Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

A→「C」→B→D→E「#王様のブランチに抗議します」

以下2記事の観点に基づき、

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①先回りできることは先回りし、


②そうすることで創出した時間で他のことに取り組み、


③あとでもフォローできること(多数派が取組み、主流になること)については予想される課題やストレスを測定、改善しながら追随


という、「C→A→B→Z→Z→D→E」のサイクルをいかに作れるかが、J×Jが生き残るための道であるように思える。昨日、『王様のブランチ』で都内有名店のテイクアウトが特集されていたが、いかなる努力とロジックを動員したとしても辿り着ける境地ではない。

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あまりにも美味しそうすぎて、あまりにも安すぎて、テイクアウトしたすぎて、逆に飲食業界全体にトドメを刺すためにTBSが放った刺客ではないだろうか、と思うほどだ。東京中の飲食店をまるごと巻き込んだ無理心中を図りたいのかと訝しく感じる(片っ端から全部注文したい。特に数寄屋バーグ弁当、税込1500円)。武力のスケールが違いすぎるこの合戦に一兵卒として身を投じるぐらいであれば、本当に満足してもらえるであろう一定の層に集中的にコミットし、あとは潜水して隠密行動に徹した方が賢明だと考える。


2月に端を発したコロナ禍はDのタームからEのタームへと進もうとしている。政府や東京都と出口とその先にある社会の在り方を模索しているように、お店もどのようにしてトンネルを抜けるかと、そして抜けた先にまずどの島を目指すかを明確にする必要がある。でも、もしかしたら「明確にしないこと」を明確に表明すべきなのかもしれない、ともちょっと思っている。今後の行動指針と計画はできるだけ明確にせずに、ふわふわとクラゲのように漂ってみてもいいのかもしれない。はやる気持ちを抑えて、前のめりにならず、極力ニュートラルに。

そもそも今は本当に「D→E」なのか?、というのが疑問だ。宣言解除後に来るであろう第2波や第3波への懸念ではなく、もっと長期的に捉えた視点が必要だと感じる。確かに飲食店としては宣言解除に伴う制限緩和は一つの区切りにはなるし、A→Eのシーズンを終えることにもなるだろう。でもその一方で、まだ巨大な「A」の中にいるのではないかとも思う。今、うっすらと輪郭が見えてきているのが次の巨大な「B」というステージで、社会全体で考えればきっとそうなのだろう。

社会生活の中で前線に立つ飲食店、ライブハウスや劇場、美容院などリアルビジネスは言うなれば海沿いの街で、この大きな津波はそのエリアを丸ごと飲み込んだわけだけど、津波はそれで引いたわけではなく、これからじわじわと内地に押し寄せていくだろうという見立てはけして過剰な悲観論ではないと考える。海岸線に立つ飲食店は内地に暮らす人々に訪れてもらって初めて経営が成り立つのであって、被害が内地に及べばマーケットそのものが消滅することになる。そうなれば店舗運営は「新しい生活様式」だとか「入場制限」だとかを遥かに凌駕したレベルで改めて逼迫することになる。

コロナ禍の初期の段階で被害を軽視していた事業体がその後、苦難と不安を余儀なくされたように、社会全体の中で「自分は大丈夫」と思っていた層に津波がどこまで到達するかは誰にもわからない。「飲食店や事業主はいいよね、まだ政府が補償してくれるうちに被害にあってさ」なんて言われる日が来る可能性だってゼロではないような気がする。おまけにこの津波は長い目で見れば、ほぼ同時に全世界を襲撃している。日本が今、食糧自給率を改善しなきゃと危機感を募らせているように、世界中の国々がそう考えている。桁違いの被害と損失を被り、惜しげもなくAmererica Firstを前面に打ち出すアメリカは今後どうするだろうか。アメリカの意向次第で輸出入の世界地図はいかようにも変容し、当然、それは日本経済にも連動し、直結する。飲食店運営の立場とすれば、今世界各国から輸入され、流通している食材や調味料の在庫と価格はどうなるのだろう?、ぐらいだけど、それぐらいの心配で済むことを祈ってる。

 

だから、5月末までの営業をどうしようか、とか、6月からどうしようかというのも当然考えなきゃいけないことなのだけど、それよりも間もなく来る巨大な「B」の前に、先回りして「C」にどれだけ取り組めるか、そういう視点を大切にしたい。先行きなんて全然わからないけど。


公務員はそれでも守られるかもしれないけど(羨ましい)、個人事業主/従業員、社長/会社員、フリーランス/フリーター、そういうあらゆる境いがなくなって、個々のサバイバルの幕が開け、みんなが等しくインディーズというのも過剰な悲観論ではなく、もうすでに始まってるのかもな、とうっすら思ったりもする。


C-A-B-Z-Z-D-E②「自粛警察の皆様お疲れ様です!」編

だから、AやBに取り組む前にCを済ませ、多数がCを取り組んでる時にZをぶっこみ、で、ワンテンポ遅れて、同じようにDとEを踏む、こういうアプローチもありなんじゃないかと思う。


と結んだ前回の記事だが、

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当然、言うが易しだ。行うはとても難し。

基本的にAに先んじてCを済ますことなんてできないし、ましてその間に誰もやらないような、言い換えれば誰も見向きもしないような、「Z」に注力するなんて、なお難しい。異端児扱いか、奇を衒うの好きだよねと一蹴されるか、見て見ぬ振りされるか、冷笑かのいずれかだろう。ガリレオ・ガリレイ亀山社中も、堀江貴文も石川県の旅館「森の栖」も、切り拓くから叩かれ、叩かれるから切り拓き、切り拓くから切り拓ける。

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先人たちの歴史的開拓や、現代を生きる鋭いインフル-エンスはともかく、話のスケールをぐっと庶民的にして、例えばこの恐慌に際しての「資金繰り」の在り方とかに落とし込んでみる。多くの小規模事業者が申請しているであろう政府系の日本政策金融公庫からのコロナ融資だが、2月の上旬にはすでに公表されていた。厚生労働省管轄の雇用調整助成金の同様で、なんならもっと早く始まっていたような気がする。当初は要件に「中国からのインバウンド減少に伴う売上低迷」という文言が盛り込まれていた。まさかわずか2ヶ月でここまでの世界的厄災になろうとは誰も思っていなかっただろう。


その後、雇用調整助成金は特例措置として、もう原型ないくらいに緩和されたわけだが、日本政策金公庫の融資については基本的に変わらない。あくまで融資であり、返済しなければならない。だからこそ経営者は迷う。ここで新たに借金すべきかどうか。「まあ言うてもそこまでじゃないでしょう、もう少し様子を見よう」と考える人もいれば、「いやいや、運転資金借りれるなんてむしろラッキーじゃん」と飛びつく人もいる。ただ多数は前者の判断を選び、AやBの段階では様子見し、状況がCに突入してから融資の申請に踏み切る。その頃には三密を伴った行列ができていて、当然、申請にも審査にも入金にも時間がかかる。同時に融資が決定しないことには動こうにも動けない、という状況に陥る。あくまで結果論であって、その時に何が正しいかなんて誰にもわからないのだが、決断と行動が多数派のタイミングと重なると、あらゆる「密」が発生するのは間違いない。クラウドファンディングについても同じことが言える。

当然、テイクアウトやデリバリーへの傾倒についてもまた然りで、店もメディアもこぞってこれを前に打ち出すわけだから、ユーザーも消費行動もそれに呼応する。現状、それしか手立てがないわけで、この取り組みを通じて「飲食」という業界全体の呼吸困難が回避されればそれに越したことないけれど、結局は供給過多、「密」であることは否めない。宣言解除後も引き続き、テイクアウトでの勝負を継続するのであれば、今、Dというタイミングでここに時間と予算と可能性を投下するのは有意義かもしれないが、ここからのEというターム(宣言終盤及び解除後の初動)に向けて、どこまでウェイトを寄せるかは際どい議題であるように思える(現状、J×Jはテイクアウトやデリバリーはあまり風呂敷を広げず、ピンポイントで対応している)。

その店のアイデンティティや個性はテイクアウトとデリバリーだけに収まることはないはずだ。飲食店(特に小規模事業者)の窒息死を救うための処方はきっとそれだけではないはずで、他の呼吸法も、他の息継ぎの仕方もきっとある。だから、僕はオンラインで小説を販売するという「Z」という措置をとり、今はこの営業に励んでいる。 「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」のトリックプレイ(あるいは超正攻法)にはただひたすら感服するが、僕も自分なりにアクロバティックに動いていきたい。このまま酸素を失い、窒息するわけにはいかない。だからこそ、小説のオンライン販売に挑んでいる(決済はNOTE経由で500円・1000円・任意のサポート、もしくはPayPay経由での送付とさせていただいております)。

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ちょっとしつこいなと僕自身も思っているけれど、現状におけるジャーニージャーニーの主力商品は小説『Journey×Journey』であると確信している。あらゆる側面と、あらゆる角度から考えて、そう思っている。販売開始から10日経つけれど、販売当初よりも、「読み終えた後」のサポートが断続的に続いていることが嬉しい。ありがとうございます。勿論、お世辞や社交辞令が大半を占めていることは承知しているけれど、読後にいただくご感想からして察するに、一定の手応えについては自信を持っていいように思える。だから、読んでもらいたい。全5章から成るのだけど、とりあえず2章まで読んでいただけたら…と思う。

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といった具合で、このオンライン販売は崖っぷち店舗運営の中での「Z」としての取組みではあるのだけど、別の意味合いもある。自分自身も、お店も、小説も世界を旅したことで得た経験と、世界を旅させてもらった恩恵が礎になっているのだ。それが封じられている今だからこそ、旅に憧れる多くの人に読んでもらいたいという気持ちも、旅人として、また強くある。

 

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C-A-B-Z-Z-D-E①「解決策はバッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」編

先日、ツイッターでこういうポストを見かけた。


このツイートはメディアと、メディアに踊らされている(であろう)方へのアイロニーであるわけど、ツイートしている方(永江さん)も、取り上げられてる方(永江さんに取り上げられているおばさん)の両方に通底しているのは同調を喚起していること。「テレビを見ろ」という同調喚起と、それに対し、「テレビなんて信じるな」という同調喚起。


主たる部分が依然謎めいているにも関わらず、被害は不特定多数に及び、かつ甚大で、情報は否が応にも大量に流れ込んでるわけだから、何に、どれに、行動規範のウェイトを寄せるかは結局は個人に委ねられる。実際のところ、どうなのかなんて誰もわからない。

日本政府に失望する声も多いけど、「死者数」だけのコミットで言えば何であれ結果を出してることになっちゃうような気がするし、当初、あれだけ叩かれたダイヤモンド・プリンセス号のことなんて今や誰も取り上げず、この船での対応の失敗が感染拡大に結びついてるなんてほぼ誰も思っていない。「東京事変」事変は満州事変ぐらい遥か彼方の出来事だ。

確かに今さら届けられる2枚のマスクは日本中の郵便受けの中で、日本中の失笑を買うことになると思う。これはタイミングの問題であって、一ヶ月早ければもっと有効だったかもしれないし、今から配送を停め、1日に1万人の感染者が出ているロシアに送れば少しは有意義かもしれず、それはタイミングが遅いからこそできることだったりもする(ちなみにロシアは1日に1万人の感染者が出ているにも関わらず、経済を再開させようとしてるのだから半端ない。日本はここ数日一日に100人前後。思いきりのスケールが桁違いだ)。

そして、その一方、幸福の国ブータンでの感染者数と幸福度がどう推移しているのか、ハイパーインフレでぶっ飛び続けているジンバブエ経済がこの大騒動でその後どうなっているのか、おそらくほとんどの人が知らない。僕も知らない。有事において情報は何よりも重要であるけれど、同時に情報なんてそんなもんだ、とも思う。


情報の有効力や正誤性というのは結局、最終的な結果とタイミングからでしか測れない。感染者数ではなく検査数、検査数ではなく病床数、感染による死者数ではなく自殺者数、自殺者数ではなく失業率、失業率ではなく倒産数、倒産数ではなく日経平均、いや陽性率、いやGDP、いや食料自給率、いやいや実効再生産数でしょ、いやいや…、といった具合でキリがない。

そう言えば、バッタの大群はどこに行ったのだろう?

news.yahoo.co.jp

上記、3月7日の記事。その後どうなったのかを調べたところ、アフリカで第2波が起きていた(第1波がどうなったのかはよくわからない)。

wired.jp

上は5月11日の記事。この新たな問題への対応として、環境学者シリル・ピウ氏(フランス国際農業開発研究センター所属)はこう言う。「解決策はバッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」。そりゃそうだろう。フランス国際農業開発センターに所属していない、秋葉原旅食ダイニングJourney×Journeyの山本だってそれぐらいのことは言える。「バッタの被害を抑えるためにはどうすればいいですか?」と聞かれたら、「それはですね、バッタの発生の抑制に可能な限り努めることです」。同様に「テレビを見なさい」、あるいは「テレビを信じるのはやめなさい」、まあ多分、特にメディア論も政治信条も持たない崖っぷちの店主にだって、それぐらいは言えそうだ。


Aの次はB、みんながCをやるからC、CをやったみんながDって言うからD、だったら次はE、情報交換も、足並みを揃えることも、同調も、We are the worldも、Its a small worldも必要だけども、みんなが同じステップを踏んだら、そのA-B-C-D-Eの正当性すら証明できなくなるリスクも感じる。と、俺は思っちゃうけどな。他の国と比べる比較論に持ち込むなら、日本はどういうわけかすでに成功になっちゃう。ブータンからすれば失敗かもしれないけど。


だから、AやBに取り組む前にCを済ませ、多数がCを取り組んでる時にZをぶっこみ、で、ワンテンポ遅れて、同じようにDとEを踏む、こういうアプローチもありなんじゃないかと思う。

 

 

小説Journey×Journeyのオンライン販売はどこに向かうのか。そして、このままお客さんが来ない、来ても満席にできない店内で不貞腐れながら生きていくのか。

2月上旬に東京で初めての感染者が出たところから、3月末の東京都知事会見までが僕の中では第1ラウンドで、その後、緊急事態宣言を経て解除予定日だった5月6日までが第2ラウンド。そして、ここから第3ラウンドがスタート。この第3ラウンドは5月31日までというより、もう少し長いスパンを見据えています。 2本柱で進めていこうと思っているけれど、1つはオンライン販売。そして、その封切作品としたのが小説『Journey×Journey』です。

概要については以前の記事でお伝えしているので割愛するけれど、「何故このような取り組みをするのか」で言えば、根本にあるのは「危機感」。僕は自分と自店が置かれている状況でしか今後を推し量ることができないので、あくまでJ×Jの話になるけれど、事態がもっとも切実化するのはもう少し先の話になると推測している(8月か9月頃)。全体的に緩和ムードへと傾斜し、補償や助成の道筋が見え、今は絶望と焦燥から少し救われた気運があるけれど(自店もしくは同じような小規模事業者の間では)、本当の修羅場はむしろ、今からではないかと。この部分に触れると長くなるし、明るい話でもないので、これまた省くけれど、とにかく僕はそう見立てている。

控えめに言って、今回の禍を通じて、「従来の消費マインドとスタイルが変容し、新しい生活様式が周知され、定着する」、それだけで今の飲食業のモデルや収益構造はいよいよほぼ壊滅するだろう(行列ができる美味しいラーメン屋さん、デリバリーに向いている本格ハンバーガーショップ、またそれに準じる事業体は戦火をくぐるかもしれないが)。

だから、飲食店も提供側として「従来のマインドとスタイルを変容せしめ、新しい事業様式を立ち上げないといけない」と感じている。「これからは時代に合わせて、テイクアウトやデリバリーにより一層力を入れて…」とかそういうおとぎ話ではなく、もっと本質的に、もっと抜本的にひっくり返さないといけない。苦し紛れの中途半端な斜め上ではなく、もっと「ねじれの位置」からの「とびきりのおとぎ話」をしたためなければならない。現実、それは難しくても、それぐらいの意気込みで思考と行動を創作的にすべきだと思う。

今までの客数、客層、来店動機、利用シーン、利用できるスペース、ニーズ、ウォンツ、財布の紐の締め方、緩め方、その全てが変わっていく。杞憂に終わればそれに越したことはないが、僕はそれぐらいの覚悟でいて、だとすれば「選択肢(商品)を増やそう」と思っている。飲食店ではなく、商店になるイメージ、言うなれば「世界に一つだけのコンビニ」化。それが僕の中の「とびきりのおとぎ話」であり、八百屋もよろずやもそのための布石で、小説Journey×Journeyのオンライン販売はそのための第一歩だと考えている。

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当然、まあ、売れない。そりゃそうだ。公開もされていて、価格も曖昧(500円/1,000円/任意)で、まったくの無名で、文脈も突拍子も全くない、となれば当たり前でしょう。そんな得体の知れないインディーズ商品を買うのであれば、無難なカオマンガイを食べた方がいい、普通にそのとおりだと思う。

でも一方で、「身動きとれないけどオンラインで何かあれば協力したい」とおっしゃってくれていた方々、またそう思ってくれていた方々の何名かは「苦境に立つ飲食店あるいは僕個人に対する支援」という意味も含めて(というかほぼその意図で)、サポートいただいている。もう御礼を言ってばかりで、甚だ恐縮なのだけど、とても有難く受け取らせていただいている。そして、これから、とても有難く積極的に活用していきたいと考えています。


「活用」についても前回内容と重複になるけれど、今回サポートいただいた資金を元手に小説『Journey×Journey』をZINE(フリーペーパー)にします。


現時点でデジタルとして存在しているものを、形化して再びアナログな存在とする。アナログに起こしたものを今度はオンラインショップで販売する。アナログ→デジタル→リアナログ→リデジタル、こういうサイクルに挑戦したいのです。一つのエコシステムのようなもので、J×Jという一つの経済の中で循環させていきたい。この挑戦に、綺麗事を言わないのであれば、一度予算を投じて作ってしまえば「原価」がほぼかからないこと、そして、この生産と販売に関して、ほぼ「コスト」が発生しないこと(そもそも僕がこれを書き上げるのに10年近くの歳月を費やしているという観点を除けば)。


綺麗事を言うのであれば、この取り組みは「プロジェクト」という側面を持つということ。飲食業の場合、「Aさんからカオマンガイをご注文いただく→Aさんにカオマンガイをご提供する→Aさんにお召し上がりいただく」という個人的な消費活動に終始するけれど(そこが飲食業の醍醐味でもある)、このプロジェクトであれば「参加型感」を纏わすことができる。またカオマンガイは即時的、物理的に消化されてしまうけれど(ここも飲食業の醍醐味だ)、ZINEは有形であり、成果として残り続け、プロジェクトそのものは継続されていく。綺麗事だけど、信じるに足る綺麗事だと思っている。


さらに綺麗事を重ねるのであれば、このプロジェクトは他の飲食店のみならず、多くの小規模事業者にも適用される可能性を秘めている、ということ。僕は文章を書くのが好きだから、小説を書く。だから、小説を商品化する。でもそれは、飲食店店主が撮る写真集だっていいし、美容師が描く油絵だっていい、一人親方が焼くホールケーキだっていいはずだ
。「そんな売り物にできるほどじゃ…」と言うかもしれないし、実際僕がそうであるように、売ろうにも売れないかもしれない。かと言って、このままお客さんが来ない、来ても満席にできない店内で、不貞腐れながら生きていくのか、と思う。

 

「いやあ、俺、他にそんな特技ないし…」と言い始める人もいるでしょう。であれば、とりあえず目の前にあるものを、すぐ手に取れるものを商品化すればいいんじゃないかと思う。既存のメニューブックを編集して、メニューの開発秘話やコメントを載せて冊子化するとか、カメラロールの中で眠り続けているラーメンの写真を集めてカレンダーにするとか、何か激しいコンプレックスを持ってる人はそのコンプレックスをぶちまけた詩集を販売する、とか。「もうほんとに何もない人」がいるのであれば、その「もうほんとに何もないこと」を代え難い価値とすべきだと思う。とにかくプロダクトを新たに創出することが大切だと思う。個人事業主フリーランスであれば、特に。閉塞感は閉塞的なプロダクトしか持たないからもたらされるのであり、であれば、それを打破しうる何かを持てば、光明は差すのではないだろうか。


確かに僕は多国籍料理店の店主としては一応プロかもしれないが(一応5年やってるから)、文筆家としても、よろずやの店主としても、地べたを這うことさえできないインディーズだ。けれど、本業の圧迫が不可避であるのであればなおさら、今後重要になってくるのはそのインディーズの部分だと思う。
在り方や価値観がひっくり返るのであれば、同じぐらいひっくり返して、「プロのインディーズ」という矛盾と荒野を目指す。道のりは険しいけれど、どの方角も道のりは険しい。


だから、小説Journey×Journeyをオンライン販売するというよりは、

この小説そのものを販売するというよりは、
(何ならクリエイターへのサポートですらなく)、


「このプロジェクトが秘める可能性」をよろずやジャーニーの棚に陳列しているつもりです。


綺麗事だし理想論だが、信じるに足る綺麗事であり、懸ける価値のある理想論だと思っています。

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STAY CHALLENGE.3小説『Journey×Journey』オンライン販売開始のお知らせ

前回、前々回投稿した記事の文脈に基づき、

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Journey×Journeyは今後「よろずやジャーニーオンライン」を本格始動させていきます。


けれど、商品は今はまだ一つしかありません。小説『Journey×Journey』です。

小説『Journey×Journey』は僕が書いた旅小説です。旅小説と言っても僕自身の紀行文や旅行記ではなく、主人公は5人の旅人です。タイのバンコクボリビアのアマゾン、オーストラリアのメルボルンエチオピアのアワサ、そして、インドのプリーを舞台に5人が自分の旅に出ます。それぞれに独立した旅であると同時に物語であり、小説の形式としては短編集ということになりますが、僕はこれをまとまった一つのアンサンブルとして描いており、それは読んでいたければわかるのではないかと思っています。

もうよく覚えてないけれど、おそらく世界一周前(28歳くらい)から執筆をはじめ、何百回と推敲を重ね、2年前にようやく完成させました。そして、そこからも幾度なくと書き直しているので、まる10年を費やしていることになります。努力の総量で言えば、お店の運営と同じくらいかあるいはそれ以上です。

僕は文章が書くのが好きで、ブログもよせばいいのにと思いながらもどうしても書いてしまいます。ブログ以外にも色々を書いてきましたが、『Journey×Journey』は集大成的な作品であり、こう言うのも少し憚られるけれど、自分の人生そのものと言って過言でない、そう言えるぐらい、胸を張れます。ちなみにありがちな「世界はなんて美しいんだ」、「旅=最高」、「自由とは?豊かさとは?」的な訴えや投げかけはほとんど含んでおりません。なので、いわゆるの旅小説とは一線を画していると思います。

オンライン販売ということで具体的にどうするかと言うと、「販売」にも関わらず、NOTEにて全編、公開しております。記事(小説)を有料化することも考えましたが、それは見送りました。それぞれの章ごとに1記事としているので、全部で5記事あることになりますが、記事をクリックすると章ごとの全文が掲載されます。最後まで読み進めると、最後に「サポートをする」と書かれた緑色のタグが出てきます。そこをクリックすると、

【100円・500円・1000円・任意】と表示されます。もし1,000円の価値をつけていただけるのであれば1,000円、もしそれ以上の価値をつけていただけるのであれば「任意」にて、金額を打ち込み、決済に進んでいただければと思います。何と言ってもすでに公開されているものなので、サポートはスルーして読むだけ読むだけでも勿論構わないですし、読んだあとにサポートいただくことも可能です。このサポート機能とは作品そのもの対価というよりも、その作品を手掛けた「クリエイターへの支援」というニュアンスで設置されているので(NOTEにもともと付随されている機能)、クリエイター「山本ジャーニー」wwへのサポートをご検討いただけましたら、万感の思いであります。

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貧窮問答歌でお伝えさせていただているとおり、家賃や人件費など固定費においてはクリアすることができております。一方、結果16万の赤字となっておりますが、これは融資や補償から充当するとして、僕自身のお給料に、と言いたいところではありますが、それもちょっと創意がないので、今回サポートいただいた金額に関しては、

オンライン小説であるJourney×JouneyをZINEとして自主製本するための資金

とさせていただきます。

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オンライン上からZINEとして形化し、店頭に陳列し、遥か彼方の貸切利用客ではなく、おそらくは早期に戻ってきていただけるであろう近隣事業所の会社員の方々に営業してまいります。近隣事業所の会社員の方々はJ×Jにお弁当を買いにきたのに関わらず、その抱き合わせに店主が書いた小説を営業される、そういう珍道中並びに奇天烈が展開されることになるでしょう。当然、ほぼスルーされると思いますが、中には物好きな方にお買い上げいただけるかもしれません。

J×Jの売上の95%は近隣事業所の方々によって支えられ、構成されております。ところが、この95%の部分が緊急事態宣言により丸ごと消滅したことになります。売上が、というより、その95%の方々がほぼ100%そもそもいらっしゃらない、そういう状況です。事業所立地かつ駅から離れた立地の宿命であり、そして、SNSでもつながっていない(これは営業努力が足りなかったかな)。本来、お店として健全なのはその95%の方々にテイクアウトされることだったり、物販を薦めることなのだと思っています。

したがって、今回の小説Journey×Journeyの販売及びその売上(サポート)は今後の未来のための活用であり、トランスフォームとして転生させていただきます。いっぱい集まれればいっぱい作れるし、オシャレなやつができるかなww

決済に関してネックとなるのはNOTEでサポートする際に会員登録が必要となることです。メールアドレスとパスワード入力で済むものですが煩わしいと言えば煩わしい。今後は決済方法も改善していこうと考えておりますが、取り急ぎ、NOTEとは別の導線としてPayPayのURLを貼らせていただきます。

 

https://qr.paypay.ne.jp/l9AsAZIdqSjNkDQg


注①:このリンクから飛べる場合と飛べない場合がある模様です。現在調査中ですが、PayPayご希望の方は別途ご連絡いただけますと幸いです。


注②:お支払い時どなたかわかるようにメッセージ欄にコメントいただけますと嬉しいです。またパスコードは受け取る側ではなく送る側が設定する仕様となっておりますので、パスコードを設定される場合は別途お知らせいただけますと幸いです。


最後になりますが、NOTE上ではなくPDFで読みたいという稀有な方がいらっしゃいましたら、それは個別で送付しますのでお気軽にお申し付けください。


今後とも「よろずやジャーニーオンライン」をお引き立て賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

STAY CHALLENGE.2

このチャレンジは「もうここらでよか」と思っている。

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4月8日にこのチャレンジを始めるにあたり、もう一つ考えていたのは「この一ヶ月はあえてオフラインでいってみようじゃないか」ということだった。オンラインは後回しにしようと思った。

理由は色々あるのだけど、まずは①一度始めたらちゃんとやらないといけない。そして、②でもきっと売れない。ちゃんとやらないといけないにも関わらず売れないって最悪だ。だとすれば、ちゃんとやる体制を整えて、ちゃんと売れるようにすればいい、ということになるのだけど、③メインで一緒に働く社員(いずみ)は入社まだ一週間。オンラインに一点突破するのであればともかく、お昼は弁当販売をしているわけだし、その習得と仕込みを考えると難しい。④そもそも俺がよくわかってない。まあ、④が全てだ。というわけで、まずはオンラインに関わるものを盛大に見送った。

だとすれば「テイクアウトを充実」という路線になるのだけど、そのためには実施するための広義に「スペース」が必要になるわけで、そうしたスペース確保のためにフードメニューではなく、物販にまずはフォーカスすることにした。料理を僕が作らないといけない以上、自分の時間と余裕が逼迫されることになる。それに仮に僕が風邪を引いたりでもしたらアウトだ(コーヴィッドにかかったらそもそも終わりなんだけど)。でも物販であれば、入社一週間のいずみでも対応できる。用意しているものを渡せばいいわけだから。実際に、その間にいずみは基本を習得することができた。今のステータス(5月6日現在)であれば、違う手が打てる。違うチャレンジに踏み切れる。

また別の話になるけども、深刻な問題として同時並行しているのが「仮に終息してもJ×Jの売上は元通りにはならない」ということ。ランチの来店数は比較的はやく元の軌道に戻るかもしれないが、本店に貸切が入るようになるまでには相当な時間を要するだろう。だから、そこには期待せずに他の部分でカバーしていくしかない。その「他の部分」というのが物販となる。最終的には多極化したが、よろずや作戦の出発点は「仕入れが必要ないもので売上を作る」だった。ありがたいことに物販は想像以上に売れたけども、新たに仕入れして新たに売上を作る、ということは考えていない。それよりも新たに商品を自ら作る、ということに力点を置き、これをここからの「物販」の新しいラインナップとしたい。そうでないと今月は乗り切れても、来月、再来月にさらなる危機に瀕することになる。

というわけでこの一ヶ月は極めてアナログで、極めてフィジカルなアプローチに徹した。上述したように、そうせざる得なかった部分もあり、意図的にそうした部分もある。

けれど、想定しなかったのはこの取り組みを通じて、普段なかなか会えない方々や古くからの友人に多く出会えたこと。そして、それが自分にとって想像以上に感慨深く、エモーショナルだったこと。最初はそれこそ蓄えが…とか、借金が…とか、家賃、人件費のことで必死だったけれど、途中からはさほど気にならなくなった。自粛警察に見つかったら大変なので大っぴらには言えないけれど、なんだか日々同窓会めいていて、日々文化祭を作り上げているような心地になった。せっかくの機会にも関わらず、一定の距離を保ちながらの、刹那的な時間であったことは残念だけども、それはまたいつか改めればいい。コロナウイルスは人と人を別離し、孤立せしめるものであり、そこが非常に厄介なのだけど、僕個人においてはむしろその逆のことがもたらされた、と感じている。

ただしこの同窓会も、文化祭も、全力疾走も、全力投球も今のように続けるのは困難でしょう。きっとあらゆる意味で難しい。だから、この一ヶ月にわたる超貧窮問答歌の中で培ったもの、養ったものの一部は今後にも踏襲しつつ、次の段階へとシフトしてまいりたいと思います。

というわけで、「もうここらでよか」なんだけども、新しいことに挑戦するタイミングとしても「もうここらでよか」です。オフラインとアナログでわーわー言うのはこのへんにして、もうこのあたりで次のことを始めます。


本日、5月6日、「よろずやジャーニーオンライン」開店。


まずはじめに小説『Jounrney×Journey』のオンライン販売からスタートです。



STAY CHALLENGE.1

この大恐慌の中において、飲食店の苦境ばかりが取り上げられることに初めから違和感を覚えていた。2月上旬から今日にかけて、睡眠以外の全ての時間をほぼ店で過ごしているので、テレビは観ないし、情報はニュースアプリでしかチェックしていない。なのでちゃんと観ればちゃんと報道されているのだろうし、飲食店は数も多いし、さくっと取材しやすく、日常生活にとって身近だから取り上げられるんだろうなと思っている(少なくともライブハウスや言わゆるナイトクラブよりは)。

にしてもちょっと偏りすぎでは?、と思っていた。大変なの飲食だけじゃないし、旅行や宿泊は勿論、他にもいろいろあるでしょ、と。

そうした背景もあって『超貧窮問答歌』を始めてみた。

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大変なのは飲食だけではないが、過酷なレースであることは間違いない。では実際、自店においてはどれくらいシビアなのか。それをオンタイムでできるだけ克明に記したかった。一方、4月8日、それまでかろうじての生命線だった本店の店内ランチの来店数が1名になったことを受けて、この極限まで限定された状況下で何をどこまでできるか、ルールに則った上でどれだけ抗うことができるのか、試したくなった(本当はどうすればいいかを「問答」しているところ、その過程を中心に描きたかったがそれはあまりできなかった)。

禍が本格化するにつれて、友人や知人や常連さんから心配や激励の連絡を多くいただいた。中にはダイレクトに送金を提案してくれるような方もいて、痛み入るとともに「これはまずい」とも思った(その提案については有難く遠慮させていただいた)。そうした提案は応援や支援の一心であり、その気持ちはほんとに嬉しいのだけど、僕としてはそうした気持ちの受け皿をせめて可視化したかった。「J×Jの何を応援しているのか」、「その支援は今後J×Jの何になるのか」、逆に言えば「J×Jは何を応援されるのか」、これを透明化し、明確にすべきだと思った。おそらく応援する側にとっても、応援をいただく側にとってもプラスに働くはずだ。数字公開にはそうした想いもある。


本店家賃    :203,704円
2号店家賃  :186,230円
最低人件費:300,000円

合計689,934円。この金額はいわゆる「固定費」にあたる。


これに関しては期限まで5日残し、5月1日にクリアすることができた。あくまで自店の話なので、「飲食業界的にこのコミットは実際のところどうなのか」という点については僕もよくわからない。ある店からすればすごいことなのかもしれないし、違う店からすれば全く寒々しいことなのかもしれない。ただ一つ言えるのは、休業に踏み切っていれば売上はゼロだったということ。そして、この駅から離れた人の往来が全くない路地裏で考えたとすれば上出来(というか皆様ほんとにありがとうございます)、というのが僕個人の感想だ。

当初、設定した目標はクリアできたわけだけど、赤字であることには変わりはない。そもそも「食材原価」が含まれていない。売上の30%弱に相当する20万を原価、水道光熱費等その他経費を10万とすると、あと30万を加えた989,934円が一応の損益分岐点、赤字と黒字の境目となる。この数字を目がけて、おせちのテイクアウト及び5月3日のデリバリーに集中投下した結果、

目標の989,934円に対し、総売上は828,790円。161,144円の赤字となった。


ここまで肉薄できたことに僕は達成感を感じている。


一方で、これが全力疾走のタイムであり、全力投球のスコアでもある。すなわち、ここがこのやり方の限界。僕はこの1ヶ月(というか、貸切のキャンセルが始まった2月中旬からの約3か月)、ここまでやってダメなら閉店もやむを得ないという気概で、もてるもの全てを総動員して、打ち込んできた。その結果が161,144円の赤字。正確に言うなれば他にも色々経費はあるし、何よりスタッフのシフトを極限まで制限している、そして、僕自身の給与というか報酬はその先にある。とてつもなく果てしなく、果てしなくシビアだ。そのための補償や助成なのだけど、損失は緊急事態宣言や都の要請とともに発生しているのではなく、2月から始まっている。当面の運転資金になるとしても、この3か月で削られたわずかながらの貯蓄が戻ってくるわけではなく、反面、一瞬にして膨れ上がった借金が返済されるわけでもない。

1877年、明治新政府に対して反旗を翻した西郷隆盛は士族最後の反乱として九州で暴れまわったわけだけど(西南戦争)、最終的に官軍に四方八方囲まれ、側にいた別府晋介に「もうここらでよか」と言って、介錯を頼んだと伝えられている。


介錯は頼まないけれど、僕もわりと「もうここらでよか」だ。


このやり方の、このチャレンジは「もうここらでよか」だ。


ちなみに僕も西郷どんみたいにお腹が出ている。全力疾走したにのも関わらず痩せなかったな。


STAY CHALLENGE.2に続く。



STAY ASSENBLE

以前の記事の中でも所々に書いているけれど、3月下旬の小池都知事の会見から緊急事態宣言が発出されるまでの展開の中で、まずはいったん「飲食」という概念から外れようということに意識を集中させた。常軌を逸した状況で、常軌で抗ってもどうにもならない。「J×Jは飲食店ではなく、J×Jという活動の中の一部に"飲食”がある」、そう思い込むように。自己暗示にも近い自意識の問題なのだけど、こういう非常事態にはわりと有効な手法だと思ってます。「僕はよろずやさんである」と言い聞かせるだけで、少なくとも閉塞感は取り払われる(だって、小売業はむしろ堅調なわけだから)。

そうすると、とにかく自由に「想像」してみようじゃないか、という気持ちになる。想像がどこまで羽ばたこうとも、あくまで想像であって感染リスクが高まることはない。そして、ありったけ広げた「想像」の中で、ルールやバランスを逸脱しなくても済みそうなものを見定める。そうすると、とにかく「行動」してみようじゃないか、という気持ちになる。ある意味ではこれだけ好き放題できる機会もそうそうない。なんと言ってもあらゆる既成概念が吹っ飛ばされるているのだから。どのみち目の前が闇で、どのみち行き先が夜陰であれば、闇に紛れよう、夜陰に乗じよう、と僕は思う。ポイントはあくまで「ルールやバランスを逸脱しなくても済みそうな範囲で」だ。

少なくとも言えるのは「行動」を呼び起こせるのは「行動」でしかない。そもそも「行動」そのものを、そもそも「制限」されているわけだが、かと言って「行動」以外に活路はあるだろうか。行動でしか人は人を訴えかけることはできないし、人は人を行動でしか救えない。同時に多少、寒々しい空気にもなるし、冷ややかな視線を向けられることにもなるけれど、そのあたりは振り切る。圧倒的に振り切る。活路はあくまで行動にしかない。常識、地位、理性、節度、節操、資産、プライド、承認欲求、そんなのコーヴィッドはまるでお構いなしだ。

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いったん腹を括ってしまえば、あとはがむしゃらに「行動」を投入し、何はともあれ、いったん「形化」する。

香辛酒臓さん、アチャール、大人気です。

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トモ、カトーに下を買ってもらいました。

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このあたりまではともかく、ここから先はもう百花の繚乱、乱れ打ち。


まみ、今日俺の高校の同級生が「かわいいじゃん」と言って、お買い上げいただきましたよ。

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あ、杉さん、問い合わせが一件来ておりますww

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下記、講座はよろずやジャーニーの取り扱いとしては初めての完全リモートによるおススメ商品だったのだけど、講師の方にロックダウン解放の目途が立ったようで間もなく欠品になるかもしれません。あかね、リモートではない乾杯を楽しみにしております。

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品目を増やし、関わりを増やすことで、pie(パイ)を広げたいというのもあるけれど、この状況下においてはパイもなにもないわけで、パイもバットも虚しく空を切る。けれど、とりあえずバッターボックスには立ちたい。というか、立っておきたい。ベンチから見える相手の球と、実際バッターボックスに立って見る球はやはり違う。今は打てないかもしれないけど、無駄かもしれないけど、その「打てない経験」がのちの何かにどうオーバーラップしてくるかなんて、ほんとにわからないのだから。喩えは悪いけど、最初は軽視されていたコーヴィッドが今、世界中を震撼させているように、何がどう展開するかはわからない。


だからこそ、物理的に隔離、孤立していたとしても、それぞれの繋がりはそれぞれに有機的に保ち続けるべきで、忍ばせておくべきだと思う。


アメリカvs中国、WHOvs欧米、自民党vs野党、国vs地方、経済産業省vs風俗業の方々、自粛警察vs非自粛といった対立構造は残念でならない。キャプテン・アメリカ(と言うとややこしいが)みたいに、いい感じにずばっとまとめてくれる方はいないのだろうか。

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そんななか、初代スタッフ貴公子カトーからの一言。「自宅にいるだけで今みんなアベンジャーズ!」。注記:ちなみに今日、「カトー君に5万円分買ってもらったんですか?」と質問されましたが、そんなわけないのでご安心を。

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これはやや寒いのだけど(拾えてない俺も悪いんだけど)、巷と世界のぎくしゃく感やちぐはぐ感を見ていると、実際ちょっと「アッセンブル」が眩しく映る。

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でもまあ、難儀だよな、と思う。サノスは目に見えるし、悪意が明確だが、コーヴィッドはそういう感じじゃないもんな。ここから先もぎくしゃく、ちぐはぐしていくんだろう、残念ながら。せめて、この路地裏くらいはアッセンブルを保っていたいなあ、と思う。ルールやバランスを遵守し、然るべきディスタンスをとりながら、仲良く、楽しく、アッセンブル。

緊急おせち宣言②

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今日、4回目のデリバリーを実施させていただきました。ご注文・ご協力いただいた皆様、ありがとうございます。また一緒にまわってくれた碧、ありがとう!
 
4回目ということで慣れてきた部分も多少ありつつも、気持ち的にも、時間的にもかなり追い込まれながらのお仕事。パツパツ、パンパン、バクバクです。でも、ゆえ、先が見えてくる。無難にこねくりまわしてても風景は変わらない。
 
商品としてご提供する以上、言い訳は許されないのだけど、先週のデリバリーの際、ゲストとのひょんなやりとりからはじまった超緊急「おせちプロジェクト」。制作に取り掛かり始めたのは火曜日。

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言い訳は許されないけれど、苦、この4日間のベストが「今」なのであれば、あと一週間かければ11日の分のベストが作れるはず、ということは言える。ということは言ってもいいような気がする、苦。

 
今回、おせち制作にあたって、
 
①香辛酒臓さんのアチャール(一部)
 
②AUBEさんのフルーツコンポート

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をご協力いたただきました。たかよさんもけんくんもありがとうございました。こうした遠心力の作り方は今後も続けていきたいと思っております。J×Jがしっかりしていれば遠心力で吹っ飛んでいかないはず。

お詫びと御礼とお知らせ-5月1日時点-

4月8日の緊急事態宣言発出より今日にいたるまで、ほぼ毎日、日々の売上を公開しながら、本店及び2号店家賃、そして最低人件費30万の合算となる689,943円に到達できるかに挑戦してきました。

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言うまでもなく、飲み屋が夜20時までしか営業できないというのは痛烈なことです。インポッシブルなミッションであり、ミッションはインポッシブルでしょう。毎日、1時間目の授業が終わったら下校、その上で教育課程を全て習得させよ、と言われているようなものです。


にも関わらず、スタッフの協力と理解、そして友人・知人、広くゲストの皆様に支えられ、4月30日時点であと5万ちょいというところまで迫ることができました。ここまで肉薄することができたのであれば、できれば本格的にGWが始まる前にこの関門をクリアしたかった。この手の挑戦って最後の最後の追い上げで超えるか、最終局面でウルトラCをぶっ放して終了、というパターンが多いのでそうではない軌道を描きたかった。

できれば4月末日に超えたかったのだけど、呆気なく無理だったので、5月1日を重要な局面として据えた。

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結果、重大局面にふさわしい濃厚な一日となり(詳しくはまた別で触れるとして)、おかげさまでクリアーに至ることができた。熱く、厚い御礼を暑く申し上げます。ありがとうございました!!

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確かに厚くはあるかもしれないが、ただのおっさんの背中だ。

一方、現実問題としてはこれでもぶっちぎりの圧倒的赤字です。何と言っても食材の原価(仕入れ)が入ってませんから。J×Jにはまだ日にちとおせちが残っておりますので目標を改め、「本店及び2号店の家賃と最低人件費30万を合わせた固定費689,943円、ならびにほぼ固定費である変動費「食材原価・水道光熱費・消耗品費」の合計30万を含めた989,943円を新たなゴールとします。目標をあっさりと覆すようですいません、今までのは何だったんだ、という話になります。その点につきまして、お詫び申し上げます。


ここでお伝えしたいのはよくある「さらなる高みを目指します」的な崇高な旗揚げではなく、「圧倒的赤字から少しでもその紅色を薄めたい」という極めてどんぐり背比べ的展開であるということをご承知置きいただきたいのです。でも、この状況で、しかもウチのようなお店で、赤黒トントンまで持っていければ、それはけっこうすごいことだと思っているので、清らかに、鮮やかに挑戦したい。

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というわけで引き続き、超貧窮の中で問答してまいります。