Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【インターネットに弱い飲食店店主のShopifyへの冒険②】Shopifyってなんて読むかご存知でしょうか?②

前回記事のサブタイトルを「Shopifyってなんて読むかご存知でしょうか?」と書いてみたところ、
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Shopify Japanさんのツイッターアカウント名が気付かぬうちにこうなってました。

twitter.com

おそらく僕だけでなく多く方がショッピファイなのかショピファイなのか、スポティファイなのかわからなかったのでしょう。そしてショッピファイと読むショッピファイさんが今日付けのプレスリリースで下記の発表をしております。

prtimes.jp

小規模の個人事業主としてはとてもわくわくする内容です。個人がメルカリなどを通してネット販売するのが当たり前なのであれば事業主やフリーランス、そしてお店がShopifyを持っていることが当然の時代が来るのは十分に考えらえれ、むしろ無いことの方が不自然、そんな通念が起こりうるのではないかと思います。

そして、時同じくして、昨日の「中田敦彦Youtube大学」にて、「2025年を制覇する最先端企業11社」の中の一角としてShopifyが挙げられていました(もっと細かく言えば、あっちゃんのこの動画は『2025年を制覇する破壊的企業/著者:山本康正』という本に基づいています)。

www.youtube.com


この動画や他の経済系の記事の中で取り上げているのは、

toyokeizai.net


こういった観点に基づいています。簡単に言えば、ECはAmazon楽天といった巨大ショッピングモールへの出店を前提としていたけれど、「そんことなくね?」という提案と可能性を示しているのがShopifyです(ヴィトンやナイキがAmazonを撤退していることを引き合いに)。あっちゃんの動画にしろ、東洋経済にしろ、これは巨視的な潮流をアテンションしているし、Shopifyさん自体もその流れを推し進めていくことになるとは思いますが、率直に言って秋葉原の路地裏の飲食店からすればスケールが大きすぎる話であります。そういったマクロな観点からのマクロな流れに関してはメディアやインフルエンサーが担うことになると思うのだけど、僕としてはあくまで「秋葉原の路地裏の飲食店にとってのShopify」という超ミクロな観点に基づいて、超ミクロに深めていこうと思っています。


そして、路地裏の素人がShopifyと向き合ってるからこそ価値になる、とも思っています。



【秋葉原路地裏ほろ酔い経営論】心を抓む闘い②

前回記事で書いた「心を抓む闘い①」は実店舗内での取り組みなので、外的要因に影響される部分が多い。仮にちょっと持ち直したとしても、時短要請や行動制限が課されるとすぐに揺るがされることになってしまう。

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となると、やはりオンライン領域をどれだけ広げるか、に立ち返る。自店においては立地や元々の営業スタンスも相まってコロナとの相性の悪さは抜群だったので、せこせこと仕込んできたオンライン領域を今まさに解放していきたいと思っています。

まずはUBER


UBERは現在2つのアカウントを運営していて、1つはゴーストレストラン。ゴーストレストランという形態かつオペレーションがしっかり作り込まれているので、仕込みの必要もなく、注文と同時にオートマティックに作ればいいだけなので難しいことありません。ただその分、利益率は高くないです。ただ、売れてます。切なくなるぐらい人気です、笑。

もう一つはジャニ丼(オリジナル牛筋煮込み丼)を提供している「ジャニジャニ」。

www.ubereats.com

他にもっとわかりやすいカオマンガイやガパオでもいいのかもしれないけれど、タイ料理専門店とかち合いたくないし、オペレーションの兼ね合いもあって、ウーバーではオリジナル性が強い商品を特化して打ち出していきたい。さらにこれに「激辛」の要素を加えている(店名で激辛を謳っている)ので自ら間口を狭めている感がある。ゴーストレストランのメニューに比べて絶望的な数しか売れないけども、実店舗での激辛展開と連動させながら、慌てずにじっくり育てていきたい。

けれども、それ以外にもウーバーはもっと活用できるのではないかと思っていて、例えば東京ロマンティックベーカリーと絡めて、焼き立てのパンを直送したり、そういうことができたら面白いし、より美味しいパンを届けられるなと(リーチできる範囲は限定されてしまうけども)。

そしてもう一つはオンライン事業の核となるEC、つまりShopify。東京ロマンティックベーカリー健康で文化的な最低限度の激辛飲食店をベースにオンライン販売を実際に展開しながら、「飲食店×Shopify」の可能性についてアプローチしていきたい。

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迷いと憂い多き12月だけども、

①貸切
②激辛

というオフラインと、

Uber
④Shopify

というオンラインをうまく最適化しながら難局をうまくかわして、年明けには次の段階に行けるように頑張りたい。

医療崩壊を防ぎ、重症者を減らしたいのであれば、それに集中した施策を一点突破で大々的に講じればいいんじゃないかと思うし、全体的に中途半端というか大した意義も意味性もなく過保護なのではないかと感じるけれど、

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そんなわけでJ×Jの本店、2号店ともに11月28日(土)より12月18日(金)まで22時までの時短営業となりますのでご了承の程、よろしくお願い致します。


串の先でケガをしないよう注意しよう。



【秋葉原路地裏ほろ酔い経営論】心を抓む闘い①

現在、11月の三連休の最終日11月23日、の日付がまわり、24日の午前1時半です。本来であれば来たる12月の繁忙期の準備に備えて大忙しのところですが、今年は別の意味で大忙しです。11月中旬からのいわゆるの第三波(個人的には第3波というか第1波の延長なんじゃないかと思っていますが)の波紋や、Gotoキャンペーンの混迷を受けて、予定とタスクが多いに乱れているのです。どうであれ毅然と営業されているお店もあるかと思いますが(羨ましいし、尊敬する)、僕のようにバタバタされているお店も多いのではないかと思います。

そんな中、年内の営業スケジュールやスタンスがだんだん固まってきたので、お知らせさせていただきます(もっとも2週間後と今とでは全然違うように、2週間後にどうなっているか怪しいものですが、苦)。
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と、ここまで書いてから早3日が経過がしました。この3日のうちに東京23区では3度目の時短が発表されました(今回はないと思ったけどなー)。J×Jも要請に従い、閉店時間は22時となりますが基本的な姿勢に変わりません。

【実店舗営業について】

12月は基本、両店開けての営業になりますが、土日はイレギュラーな営業となる見込みです。今までのスタンスを踏襲しますが、2号店は5名様からさらに緩め、4名様からの貸切を承ることにいたしました。

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貸切の推奨は健全な営業を保つための施策であるとともに、感染予防の観点に基づくものでもあります。ご不便をかけることもあるかもしれませんが、ご理解の程何卒よろしくお願い致します。

貸切が一気通貫の取り組みであるのに対して、実店舗営業において今後育てていきたいと思っているのは「激辛」です。去年からずっとそうしたいと考えていたのだけど、ずっと宙に浮いたままで形にできなかったのですが、改めてJ×Jの一つのコンテンツとして打ち立てていきたいと考えています。

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スタッフにはそれぞれにテーマを持って取り組んでもらっているのですが、主体者として主題としていきたいと思っているのはこの2つです。「貸切」と「激辛」。勿論、この2つのキーワードを通して即時的な来店を促したいという気持ちもあるけれど、それ以上に今のこのうちに「秋葉原 貸切」や「秋葉原 激辛」の検索でSEOを高められるようにしたいという気持ちが強いです。

この10か月、あれこれとちょこまかと色々やってきたけれど、もぐらたたきのように芽を潰され、または自分の力量不足で自ら芽を潰し、を繰り返して来たけれど、幸い、根っこごと持っていかれるということはない。しんどいなあ、と思うことはあるし、最近少し多くなってきたけれど、明確なテーマを持ち、明確に行動できていることは肉体的にも、メンタル的にも幸いなことだと切実に感じる。

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しぶとくいきますよ、俺は。






【インターネットに弱い飲食店店主のShopifyへの冒険①】Shopifyってなんて読むかご存知でしょうか?

Shopifyってなんて読むかご存知でしょうか?

答えはショッピファイです。聞いたことありますでしょうか?僕はここ数か月、一日に何度も呪文のように唱えてました、「ショピファイ、ショピファイ」と。正しくは「ショッピファイ」です。

読み方は間違っていたと言えど、コロナが始まって間もなくこの言葉と出会い、それからというものすっかりショッピファイに夢中になってしまいました。ショッピファイは飲食店の救世主になりうるのではないか、と。少なくとも、当店ジャーニー×ジャーニーはショッピファイの可能性を強く感じました。

ではショッピファイとは何かと言いますと、ずばり「ECプラットフォーム」です(ショッピファイさん自身は「世界最大級のマルチチャネルコマースプラットフォーム」と呼んでいます)。と言うと、この時点で離脱されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。でもご安心くださいませ、僕も「ECプラットフォーム」が何かはよくわかっておりません。それどころか、インターネット全般、さっぱりです。けれど、業者さんの制作協力もあり、念願のECサイトを一つ持つことができました。

tokyoromanticbakery.com


しかも短期間のうちに2つもです。

journeyxjourney-spicyround.myshopify.com


なので、僕からすればショッピファイは「簡単にいい感じのネットショップを運営できるサイト」です(ショッピファイさんに怒られてしまうかもしれませんが…)。けれど、ここで強調したいのは「いい感じの」という部分と、「ネットショップを作れる」ではなく「運営できる」という部分です。

このブログシリーズ『インターネットに弱い飲食店店主のShopifyの冒険』ではこの「いい感じ」と「運営できる」という二つのポイントを掘り下げていきたいと思っております。ゆっくり、易しく、深く、進めていきます。しかし、ゆっくりしてる場合じゃないよ!、もうサクッと始めちゃおう!、という方は下記のリンクから飛び込んでみてください。多分、皆様の想像以上にシンプルです。コロナの収束が見えない中、Shopifyは飲食店にとって有効かつ有意義なツールになるはずです。

www.shopify.jp




【秋葉原・貸切・少人数貸切・個室】4名様から貸切承ります。

11月中旬からの再びの感染拡大傾向を受け、期待されていた12月の繁忙期、忘年会シーズンも厳しいものになるだろうと予測されます。お店の運営を継続しつつ、感染リスクを最小限に抑えるためにJ×Jでは「本店の10名様貸切、2号店の5名様貸切」を推奨しておりましたが、

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先般の状況を鑑みて、2号店では11月24日より期限未定で4名様からの貸切を承ることといたします。

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通常は12名様規模のスペースになりますので、ディスタンスは十分にとれます。

11月23日現在、世界一周プレミアムコースのご利用時に4名様からの貸切を承りますが、今後、コースのバリエーションを増やし、様々なリクエストにお応えできるようにいたします。ご要望やリクエストがありましたら、ご予約時にお気軽にご相談くださいませ。

・換気自由

・ソーシャルディスタンス自由

・仲間内だけの個室空間

・非接触の検温器、非接触のアルコール消毒設置

・各テーブルに消毒席設置

・スタッフとの距離の確保

・お1人様につき1つのトング使用


となりますので、気軽な個室居酒屋感覚でおつくろぎいただけましたら幸いです。本店につきましては「10名様以上、2時間飲み放題4,000円の世界半周エコノミーコースご利用時に貸切可能」を引き続き継続してまいります。ご来店、お問い合わせを心よりお待ち申し上げます。

【弱激辛ジャムとジャニ丼のオンライン販売開始】J×Jのオンラインショップ2号店OPEN

J×Jはこの度、東京ロマンティックベーカリーに続き、2店舗目のオンラインストアをオープン致します。お店の名前は『健康で文化的な最低限度の激辛飲食店』です。

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「激辛」や後述する「弱激辛」をテーマとする激辛アイテムを販売するオンラインストアですが、現状、アイテム数は少なく、今後もそれほど拡大しない方向です。主力商品は『健康で文化的な最低限度の激辛ジャム』という激辛調味料であり、お店で手作りしております。特徴としては秋葉原の多国籍料理店、世界一周居酒屋らしく、世界中の激辛唐辛子を独自にブレンド・配合していることです。一つの唐辛子にテイストが特化しないため、基本的にどの料理にも相性がよいと考えております。

もう一つの特徴は「健康で文化的な最低限度の激辛」であることです。

僕も激辛好きではありますが、昨今の激辛シーンにある種の憂いを感じております。本来、激辛とは健康的で、文化的でなければならず、激辛は楽しく、美味しいものなのです。このあたりの憂国論についてはサイト内のブログに書いておりますので、詳しくはこちらをご参照いただければと思います。

journeyxjourney-spicyround.myshopify.com
というわけで、近頃の激辛のインフレーションや暴走とは一線を画し、激辛を健康的かつ文化的に楽しもうということをコンセプトにしているため、商品名を「健康で文化的な最低限度の激辛ジャム」としました。激辛の少し手前を意識していることにより、別名は「弱激辛ジャム」です。つまり、

「健康で文化的な最低限度の激辛ジャム」=「弱激辛ジャム」

です。

今後、上記サイトを通じて、ジャムのみならず、「弱激辛」の世界を表現、追求していこうと思っておりますので、激辛好きの方も、またそうでない方も道中をお楽しみいたただければ幸いです。


J×J、営業停止の危機③-休業した場合の補償関連について-

例えば、スタッフBが陽性だったが、店主Aや他スタッフC、Dは濃厚接触者ではないと判断されたケースを考える。この場合、営業継続自体は問題ないが、仮にAが「やっぱりちょっと心配だからクローズしよう」と判断したならば、Aは休業を命じたCやDの雇用維持のために雇用調整助成金厚生労働省に申請できることになる。だが、陽性が判明したBにこれを適用することはできない。Bが働けないのは雇用主のAの意思に基づくものではないからだ(雇用調整助成金は雇用主Aの意思に基づく)。仮にBが陰性だった場合も同様である。

そして、雇用主AにスタッフBへの給与(休業手当)の支払い義務はない。これに関しても自宅待機を通達しているのは保健所であり、「使用者(店主A)の責に帰すべき事由による休業」ではないので休業手当の支給対象にはならないという判断だ。

ではコロナに感染してしまったスタッフBは何によって守られるかというと、これは社会保険になる。被用者保険に加入していれば、各保険者から傷病手当金が支給される。具体的には療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12ヶ月の平均標準報酬日額の3分の2。つまり2週間の自宅待機により、土日以外の10日が勤務予定だった場合、そのうちの3日を除いた7日分、仮に日割りした一日の給料が15,000円だったとしたら、その3分の2である1万×7日=7万が傷病手当となる。

スタッフCやDにおいても濃厚接触者とされた場合同様だが、逆に言うと、濃厚接触者と判断されないかぎり、PCRは自費で受けなければならない。もし仮に「濃厚接触者ではなかったけどPCRは受けておきたい」とCやDが思うのであれば、症状があった場合、受診したクリニックによっては無料で検査してくれるパターンもあるみたいだが、このあたりはグレーゾーンなので何とも言えない。なお、自発的にPCRを受け、陰性だった場合は行動制限は課されない。行動制限が発生するのは保健所の指導による検査を受けた場合のみ、だ。

最後に、店主Aはどうか。店主Aに社会保険による傷病手当は発生しない。当然、雇用調整助成金も関係ない。事業主を守るのは事業主が加入している保険のみとなる。もしくは火災保険などお店が入っている保険が感染症についてカバーしていれば営業補償の対象となる可能性もあるが、小規模の個人事業主がそこまで網羅しているとは考えにくいので保険を改めて見直してもいいかもしれない。東京海上と損保ジャパンでは下記のような商品も販売している。

www.jiji.com


本人がいくら気にしてしても、スタッフの感染予防意識がいくら高かったとしてもリスクをゼロにすることは難しいと考えるのが妥当だろう。お店の営業を継続できるかという側面で言えば、そのリスクとは感染の回避、というよりもむしろ、濃厚接触者として判断されること、なのだ。一般的な感染予防は徹底できたとしても、これを切り抜けるのは多分、不可能に近い。だとすれば、いつそうなっても大丈夫なような体制を作るほかなく、お店にできることは仮に店内の中で濃厚接触の該当者が出たとしても、その波及ができるだけ広がらないような予防策を打つことに尽きる。2週間の自宅待機及びそれに伴う半ば強制的な休業で経営が逼迫すること自体が問題だ、と言われればそれまでだけども、多くの個人経営にとってそれはとてもクリティカルなことだと思う。休業後、すぐに元通りの客足が戻ればいいけれど、おそらくそれもまた容易ではない。それに別件で店内の誰かに濃厚接触の疑いが持たれれば、また同じことが繰り返される。

繰り返すようにJ×Jは結果的に何事もなかったわけだけども、今回の件を通して、自分たちがいかに薄氷の上を立たされているのかを思い知らされた。おそらく、どこもかしこも薄氷だらけではなかろうか。



J×J、営業停止の危機②-濃厚接触者と判定された時点でお店は事実上、休業-

では改めて「濃厚接触者」とは何か。

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要約すると、「1m程度の距離で15分以上の接触があった場合」となるが、明確な定義付けを避けているような印象を受ける。そもそも、厚生労働省のHPの中でこの上記リンクを見つけるだけで苦労した。

なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況をお伺いして判断します。濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、感染した方と接触した後14日間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。

前回記事の弁当屋のケースの場合、店主A、他スタッフC、Dの濃厚接触者であるかの判断は店の運営にそのまま直結する。店にとってコロナそのものよりもある意味致死性の高い判断が「保健所の指示」に委ねられていることになるが、では保健所による濃厚接触者かどうかの判断が何によって決定されるかと言うと、おそらくは陽性者Aからのヒアリングだろう。これはこれでとても曖昧に感じる。

上記の厚生労働省の引用の最後には「不要不急の外出は控えてください」とあるが、これもふわっとしてるなあという印象は否めない。濃厚接触者と判断されたA、C、Dが全員陰性だった場合(かつ無症状)においては、保健所は2週間の外出禁止を通知するけれども、厚生省は「不要不急の外出は控えてください」とある。お店の存続がかかった営業を不要不急とするか、そうでないかは誰が判断するのだろう。厚生労働省は公衆衛生とともに労働環境の整備を推進する省庁であり、解雇や失業、倒産や廃業の回避に努めるが、その管轄下にある保健所の務めは感染予防の一点であり、解雇や失業、倒産や廃業は知るところではない。弁当屋の命運は果たして誰が、何が握っているのだろうか。その営業判断は「陰性であり、無症状である元気いっぱいな店主A」なのだろうけど、本当にそうだろうか。

仮に陰性かつ無症状である元気いっぱいの店主Aが大赤字、ひいては廃業覚悟でお店を休業したとする。その場合、スタッフB、C、Dへの給与の支払いなど、そのあたりはどうなるのだろうか。次回のブログ記事ではそれについて触れてみようと思う。


J×J、営業停止の危機①-個人経営のお店でスタッフに陽性者が出た場合の対処-

「スタッフに陽性者が出た場合の対処」というタイトルにしましたが、実際に陽性者は出ておりません。ので、現実に、現実的な対処は特にしてないですし、そうなる前に事態を回避した、たまたま回避できたというのが実のところです。

しかしながら、営業停止の危機だったのは事実です。アメリカやヨーロッパのように一日に何万人の感染者が出れば感覚もいよいよ麻痺するかもしれませんが、日本においてはまだまだ「特別」なことです。マスコミが煽りすぎだ、インフルエンザと何が違うんだ、ていうかマジなところ、マジでただの風邪なんじゃないだろうか、と唱えたところで、どうにもならないのが実情でしょう。高齢者や基礎疾患の方への感染リスクを全集中で防いで、あとは全集中で日常を日常化する、というのが僕の思うところだけど、残念ながらどうにもならない。

例えば、家の近所のコンビニのスタッフがコロナに感染し、それが公表されたとする。その100メートル先に別のコンビニがある。となると、仮に他のスタッフの陰性判明と消毒が徹底されたとしても、大体の人は近所のコンビニを通り過ぎ、100メートル先のコンビニまで歩くでしょう。そして、大体の人がそういう選択肢を取れば、そのコンビニの経営は瞬く間に窮地に立たされることになる。今回のブログ記事は実際に感染したスタッフの話ではなく、「自分のお店(小規模個人経営)のスタッフがコロナに感染したら」という仮定法未来の話になります。

本来であればJ×Jで起こったことをそのまま記述したいところですが、いかんせんナイーブかつデリケートな話です(個人的にもはやそうは思わないけれど)。店側の事情もさることながら、そのまま書くとあらぬ誤解を孕んだり、その周辺の方々にも話が波及してしまうので、細部をデフォルメしながら本質だけをお知らせしていきたいと思います。飲食店、美容室、エステ、ネイル、アパレルなど全ての小規模リアルビジネスに該当することになると思います。

上記、コンビニはフランチャイズであれなんであれ、基本的に巨大な資本が背後にあり、現実的ではないので、仮にこれを家族経営の弁当屋に置き換えます。自分(仮名A)が弁当屋を経営して、その中のスタッフBから陽性反応が出た、とする。もしスタッフが来店客から感染した場合、これは勤務中の出来事になるので労災(またはそれに準ずる保険)の対象になりえます。そうではなく、勤務外の休日、プライベートで感染した場合、どうか。その「プライベート」というのも一言で括るのは難しい。店(会社)として注意喚起しているのにも関わらず、クラブやキャバクラではしゃいで感染する場合と、冠婚葬祭など避けがたい状況での感染とは心象がまるで違う。けれどもこうしたケースにおいて、当然、心象は関係ない。一般的には陽性者はただの陽性者として認識されるでしょう、経路と理由がどうであれ。

感染経路はともかく、とにかく弁当屋のスタッフBは陽性者となった。となれば、当然Bは一定期間の隔離を余儀なくされる。そして、Bと一緒に働いていた弁当屋の店主A、他スタッフのCやDが濃厚接触者として認定されれば、A、C、DもPCRを受けることを義務付けられる。A、C、Dも陽性となった場合、それはいわゆるのクラスターであり、全員隔離されることとなり、重ねて当然、弁当屋を営業することはできなくなる。

では、Bは陽性だったが、濃厚接触者であるA、C、Dが陰性だった場合どうか。陰性であれば営業できそうな気もするが実際はそうではない。「濃厚接触者として認定され、保健所の指導に基づき、PCRを受けた場合、陽性であれ、陰性であれ2週間、外出禁止となる」。実際のところ、各自治体の保健所によって通達内容は多少変わるらしいけれど、調べたところ、東京23区において基本的には上記の通りです。となると営業の継続可否という側面で見ればある意味、陽性であれ、陰性であれ関係ないということになる。濃厚接触者とされた時点で行動は制限される(少なくともそう通達される)。

しかしながら、ここに1つの疑問が生じる。一つ目は「陰性と判明した濃厚接触者は本当に2週間も自宅待機しているのだろうか」だ。11月第2週、東京では毎日のように感染者が300人を超えている。1人につき、仮に平均して20人の濃厚接触者がいた場合、300×20人=6,000人が2週間の自宅待機を命じられていることになる。というか実際に東京都の検査数は平日であれば大体ちょうど6,000件、陽性率は5%程度なので陽性者は300人、逆に言えば陰性だった5,700人は陰性であるにも関わらず、自宅待機を課されている。東京だけで日々、5,700人。陰性においても潜伏が考えられるため、致し方ないけれど、わりとえぐい。J×Jの従業員数で言えば2,850店舗分となる。

そして、上記弁当屋のケースにおいて、仮にA〜Dの4人で店をまわしていたとしたら、陽性だろうが陰性だろうが全員2週間待機となり、事実上、店は休業を余儀なくされる。他にEやFがいればとりあえず開けることはできるだろうが、実際にそんなことありうるだろうか。EやFが自分たちだけで店をまわせるほどの人材であればともかく、その家族経営の小規模なお弁当屋さんでその想像は難しい。つまり、お店の運営だけで考えれば、陽性者がいるかどうかよりも、濃厚接触者がいるかどうかでお店を開けられるか、閉じざるをえないかの命運が決定される、ということになる。


では改めて「濃厚接触者」とは何か。

 

飲食店側から見たGotoeatの注意点と活用方法②

お店選びの際、グルメサイトを参考にする方の多くはやはり「食べログ」を活用するでしょう。となると、必然的に食べログ経由でのGotoeatの利用が高まります。1名様につき1000PというGotoeatでの還元ポイントの金額分はどの媒体も変わらないので、それは変わりませんが、食べログ自体が付与するポイントは異なります。ネット予約時において食べログはTポイントを付与しています。

Tポイントの付与はパソコンやスマホなどwebからの場合、1名につき50P、食べログのアプリからの場合、100Pだそうです。つまりGoto期間中に食べログアプリを通じて、10名で予約した場合、11,000ポイントつくことになり、そのうちの10,000ポイントは食べログ経由で飲食店で消費、残りの1000Pは通常のTポイントとしてファミリーマートやウェルシアで利用することが可能です。

しかし、Tポイントはそんなに使い道ないなあという人も普通にいると思います。そこでぐるなびはどうかと言うと、通常分は楽天ポイントとして1名様につき、100ポイント還元されるようです(ぐるなび会員IDと楽天IDを連携させ、登録・設定する必要あり)。普段、ぐるなびを見ない方も楽天ポイントが貯まるのであればネット予約はぐるなび経由で、と考える方は少ないないのではと思います。

最後にホットペッパーグルメについてですが、こちらは通常分として予約人数×50PのPontaポイントが付与されます。Pontaポイントはローソン、エネオス、ケンタッキー、じゃらんなどで使えます。なお現在、ホットペッパーグルメではポイントアップキャンペーンを実施しており、ディナーにおいて3,000円以上のコースをご利用の場合、通常の50Pに加えてさらに450Pが還元されるとのことです(11月末までの予約及び来店に限る)。つまり、11月中にホットペッパー経由で10名の予約をすると、Gotoと合わせて15,000円相当が予約者/幹事様に付与されることになります。これは破壊力あるなあとお店側も思っちゃいます。5名でも7,500円です。すご。

突き詰めていくと制度上、色々問題あるなあと思うのですが、活用するのであれば活用しない手はないし、お店側としてもご活用されるのであれば、できるだけユーザーにとって価値のあるもの、有意義なものに最適化をご提案したいと思います。今後、J×Jでは今回取り上げた食べログぐるなびホットペッパーグルメではネット予約を12月に向けて開放する予定で、本店は10名様、2号店は5名様より貸切可能で、個室の感覚でご飲食をお楽しみいただけます。お問い合わせ心よりお待ち申し上げます。