、というよくあるパターンに陥落。運用に手をまわせていない僕の能力不足ですが、その一方で現在OEM生産に着手しており、僕的には今後力を入れていきたい分野。今はちょっと眠ってもらいます。

そんな中、第3弾のECサイトをスタートさせました。Spiceholic&Hungryapartment(スパイスホリック&ハングリーアパートメント)という店名で、今回のテーマはずばり「スパイス」です。スパイスと言えばカレーですが、カレーは全面には出さず、「スパイス」のカレー以外の使い方を意識しました(カレーもありますし、メイン画像はカレーですが…)。

Spiceholic&Hungry apartment(スパイスホリック&ハングリーアパートメント)

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けれども今回、重要視したのは「ECの間借り」です。そういうサイト作りに挑戦してみたかったのです。飲食において「間借り」と言えば「カレー」で、自分のカレーを出したい方が店舗のお休みや空いてる時間帯にスペースを借りて、提供・販売することを指します。UBERなどオンライン上の「ゴーストレストラン」も間借りと言えば、間借り。賃貸借契約の内容によって曖昧なところはあるにせよ、すでに珍しくはないでしょう。

けれども一つのECサイトのスペースを間貸しして、あるいは共有しているサイトはあまり見かけません。当然、事業者は自分の商品を売りたいし、アピールしたいので、そもそも共有する意味がない。そして、このサイトが現にそうであるように複数の人間が複数の情報を持ち合わせるので、情報が交差して、ユーザビリティも悪くなる。それは重々承知の上なのだけど、共有とシェアの時代、こういう在り方もあってよいのではないか、と思い、今回このサイトを作りました。


というわけで、このサイトのテーマは「スパイス」ですが、コンセプトは「アパート」。「スパイスに魅せられた中毒者たちが住む、お腹を空かせたハングリーアパートメント」。住民の紹介と住民の商品についてまたブログ記事でご紹介いたします。

ちなみにこの店名は『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』という超クールな映画と『ヘドウィグ&アングリーインチ』という超クールな映画のタイトルをオマージュしています。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(字幕版)

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 

 

本店の2階を借りたはいいがどうしたものか②

内装工事となれば、J×Jの内装事業部の出番となります。

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自社内に内装事業部があるというのは心強いもので、こういった時、柔軟に動いてもらうことができます。けれども、今、内装事業は担当のハヤカワだけでなく他の職人さんとも提携し、チーム化しているので今回はハヤカワをメインに据えるのではなく、本職は空調であるスギさんに委託。こうした機会を通して、内装事業全体の幅と厚みを出していきたいと我々は考えてます。

今回のプロジェクトは2階の工事だけでなく、同時に2号店のバックヤードの改装も兼ねました。どうにかしないといけないと思いながらも、ほとんど手つかずだったけれどこれを機に着手し、収納スペースの大幅改善を目指しました。

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Beforeがこれ。ひどい。

そして改装後のイメージがこちら。

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ヤマモト作イメージ。ひどい。

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スギさん作イメージ。綺麗。

出来上がりはこちら。ほぼ一日で完了。

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電光石火で2号店のバックヤード改装を終えてくれました。今まで本店と2号店のモノの行き来が煩わしかったけれど、これでようやく改善されそう。嬉しい…。

翌日から本店2階の事務所工事が着工。

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このまっさらが一体どうなるか。


本店の2階を借りたはいいがどうしたものか①

新年早々に再び発出された緊急事態宣言を受けて、お店の今後について色々と考えさせられた。この時を境に協力金は手厚いものとなり(小規模事業者にとっては)、また対象範囲が「事業者ごと」ではなく「店舗単位」と切り替わったので、J×Jにとっては率直に言って救いであった。一方で、「今後も当面振り回される」という懸念は確定的なものとなり、また「いよいよ今までの営業スタイルでは立ちゆかんな」と知らしめられた。

もともとオンラインの充実を目指して去年一年励んできたので、それはまあそのまま継続するとして、「では本業である店内飲食をどうするか」を本腰入れて考えることとした。大人数での飲食を封じられることは勿論、それよりも深刻なのはリモートの定着化で、既存客の来店機会の多くを事実上失った今、新規顧客の獲得、そして「新しい来店動機」や「お店の使われ方」を創出しなければならないことは明白で、シンプルに言えば「何を推すか」と「どう推すか」の再構築が余儀なくされている。


ではそれをどう構築するか、なのだけど、その前に考えたのは「稼働時間の拡大」だった。今までは稼働時間(≒営業時間)をできるだけ圧縮し、人時も原価もできるだけ効率化し、店内営業以外のことも並走させようと励んできたけれど、今までとは逆のアプローチで営業時間について考えてみようと思い至った。上記に「拡大」と書いたけれど、正確に言うと「コントロール」に近く、スタッフの人数や環境やニーズに応じて、フレキシブルに動けるような体制を作りたい、と。


そして、そのための障害となるのは自分自身だった。自分の仕事をお店以外の場所でやれるようにするためにはどうしたらいいかと考えると、普通に事務所を持とうという話になる。自宅でいいじゃないか、という選択肢もあるけれど、お店で何かあった時にすぐに対応できるようにはしておきたい(この時点でマネイジメントが弱いのだけど、それはまた別の課題)。なので、お店の近くであることがまず最初の要件になるのだが、「そう言えば…」と本店の2階が空いてることを思い出した。これ以上に都合のいい物件は他にない。2階がとれなければこの作戦はその時点で破綻、もしとれるのではあれば突き進めるべき、という想いで獲得に乗り出したけれど、話はスムーズにまとまり、あっさり契約となった。

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引き渡し時はこんな感じ。クリーニングもされていない状況だったが、その代わり月々の家賃を抑えてもらった。ここから内装工事が始まる。