結局、左官はハヤカワ自身が仕上げた。前の職場が社長と二人の二人三脚だったこともあってデザインオフィスでありながら、現場に出ることが多く、職人さんたちに混ざって自ら体を動かし施工に参加していたことあって、各工程全般に精通しているところがハヤカワの強みだ。
ここから④防水工事へと移行する。言葉のとおり、水の侵入を防ぐための工事だが、厨房など内部から客席への浸水を防ぐとともに、外部からの浸水を防ぐ。
そして、その防水を守るための措置として、保護モルタル(コンクリート)を薄く被せる。
この上に、実際の厨房レイアウトの縮尺を取っていく。
次に、⑤配管工事。水道やガスなどのインフラを引き込んでいく。
スケルトンの場合、こうしたインフラ部分からゼロから作り上げていくことになるが、居抜きの場合、水道や電気はいじらないことも多々あると思う。けれど、どうしてもいじりたい、いじらなきゃいけない場合はある程度のコストを覚悟しなければならない。こうした工事を行うには専門の資格が必要となり、自分たちではどうにもならない。居抜きで安く抑えようとしても、ここを変えようとすると予算は跳ね上がる。自分がお店を始めた時はここの認識が甘かった(結局、自店は何もいじらないことにしたのだけど)。
そして、⑤土間打ち。これは厨房の床を作る工事。この工程を経ることによって、厨房内で水を流せるようにできる(J×Jのようなキッチンだと水は流せない)。次に⑥軸組み。これは言わば側壁の下地工事で、 配線・配管を壁内に収納し外部から見えないようにするための措置。
この①〜⑥の工程を経て、基礎及び土台作りの完成となる。
ここから先の工程でようやく、この店のこの店らしさが施されていく。