Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【アキバ系路地裏経済論】今後どうなるだろうか①

3連休とお盆が重なり、世の中的には長期連休、事業所立地に位置するJ×Jはまた一段と暇になるし、今あれこれ取り組んでいることもここで一呼吸置いて、イチ飲食店の立場で今までの振り返りと今後どうなるかを考えてみようと思い立ちました。

けれど「イチ飲食店の立場」、の前に、あえてマクロから入ってみようかと。暇だしね。とは言え、僕は経済のことも、金融のこともほぼさっぱりなので、分析でも考察でもなく、下記はイチ店主が思うただのなんとなくの感想に過ぎません。

8月17日(月)に内閣府が「第2四半期(4〜6月)の国内総生産(実質GDP)」を発表します。GDPというのは「国内のモノやサービスの付加価値の合計金額」。ここもあえて細かくいくのであれば「GDP=民需(フツーの「消費」+企業の「投資」)+政府支出+貿易収入」の合計。正確に言うとなるともっと細かくなるけれど、キリないのでやめます、というか僕自身、よくわかってないっす。ちなみに日本は未だにGDP、世界第3位。人口が多いから。国民1人あたりでいくと25位くらい(中国はGDP世界2位、1人あたりでいくと74位)。

8月17日に発表されるGDP、民間の予測調査では-23%となる見通しとのこと。2011年の東日本大震災では-4%くらい、12年のリーマンでは-17%くらいなんでぶっちぎりで戦後最悪(あくまで予測だけども)。そして、この民間予測では7月〜9月の第3四半期は9%のプラスに転じるんじゃないかと見立ててるけど、6月時点の予測なんで、どうなんだろうなと。

そして同4月〜6月期の大企業の赤字額、JR東日本1500億、三越伊勢丹300億、オリエンタルランド250億、ANA1500億、JAL1000億、こうした企業は直撃系なんでまあそうだよなあというところだけども(にしてもとんでもない額だが…)、電通36億、博報堂30億、CANON88億、パナソニック100億、ホンダ800億、日産2800億、三菱自動車2300億と超ヘビー級の数字が並ぶ。逆にざっと調べた感じ、自動車業界が大混乱の中トヨタは黒字確保(すごい…)、ゲームが堅調なSONYは増、任天堂爆増、ハウス、味の素、森永など食品会社も増収増益、ヤフーは爆上げ、楽天の発表はちょうど今日みたいだけど、間違いなく激増でしょう。

がっつり赤字をたたき出してるところもあれば、この機に伸びてるところも当然あるのだけど、東証一部全体で見ると、数字を発表した250社のうち、71社が赤字、去年と比べて損益が79%減(前年対比21%)らしい。17日のGDP、発表を待たずとも間違いなく絶叫系であり、今さらインパクトなんてないと思うけれどどうなんでしょ(ちなみに日経平均は3月19日の16,500円くらいを底値にその後回復して22,000円台を基本キープ。なんでやねん、と思うけれど、まあそれだけ外部からぶっこまれてるということでしょう。株価は実体経済とは関係ないと言うけれど、にしても露骨では、と思う)。

でも飲食店の多くが「まあ、元通りにはならずとも、夏にはある程度持ち直すでしょ」と思っていたのと同様に、大企業にとってもこの矢継ぎ早の第2波というか、だらだらと続くこの状況は傷をぐりぐりと抉られているような感じなのではないかと思えてならない。大企業だって無限ではないし、公的資金も限りはある。

一方、よく取り沙汰される倒産件数や自殺者数は去年と比べて増えていない。色々あるだろうけれど、この要因を「思考停止ではないか」と書かれた記事を読んで、「まあ言えそうだなあ」と個人的には思った。台風も大雨も警戒こそすれど、かと言って、自宅を出て体育館に泊まりに行く人は少数派で、家の中に浸水してから慌て、「まさか家の中に入ってるとは…」となる。多分、そういう意味ではまだ「真に受けてない」人の方が多数じゃないかと思う。家に閉じこもっていればそのうち過ぎるでしょ、むしろ難しいこと考えなくて楽だわ、みたいな感じなのではないだろうか(これは感染への個々の警戒度や自粛度とは別の話)。

今はまだ嵐による大雨をダムが守ってくれているけれど、降りやまない限り、いつか臨界点が来る。経済のことは全然わからないし、僕自身は楽観主義派で、「まあなるようになるっしょ」と思っているけれど、同時に「でも、このダム、間もなく決壊するんじゃないか」とも思っている。

真に受けても、受けなくても、楽観主義だろうが、悲観論者であろうが、どうにもできない部分が多い一方で、どうにかできる部分も少なからずある。その局地戦で「自分なりに考えて、自分なりに動くこと」が大切で、それが全てであるように思える。その「自分なり」をちょっと掘り下げていきたい。暇だし。