Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【アキバ系路地裏経済論】今後どうなるだろうか②

前回記事、

www.journeyjourney-blog.comというわけで、パツパツとまではいかないまでも、かと言ってあまり余裕もないのではないかと何となく感じます、日本経済。ダムの決壊はありうるし、浸水も起こりうる。少なくともそう思っていた方が無難な気がする。杞憂であることに越したことはない。たとえ国内が乗り切ったとしても、どこかが激震が走ればその津波は日本にも到達する。そもそもアメリカは今実際どうなのだろうか、というかその前に中国は今、何を考えているのだろうか。グローバリゼーションは世界を発展させる強固な矛でもあり、同時に、世界を切り裂く矛でもある。のだろう、多分。

世界は勿論、僕は国内のマクロなこともわからない。が、今、底を支えてるものの一つに雇用調整助成金が挙げられると思う。何故かあまり取り上げられないけど、今の国内の混乱を抑制しているのはきっとこれで、1月より始まったこの助成金は何度となく改訂され、今はかなり充実した内容になっているし、大企業にとっても、中小にとってもフェアな仕組みだ(残念ながらJ×Jは規模が小さすぎてこの恩恵は受けていない、そもそも休業してないし)。

おそらくは雇用と社会基盤の下支えになっているこの雇用調整助成金、9月末で期間を終える。一部からは延長を要請する声も上がっているが、緊急事態宣言も休業要請も見送られている状況で、延長されるのかどうか疑わしい。すでにリーマンショックの影響を受けた2009年度1年分の支給額をたった5か月で上回っている。予算的にどうなのだろうか。また、不正に受給している事業者も少なくないだろう。それは厚労省も承知の上だろうし、いつまでも無視はしないはず、きっと。さらに言えば、仮に延長されたとしても、経営者の気力が尽きたら意味がない。

そして、もう一つは融資。今の積極姿勢にも当然いつか潮目が来る。どこでどう豹変するかは正直わからない。銀行が貸し剥がしたり、貸し渋ったら終わり、そんな企業も少なくないはずだし、そこまでならともかく、嵐が過ぎたあとの回収は烈火を極めるのではなかろうか。

いよいよの長期化がいよいよの現実味を帯びれば、大手は損切に走り、既存事業を見放し、新規事業に乗り出すだろう。しかし、そこにはいくつもの中小や零細がぶら下がっている。ニューノーマルと言えば聞こえはいいが、脱皮には必ず抜け殻が生じる。それに今は旧態依然が残っているからITやAIが映えるが、大船団がこぞってそこに押し寄せれば、そこに本当に拓けた海原はあるだろうか。

STAY HOMEに伴うテイクアウトの盛り上がりの中で、いやデリバリーで差別化だ、いやいやデリバリーも飽和だ、であれば自社のECサイトだ、いやいやいやECサイトは店舗を持たない個人ですでに埋め尽くされてるわ、といった具合で、行く先々でレッドオーシャンを航海して疲弊、これは飲食店の話だけど、ストーリーラインはどこも同じだろうし、むしろ大手で起こるであろうことが今もうすでに起きている、と言ったほうが正しいのかもしれない。勿論全ての業態に当てはまるわけではないけれど、同じような閉塞感が同じように待ち構えているんじゃないかと思う。結局、イチ飲食店として考えれば、酒を飲む余裕、外食する余力があるから飲食店が成り立つのであって、世の中がどん詰まれば当然、飲食もどん詰まる。

こう書いてしまうと何とも暗澹な内容になってしまうけれどもそんなことを書きたいわけじゃない、あくまで「ではどうするか」、なのだけど、その前にもうちょっと深くまで、もうちょっと暗くまで潜ってみたいと思う。