Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

Enjoy eat.vol②「赤弁」

前回のブログに書かせていただいたとおり、

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できることをできる範囲でコツコツ積み上げながら、留めず、留まらずに少しでも「循環」を生んでいこうと、そして同時に「食べることの楽しさ」や「飲食店ならではの楽しみ」みたいなものを表現していきたいと思っております。できることが限られているからこそできるのだろうし、今のJ×Jにとってはそれが一番かつ、ギリギリの孝行でしょう。

一番最初に考えたのは「赤弁」。赤字覚悟弁当ではなく、赤字確定弁当。言わばただの安売りです。J×Jにとって手痛いのは緊急事態宣言に伴う時短ではなく、それにリモートの再加速で、最後の防波堤であるランチや弁当販売がさらに窮地に立たされることになります。ジリ貧で切羽詰まったお弁当を販売しても仕方ないので、普段はやらない、やれないようなお弁当を作った方がこちらとしても楽しいし、ゲストも楽しみにしてくれるのではないかと。

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炙り大トロ弁当500円

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鰻弁当500円

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ミディアムレアステーキ弁当500円

こういった感じではありますが食材特化ではなく、赤たる所以はボリュームでもいいし、品目数でもいいのかなと。幸い、ほとんどが即完売するので機能していると思うのですが(カツ丼を逆転させた逆さカツ丼の売れ行きはあまりよくなかった)、中には「これ食べたら赤字になるの?」と心配してくれるゲストもいるので(当然それで売れ残った方が赤は膨れるのだけど)、もう少し赤弁が定着したら「黒弁」も展開しようかなと企てております。

勿論、力を入れているのは赤弁だけでなく、他のお弁当も工夫していきます。いつもお弁当は朝の短い時間で大量生産するので、どうしてもオペレーション重視のメニューになってしまうのですが、南米の定番メニューだとか、アフリカ料理だとか、できるだけやりたい放題やっていきたい。ので、普段J×Jでお弁当をお買い上げいただいてる方はこの機会に是非冒険していただきたく、また、不要不急の冒険はノーサンキューという方はご近所の中華屋さんが唐揚げと生姜焼きがボリューム全開でついて500円という「赤だろう弁当」を販売されてらっしゃるので、そちらをお求めいただければと存じます(ボリュームほんとにすごいっす。唐揚げだけでも赤ではないかと…)。

J×Jの赤弁ならびに台東1丁目13番地の経済をどうぞよろしくお願い致します。




Enjoy eat.vol①「極めて極めた微力ながら」

緊急事態宣言発出から早くも10日が経ちました。ディナータイムの営業が事実上なくなり、本来であれば時間はたっぷりあるはずなのに、仕事の山を切り崩せないまま足踏みしております。圧倒的に行動して、圧倒的にやっつけていきたいのに、圧倒的にやっつけられてます、困ったものです。ただまあ年明けから今に至るまで怒涛の展開だったのでそれも致し方なし、というかほぼ確定申告による忙殺(というか一年分ほったらかしにしていたのが悪い)、それもある程度片がついたので、改めてじっくり積み上げてまいります。

昔、知り合いの飲食店の経営者が「ある意味、文句言うのが自分の仕事」と言っているのを聞いて、なるほどなあと感じたのを記憶してます。運営の方法やマネイジメントはそれぞれの考え方あるでしょうから、いいか悪いかはさておき、「文句」というのが仕事になることもあるのか、と思ったわけです。同時に、でも「愚痴」は仕事にはならないだろうな、とも思いました(「愚痴を聞く」のはもしかしたら仕事になるかもだけど)。

そして、「文句」を生業やミッションにしている方々が一定数いるわけです。文句業界の大手と言えば、マスコミや野党の方々でしょうか。文句業界の筆頭格なのであれば、意義とセンスのある文句を披露していただきたいところですが、まあ毎日文句ばかりを言っていればいくら達人と言えど切れ味は落ちてくるでしょう、ただ不毛な泥仕合は避けていただきたいと切に思います。

というわけで、文句はプロの方に任せておいて、自分が何をすべきかで言えば「感謝を伝えること」や「感謝を何かに表現・還元すること」だなと思ってます。美辞麗句ではありますが、というよりは、ちょっとした気不味さの方が近いかもしれないです。補償については色々と物議を醸していますが、少なくともJ×Jは今回の補償で応急処置されたわけだから、少なくともJ×Jはその謝意を表明すべきであり、何かしらの形にしていかないと、と思ってます(文句は声高になり、感謝の声が潜まるのはいかがな世の中か)。補償をもとに仮に家でゴロゴロしているだけでも一応、感染拡大防止の一役は担っているし、クビを切らなければ「雇用維持」という意味合いで少なからず貢献している。でもそれでいいのだろうか、と個人的には感じてます。それはちょっと単純に気不味い。家でゴロゴロしているだけでは何も生まないし、何も循環されない。

では、何をするか。正直、できることは限られている。ディナーは事実上休業中だし、フルの飲食スタッフは一人しかいないし、今回の補償は手厚いと言え、そもそも去年、がっつり借金背負って、ばっちり赤字を出してるわけだから、予算もたかが知れている。けれどだからと言って、無為無策ではいられない。だから、

①平日のお弁当販売
②細々と平日店内ランチ
③東京ロマンティックベーカリー
④ほぼ全く運用できていない『健康で文化的な最低限度の激辛飲食店』
⑤ウーバーイーツ

この5つに関しては少なくとも動かせるわけだから、それぞれのセクションで自分なりの還元に取り組んでいきたい。そして、極めて極めた微力ではあるが「飲食」に循環をもたらしたい。僕個人の考えだけども飲食における最上位は「楽しい」にあると思っている。いくら感染が拡大しようとも、いくら不毛な文句が飛び交おうが、どれだけ社会が軋もうとも、というか、そうであればなおさら飲食は「楽しい」を表現しなければならないのではないか、と。「1人で外食するなら問題ないのではないか」という意見に賛同が集まっていて、飲食の人間として有難い一石だなとは思うけれど、どの店にもそれが当てはまるかというとやはりそうではない。それぞれのお店にそれぞれのお店が目指す「飲食」の在り方がある。

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ひとりでひとりを味わせてくれるお店があり、それとは違う味わいを目指す店がある。文句言ってる場合でもないし、ましてや愚痴なんて言ってる暇はない。家でゴロゴロしている場合でもなければ、確定申告に追われている場合でもない。


J×Jは緊急事態宣言中、極めて極めた微力ながらEnjoy eatキャンペーンに全力で取り組んでまいります。詳細はまた別途、追ってお知らせいたします。

 

 

親愛なる密へ-2020年1月、世界一美しい街編-

ちょうど去年の今頃、ハンガリーオーストリアチェコ、ドイツを5泊6日で爆走しました。

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2012年の世界一周以来のヨーロッパ、寒かったけれどオフシーズンということでホテルは安いし、観光客は少ないし、僕的には最高でした。

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けれども美しい風景や荘厳な建造物より何より印象的だったのはチェコの「世界で一番美しい村」と称されるチェスキー・クルムロフでふらっと入った酒場です。ここでの時間が最も楽しくて、心から心打たれました。

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最初は静かに飲んでいたのですが、そこにふらっと流しのバンド(と言うのかなんというのか)がやってきて、

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徐々に場があったまってきます。

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そして、狭い店内でお客さんが踊り始めます。

最終的には、このどんちゃん騒ぎ。

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一年経った今、これを見るといろんな感情を通り越して、何だか悲しくなってしまいます。密閉、密集、密接の三冠達成、おまけにはち切れんばかりの大声と、今であればオールNG、全員、国賊扱いになるでしょう。


この一年で在り方は劇的に変わり、ニューノーマルと折り合いをつけることが正解で、それに寄り添っていくしかないのが現状。その過程の中で、物理的な距離とは別の領域を通して(デリバリーやECなど)、新しい発見や感謝を見出せたのは事実であり、それはとても嬉しいことではあったのだけど、でもやっぱり、興奮とか感動というのは往々にして、密なるものから生まれてくるのではないかと思ってしまいます。


距離を取れ、
声を潜めよ、
動きを止めよ、


と言われ続けた一年、それはまだしばらく続くだろうし、酒場の店主としては非常に堪えることではあるけれど、だからこそより耳を澄ませていきたい。ニューノーマルに隠れて脈打つ「密」の大切さが枯れないように、粛々と働く。


俺ははやくあの密な酒場で、また密なビールが飲みたいよ。恥ずかしくて踊れなかったけど、今度は思いきって踊ってみようと思うよ。酔って、踊って、伸びきったディスタンス、縮めようじゃないか。

 

貧窮&幸福問答歌-ダイヤモンドは砕けない編-

そして、そんな中、皆様はこの方についてどのような印象をお持ちでしょうか?どちらかと言うと不人気なんでしょうかね、どうなんでしょ。

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ご存知、西村大臣。何の大臣かと言うと経済再生担当大臣です。ちなみに似たような名前に「経済産業大臣」というポストがあり、こちらは梶山さんという方が務めてらっしゃいます。

感染拡大防止という側面で見れば、加藤厚生労働大臣(現官房長官)がトップに立って仕切るはずですが、加藤さんは全然出てこず(たまに出てきたと思ったら失言ばかり)、経済再生担当大臣である西村さんが3月6日にコロナ対策全般をぶん投げられた形になりました(新型コロナ対策担当大臣兼任)。何故このような人事になっているのかはわからないけれど、廊下を走って転んだ子供の怪我を治療するのは保健の先生の役割であり、廊下を走るなと注意するのは担任の役割、そんな感じなんだと思われます(あとは派閥やなんやのあれこれもあるのかもしれません)。

で、この西村大臣、個人的には今年の「顔」、と思っております。ちなみに西村大臣の政治能力や、コロナ対策の実績や評価というのはよくわからないし、何とも思っておりません。ましてや自民党内でのポジションや政治家としての思想も知りません(時間のある時、勉強します)。ただただ思うことは「この人、タフだなあ」ということ。

この方、3月6日にコロナ対策担当大臣に就任し、4月27日から8月8日まで休日返上で104日連続、記者会見を行っております。それも基本的には批判の的、表に出てくるのは彼だけということもあり毎日、毎日集中砲火。特定の層からの特定的な攻撃ではなく、1億3千万の目に晒されながらの全方位からのバッシングですからね、ちょっと指摘されただけで傷ついたり、あるいは糾弾してしまう繊細でナイーブな日本列島において、超人的なメンタルだと僕は思っています。6月だかに「最近、気が緩んでると思うのでここでしっかり気を引き締めて、感染拡大を止めよう」的なことを発言した際には「気が緩んでるだなんて、上から目線で偉そうに!!」と炎上してましたからね、なんでそれが燃えるん?、と個人的には不思議でなりませんが(むしろ視座が低すぎだろ)、とにかくどれだけの烈火に晒されようとも全くへばりません。すごいっす。

そんな西村大臣、就任100日目に会見(6月12日、感染自体はやや緩和ムードの時節)で記者からこう質問されています。

(問)西村大臣がコロナ担当になられたのは3月6日でした。そのスタートから見ると、今日はどういう日かという感じはありますか。今日は、実は100日目なのです。100日ということを考えると、私は1,000日分ぐらい働いたのではないかというか、この100日をどういうふうに御自身は思われるか。正直言って、ゴールデンウィークはありましたけれども、休めた日があったのか。東大時代、たしか昔、成績は7勝2敗だったと。やはりそういう体力が物を言ったと思うのか。この100日を振り返って、これからが大事なのだと思いますけれども、やはり節目だと思うので、どうお考えになるのか。予算も通ったし、その辺を伺えたらと思います。

それに対し、西村大臣。

(答)全然そんな100日を意識してきたわけではありませんので、今、御指摘を受けて初めて認識しましたけれども、あっという間の100日でした。

3月6日から、まずは新型インフルエンザ等対策特別措置法があって、それから今日のREVIC法まで3本の法律を担当して、質疑に対応しながら成立できたこと。それから、補正予算も1次、2次と2回の補正予算でGDPの4割にも及ぶ大きな予算。そして、この間に様々な、私自身は、とにかく基本的には毎日何らかの形で会見をしたり、ぶら下がりをしながら、政府が考えていること、あるいは取り組んでいること、国民の皆さんにお願いしたいことをとにかく発信しなければいけないという思いでやってまいりました。

もちろん、総理も節目節目で会見されますし、長官も毎日2回会見されていますので、そうしたことをいわば補強する形で、私の立場で必要なことをぜひ国民の皆さんに理解していただきたいということでやってまいりましたけれども。なかなか十分に伝わらなかったり、これは私の本当に不徳のいたすところでありますし、もっともっと言葉遣いも含めて対応しなければいけないと改めて感じていますけれども、他方で、いわば憎まれ役でもあります。私はとにかく発信してしゃべらなければいけませんので、怒られようとも、批判されようとも、やはり私は政府の考えていること、あるいは今後どういったことに気をつけなければいけないのか、何が起こるのか、どういった支援策があるのかといったことを含めて、これはもう怒られようとも、いわば憎まれ役としてしっかりと発信しなければいけないという気持ちを強く持ってきたところであります。

ボクシングの大学時代の成績は9勝2敗でありますけれども、本当にボクシングの経験でまさに心身共にタフにしてもらったと思っています。ですので、様々な御批判もいただきましたし、いろいろな御指摘、国会でも厳しい御指摘をいただいてきましたけれども、いわば打たれ強さが私の信条でありますので、この任にある限りは引き続きしっかりと皆さんに発信しながら、そしてまた、皆さんの切実な声をしっかりと受けとめながら、必要な対策、政策、あるいは丁寧な説明、これはSNSや、最近では、そんなにうまくないのですが英語で発信も増やしています。できる限り多くの人に理解していただけるように引き続き頑張っていきたいと考えています。


「いわば打たれ強さが私の信条であります」だなんてコロナ対策において全くの不毛であり、いかにも叩かれそうなワーディングだけども、幸い、こういうやりとりはほとんどメディアに取り上げられないし、僕自身は「関係ねー」と思いながらもなんだかほっこりしちゃいますね。この記者のことも個人的にはけっこう好きで、「批判や指摘についてご自身はどう考えているか?」という質問ではなく、「この100日で1,000日分くらい働いてるんじゃないか?」とちゃんと労いというか畏敬を交えつつの質問で、むしろ批判については西村大臣自らべらべらしゃべってますからね、「いやあ、ヒボーチューショーひどくてさ、俺、コロナ、たまたまぶん投げられただけなのにまいっちゃうよなあと思いつつ、俺が足らんところもあるからまあしょうがないっすよね、でも自分、大丈夫す、ボクシングやってたっすから、最後は気合と根性っす」と変換してみると、なんだかエモくさえある。

気合いや根性なんて現代においてまず嫌われる言葉だけども(西村大臣が言っているわけではないが)、今を時めく合理主義の方々もおそらくは一回りして薄々感づいてるはずで、残念ながら最終的には気合いと根性がモノを言う。合理化に至るまでにそもそも気合いが必要で、合理化を継続するためには結局、根性が必要。それなしでスムーズにするするっと行けちゃう人もいると思うけれど、どこかで刺されたり、つまづいたら、結局、気合と根性。そういうことを考えさせられた6月12日の記者会見、そして、そういうことを考える大晦日ダイヤモンドは砕けないのです。

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巷に溢れる情報のほとんどはテレビだけでなくネットも含めて、誰かしらの私利と、何かしらの私欲がまぶされ(僕もその一人だ)、仮に私利私欲はなくとも、弱みにつけこんだ脚本と脚色と、プライドと承認欲求全開の無理と背伸びが絡んだものであり(僕もその一人だ)、ヤラセでないものを見つける方が困難ななんともひどい状況だけども(ごめんなさい)、そういうものに惑わされず、流されず、


タフな感情を抱き、柔らかいエモを持ち、気合いで行動、根性で継続。


これに尽きる。流さず、流れず、流されず。


ところで、今さらですけど納豆って感染予防に効くんですかね?買い溜めたほうがいいかな?

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よいお年を。

貧窮&幸福問答歌-灯台もとは照らされない編-

2020年の〆として、

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という二つの記事を書きました。要は「エモく暮らしていこう」とそういうことを思ったわけです、そして、それがそのまま2020年の個人的総括です。皆様のエモーションに救われた一年となりました、心より御礼申し上げます。

思い返せば、この路地裏だけを考えても、あるいは世界的に見ても実に様々な「エモ」が錯綜した一年でした。感謝やリスペクトだけが飛び交えばこんなに素晴らしいことはないのだけど、残念ながらそう美しくはいかず、痛切なニュースな多かったのも事実です。けれど暗い側面に暗いスポットライトを照らしても暗くなるだけなので、大晦日ですし、ここは少し見方と気分を変えて参りましょう。今年は実に様々な「エモ」が錯綜した一年でした。そして、そのエモたちの多くは静かなニュースとしてひっそりと取り上げられました。灯台もとに明かりが届かないように、エモいニュースもあまり照らされない。

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僕の中の年間ベストグッドニュースはこちら、最高です。

 

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このニュースもなかなかエモかったですね。

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ウガンダの大統領は外出規制が出された国民に対し、「腕立て伏せをして運動しよう」と呼びかけました。

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こちらはロックダウンに際し、ロシア政府の国民への声明。「我々によくある"ああ、俺の知ったこっちゃないね”などとは、どうか考えないでください」。

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イギリスではマスク代わりに生きた蛇を巻いてた人もいるみたいですよ。

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日本で言えば、人生をリセットするために総理私邸に忍び込んだ方もいました。

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もうなんでもありですね。

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というわけで、実に様々な人がいて、実に様々なエモが錯綜し、こうした百花繚乱を目の前に新しい自分や感情に気付かされるというか、今までになかったエモを見つけるといいますか、とにかくある意味では新鮮な一年でもありました。

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そして、そんな中、皆様はこの方についてどのような印象をお持ちでしょうか?

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ダイヤモンドは砕けない編」に続く。


【秋葉原路地裏酔いどれ感情論年末特別号②】「つい感情的になってしまって、申し訳ございませんでした」

このままでは審査に落ちると思った。一度、決定されてしまえばそこからひっくり返すのはおそらく困難だろう。であればその前に粘るしかない。これがありなのかどうか、有効なのかどうかはわからないけれど、今日出した事業計画をイチから書き直すことにした。

自分の見立てが甘かったのは認めざるをえない。今日、松野さんに指摘されたこと、突っ込まれたことを埋めつつ、内容を明確化し、根拠をよりソリッドにした。朝までかかったが仕方がない。ここはJ×Jにとって大一番だ。

翌朝、日本政策金融公庫に電話をかけ、松野さんにつないでもらった。まず、昨日の自分の態度を詫びた。

「つい感情的になってしまって、申し訳ございませんでした」

「いえいえ」

「昨日の資料なのですが、自分も不足部分が多かったと反省しており、できれば再提出をお願いしたいのですが、お時間いただけないでしょうか?」

「なるほど…」

「お忙しいところご無理申し上げて、重ねて申し訳ございません…」

「資料はもうできているのでしょうか?」

「はい」

「では今日の14時から14時半でいかがでしょうか?」

「わかりました、伺います」


そして、14時。大一番が始まる。もう松野さんの無感情に怯えたりはしない。

 

「いや、実はね、ヤマモトさん、私、あのあと夜、ヤマモトさんのお店に行ってみたんですよ」

という思いがけない一言に不意を突かれた。

「いつもいつもこういうことしてるわけじゃないんですけどね、やっぱり、気になるじゃないですか、どんなお店なんだろうって。そこで歩いて行ってみたんですよ」

日本政策金融公庫とJ×Jは近くない。

「ヤマモトさんは立地が悪いとおっしゃるけど、私はそうは思わなかったですよ。周辺に大きい企業も多いし、十分に可能性あるんじゃないでしょうか。それになんかあったかい隠れ家的なお店だなと感じましたよ」

昨夜、その「なんかあったかい隠れ家的なお店」の厨房に立っていた店主は昨夜、すっかり青ざめていたわけだが…。

「ヤマモトさん、この資料、昨日あのあと作ったんですか?すごいですね。昨日、あのあと私も上司になんとか満額おろしてもらうよう掛け合っていますが、この資料があれば説得力、増しますよ」


その後、間もなくして審査が通ったという知らせが届いた。入金も極めてスピーディーだった。おそらく悪あがきはあってもなくても関係なかったであろう。この融資が速やかに実行されたからこそ、このあと繰り広げられる東京全体の狂騒曲の中で比較的、平静を保てたのだと思う。最も緊張感が増した4月においては日本政策金融公庫も松野さんも僕を絞り上げた時のような面談をする時間も余裕もなかっただろう。むしろもっとイージーに審査はおり、また融資額の増額も見込めたのかもしれない。

けれど、このエピソードにおいて、僕が言いたいのは融資がどうのの話ではなく、「感情」の話だ。僕は松野さんに「つい感情的になってしまって、申し訳ございませんでした」と言ったが、結局、最終的には「感情」でしかないように思える。人を生かすも殺すも、奮わすも沈めるのも感情だ。世界的に見て、新型コロナウイルスが多くの人を殺めているのは事実かもしれないが、では新型コロナウイルスが人と人を分断せしめ、人を陥れてるかと言うとそうではなく、人を分断(分断という言葉は少し仰々しいが)しているのはあくまで人であり、人を蔑んでいるのはあくまで人であり、人の感情だ。そして、人と人を繋ぎとめているのもまた感情だ。


あの日、オフィスからこの路地裏のお店に辿り着くまでに松野さんはどんなことを想いながら、ここまで歩いたのだろうか。そして、彼が眺めたJourney×Journeyは実際のところ、本当に「なんかあったかい隠れ家的なお店」だったのだろうか。


そんなことを想うと、結局、明日も頑張るか…、来年も頑張るか…と、堂々巡る。

 

 

 

【秋葉原路地裏酔いどれ感情論年末特別号①】「お引き取りください」

その「お引き取りください」はあまりにも冷たく、どこまでも無機質なように聞こえた。食い下がろうとしたが、その響きに余地はなく、僕は諦めてエレベーターに力なく吸い込まれた。松野さん(仮名)の形式的なお辞儀を虚ろに眺めたが、エレベーターは間もなく無慈悲に閉まった。考えてみれば、人生で初めて言われた言葉かもしれない。「お引き取りください」。


「終わったかもな」と思いながら、ふらふらとお店まで戻った。すっかり気力を削がれてしまった自分は予約も入ってなかったことをいいことに、夜の営業は見合わせようかとも考えた。が、同じタイミングでその日シフトに入っていたスタッフに「今日、これから友達が来るんですがいいですよね?」と聞かれ、それも改めた。正直、気が気じゃなかったけれど、お客さんが来ると言うのに突然、休業するわけにはいかない。

厨房に立ちながら、どうすればいいかを逡巡した。状況は極めてシビアであり、見通しは暗い。であれば、傷口が広がらないうちに見切りをつけるのも有効な選択肢なのかもしれない。そうも考えたが、その結論に至るに値する努力をしたかと自問すると答えは否だった。その結論はそれ相応の悪あがきをしてからにしようと思った。このままお引き取りするわけにはいかない。

2020年2月21日、日本政策金融公庫の所謂「コロナ融資」が始まった。この前にもあったはあったのだけど融資条件の中に「観光客激減による損失」や「旅館業」というワードが盛り込まれており、広く開放されているものではなかった。それが2月21日より門戸が広がった。J×Jは2月中旬に予約のキャンセルが始まっていた、この時点で完全に青ざめていた。このまま3月、4月もこれが続けばあっというまにキャッシュアウトだ。だから、なんの躊躇もなく(融資は借金が増えるということでもあるが)、この門戸開放に電光石火で飛びつき、2月26日の面談を取り付けた。

この融資の目的はコロナで経営が悪化した事業者が対象であり、その事業者の経営を助けるためのものなのだから、悪化状況の説明と収束後の返済能力だけ示せれば希望の満額とは言わずともそれなりの資金が融資されるものだと思っていた。しかし、担当者である松野さんの審査はとても厳しく、かなり執拗なものだった。松野さんはまず自分の経歴のチェックから入り、この部分にかなりの時間をつぎこんだ。7年前に勤めていた会社の社長のフルネームまで聞かれ、それをメモにとる始末。マジかよ…と僕は震撼した。経歴チェックでここまでやるのかよ、と。となると本題と肝心な部分、どれだけえぐられちゃうんだよ、と。そこまでの準備してないよ、ここで蹴られたら融資の話終わり?、終わっちゃったら終わっちゃうよ、え、え、マジ?、とこの時点ですでにすっかりコーナーに追い込まれてしまった。「ヤマモトさん、この事業計画ってコロナがすぐ収まることが前提の話だと思うんですけど、一部では半年から一年かかるって言われてますが、その点、どうお考えです?」と聞かれ、「いや、半年から一年かかったらほとんどの飲食店潰れちゃうでしょうよ、そんな前提には立てないわ」と僕も感情的になりながらも(実際は松野さんの言った通りになっているのだが、2月時点での松野さんのその仮定は感情的になるほど痛切だった)、その後、きっちり、みっちり絞られ、面談が終わるころにはすっかり疲れ果てていた。

最後の力を振り絞って、「松野さん、これ、通りますかね…?」と恐る恐る聞いてみた。


「検討します」


うわ、温度ねー、っていうか、血、通ってねー。


「でもこの融資って僕らみたいな事業主を支援するためのものですよね?」

「はい、ですので検討します」。

「あんたら、民間じゃないでしょ?これで通らなかったら、この融資制度一体何なんだよ。」

とまでは言ってないが、そのようなことをつい言ってしまったことを覚えている。が、その焦りと苛立ちに松野さんは特にこれといった感情を見せないまま、

 

「お引き取りください」


と、言った。


そして同日の夜、閉店後、僕の悪あがきが始まる。



 

満福袋をお買い上げいただいた皆様へ

満福袋の発送に伴い、中身についての説明や詳細をこのブログ内でご紹介させていただきます。ちょっとボリュームが出てしまうかもしれません、ご興味、ご関心がある部分だけでもご確認いただけますと幸いです。

①自家製ベーグル

こちらは東京ロマンティックベーカリーの定番商品です。シンプルゆえ、いろんな楽しみ方ができるのがポイントだと思ってます。でも一番のおススメは同梱の燻製ジャムシリーズと合わせていただく食べ方です!

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②燻製帆立パン

いずみと燻製とコラボした燻製帆立パン。これの焼き立てを食べた時は卒倒するかと思いました。マジで美味いです。

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そして、②からのスピンオフ商品、③燻製ジャムシリーズ。コロナ禍において生まれた期待の超新星。こちらは僕の友人が紹介してくれたYoutubeを使わせていただきます。

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④自家製燻製の盛り合わせ

緊急事態宣言中に「私、燻製、やってもいいですか?」と提案してくれたスタッフいずみの珠玉の一品。今回の盛り合わせのポイントはカマンベールチーズ。チーズフォンデュ風にもできるし、最高の炊き込みご飯も作れます。

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⑤J×Jのオリジナル調味料5点セット

こちらは普段からお店で常備しているオリジナルスパイシーソースとパンチングビネガー、そして、今後PUSHしていくパクジャム、さらに弱激辛ジャムのラインナップになってます。弱激辛と言ってもしっかり辛いですが、少量しか使わなければ大丈夫。刺激もたまにもいいものです。鍋に少し混ぜたり、焼鳥や唐揚げに少しつけたり、インスタントラーメンに少し垂らしたり、使い方は色々あります!

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⑥世界一周牛筋煮込み2セット

そして、ジャーニージャーニー初の冠メニュー「ジャニ丼」(牛すじのアジアン煮込み丼)。僕の中ではジャニ丼は弱激辛ジャムと掛け合わせることによって昇華されると思っているので是非お試しください☆

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そして、⑥からのスピンオフ、⑦「ジャニラム丼」。どうしてもラムはダメ、という方以外はラムの新しい可能性を感じてもらえるはず。

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続いては東京ロマンティックベーカリーでチャパティと一緒に販売しているインドカレーシリーズ。王道の⑧手作りチキンカレーとゆかさんが作ったナチュラル志向の⑨ベジタブルカレーです。

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そして、最後は⑩世界のソーセージ盛り合わせです。一番太いのがブラジルのリングイッサ、一番長いのはフランスのシポラタです。この2つは生のソーセージを冷凍しているので加熱の際は中までちゃんと火が入っているかよく確認するお願いします。リングイッサは直接焼くのではなく、一度レンジでチンしてからのほうがいいかもしれません。

というわけで、以上が満福袋の中身のイメージと活用法になりますが、仕込みの関係で多少内容が変わってしまうかもしれないので、あらかじめご了承くださいませ。今回は冷凍発送になりますので、冷凍に適応したメニューでならないという制限はあるものの、2020年の崖っぷちジャーニージャーニーのダイジェスト版と言える構成になっております。年末年始、合間合間で冒険的な味をお楽しみいただければ幸いでございます。

2021年もジャーニージャーニーをどうぞよろしくお願い致します。






【Q&A】満福袋についてよく聞かれること

先週よりJ×Jの2020年の集大成「満福袋」の予約受付を実施しております。ありがたいことにご予約を少しずついただいております。厚く厚く御礼申し上げます!!

発送は12月28日〜30日にかけて冷凍発送にて行う予定ですが、年始発送も同時に承っております。

年始は1月4日〜8日までの間に実施します。最終便が8日発送となりますので、お正月メニューにちょっと飽きちゃったな、というタイミングでの発送も可能です。注文画面においては到着希望日時を指定できる欄はありませんので、ご要望に関しては個人的な連絡、またはお店への電話などでお伝えいただければ幸いです。

と言った具合でこの一週間で質問されたこと、よく聞かれたことを下記にてQ&Aのような形でお答えしていこうと思います。


①年始の発送は可能か?その場合、注文はどうすればいいか?

上述のように年始も発送可能です!1月8日まではメニューページを登録しておきますのでご都合のよいタイミングでご決済いただければと存じます。ただもしご注文を希望される方はその旨、事前にお伝えいただけますと幸いです。

②クレジットカードは使えるか?

ご利用いただけます!決済画面においてPaypalなどの並び、Shop payという見慣れない決済法が表示されてると思いますが、当サイトの大元であるShopifyという会社の決済サービスであり登録を進めていく過程でVisaにしますか?、JCBにしますか?という欄が出てくるので通常のクレカ決済のようにお進みいただければと存じます。もしご不明点などあれば銀行振り込みも対応できますのでお気軽にご相談くださいませ。

③冷蔵庫、冷凍庫のスペースが足りないかも

この点に関しては各ご家庭で大きさやスペースもまちまちだと思うので、何とも言えない部分がありますが、今回の満腹袋で最も大きいのはベーグルと帆立パンであり、大体直径10cm前後のものです。あとはパウチした真空パックなどや小瓶になりますので、スペースを圧迫することはそれほどないかと存じます。

④苦手なものがある場合、品目を変更することはできるか?

できますのでお気軽にご相談くださいませ。前提として、できるだけ自店ならではのもの、他と差別化できるもの、を中心に構成しているので、クセのあるもの、パンチが効いてるもののウェイトを強めている傾向があります。「せっかくの機会なので、是非刺激をお楽しみくださいませ」という想いもありますが、と言っても、クセもパンチも個人の主観に基づくものであり、また苦手なものは苦手、嫌いなものは嫌いです。パクチーや辛味など回避したいものがある場合はご遠慮なく、お申し付けください。


以上4点がよく聞かれる項目です。他にもご不明点などあるかと思いますので、どうぞお気軽にご質問くださいませ!





2020年の総決算「満福袋(マンプクブクロ)」の予約受付開始

例年の12月感を全然味わえないまま、師走も半ばを迎えております。残念ながら全然、走ってない、全然走れてない。少なくとも年内は今のムードが好転することなく、このまま薄暗く暮れていくことになるでしょう、2020年。

最後にもうひとっ走りして、年末感、年始感を味わいたい、味わっていただきたいということで考えたのが「満福袋」です。マンプクブクロと読みます。もう少し細かく言うとマンプク・ブクロではなく、マン・プクブクロですが、勿論、「満腹」と「福袋」を掛けています。「腹」よりも「福」を強調したいということでプクブクロです。福袋と言えば、年始に販売するものですが、年末でお忙しいであろうお母さん、おばあちゃんの味方になればと思い、近日中に販売を開始し、12月28日〜30日の間に発送いたします(第2弾として年始にも発送したいと考えております)。

中身を一言で言えば、「2020年にJ×Jが取り組んだことをぎゅっと凝縮したもの」となります。東京ロマンティックベーカリーのパンやカレー、いずみの燻製セット、燻製ジャムや緊急事態宣言中に開発した創作調味料の数々、健康で文化的な最低限度の激辛飲食店で販売中のジャニ丼の牛筋煮込みなど合計12,000円相当を7,000円(税抜)で販売いたします。送料は無料です。ダンボールに詰めて冷凍で発送致します。年末年始は冷蔵庫も冷凍庫もスペースがあまりないかもしれませんが、パンに関してはベーグルと燻製パンのみを予定しており、あとはあまりかさばるものはございませんので、そのあたりはご安心いただければと存じます(中身の詳細イメージについては下記サイトの商品ページをご確認いただければ幸いです)。配送日時のご希望やご不明点などございましたら、お問い合わせページにてお気軽にご相談くださいませ。


決済に関しましては、健康で文化的な最低限度の激辛飲食店のサイトにて承ります(12月16日以降)。

journeyxjourney-spicyround.myshopify.com


こちらのトップページの商品リストに「満福袋」というメニュー名で登録してありますので、そこからお進みいただけばと存じます。「Shopify Payment」や「Shop pay」など見慣れない決済が表示されるかもしれませんが、いずれもShopify(サイトを作っている会社)系列であり、VisaやJCBにも対応しております。


コロナにいいように翻弄された一年、くたくたのぼろぼろではありますが、皆様の一年の〆と始まりが満福になりますよう、最後のラストスパート頑張りたいと思います。

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J×Jの2020年の総決算「満福袋」をどうぞよろしくお願い致します。