Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

C-A-B-Z-Z-D-E②「自粛警察の皆様お疲れ様です!」編

だから、AやBに取り組む前にCを済ませ、多数がCを取り組んでる時にZをぶっこみ、で、ワンテンポ遅れて、同じようにDとEを踏む、こういうアプローチもありなんじゃないかと思う。


と結んだ前回の記事だが、

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当然、言うが易しだ。行うはとても難し。

基本的にAに先んじてCを済ますことなんてできないし、ましてその間に誰もやらないような、言い換えれば誰も見向きもしないような、「Z」に注力するなんて、なお難しい。異端児扱いか、奇を衒うの好きだよねと一蹴されるか、見て見ぬ振りされるか、冷笑かのいずれかだろう。ガリレオ・ガリレイ亀山社中も、堀江貴文も石川県の旅館「森の栖」も、切り拓くから叩かれ、叩かれるから切り拓き、切り拓くから切り拓ける。

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先人たちの歴史的開拓や、現代を生きる鋭いインフル-エンスはともかく、話のスケールをぐっと庶民的にして、例えばこの恐慌に際しての「資金繰り」の在り方とかに落とし込んでみる。多くの小規模事業者が申請しているであろう政府系の日本政策金融公庫からのコロナ融資だが、2月の上旬にはすでに公表されていた。厚生労働省管轄の雇用調整助成金の同様で、なんならもっと早く始まっていたような気がする。当初は要件に「中国からのインバウンド減少に伴う売上低迷」という文言が盛り込まれていた。まさかわずか2ヶ月でここまでの世界的厄災になろうとは誰も思っていなかっただろう。


その後、雇用調整助成金は特例措置として、もう原型ないくらいに緩和されたわけだが、日本政策金公庫の融資については基本的に変わらない。あくまで融資であり、返済しなければならない。だからこそ経営者は迷う。ここで新たに借金すべきかどうか。「まあ言うてもそこまでじゃないでしょう、もう少し様子を見よう」と考える人もいれば、「いやいや、運転資金借りれるなんてむしろラッキーじゃん」と飛びつく人もいる。ただ多数は前者の判断を選び、AやBの段階では様子見し、状況がCに突入してから融資の申請に踏み切る。その頃には三密を伴った行列ができていて、当然、申請にも審査にも入金にも時間がかかる。同時に融資が決定しないことには動こうにも動けない、という状況に陥る。あくまで結果論であって、その時に何が正しいかなんて誰にもわからないのだが、決断と行動が多数派のタイミングと重なると、あらゆる「密」が発生するのは間違いない。クラウドファンディングについても同じことが言える。

当然、テイクアウトやデリバリーへの傾倒についてもまた然りで、店もメディアもこぞってこれを前に打ち出すわけだから、ユーザーも消費行動もそれに呼応する。現状、それしか手立てがないわけで、この取り組みを通じて「飲食」という業界全体の呼吸困難が回避されればそれに越したことないけれど、結局は供給過多、「密」であることは否めない。宣言解除後も引き続き、テイクアウトでの勝負を継続するのであれば、今、Dというタイミングでここに時間と予算と可能性を投下するのは有意義かもしれないが、ここからのEというターム(宣言終盤及び解除後の初動)に向けて、どこまでウェイトを寄せるかは際どい議題であるように思える(現状、J×Jはテイクアウトやデリバリーはあまり風呂敷を広げず、ピンポイントで対応している)。

その店のアイデンティティや個性はテイクアウトとデリバリーだけに収まることはないはずだ。飲食店(特に小規模事業者)の窒息死を救うための処方はきっとそれだけではないはずで、他の呼吸法も、他の息継ぎの仕方もきっとある。だから、僕はオンラインで小説を販売するという「Z」という措置をとり、今はこの営業に励んでいる。 「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」のトリックプレイ(あるいは超正攻法)にはただひたすら感服するが、僕も自分なりにアクロバティックに動いていきたい。このまま酸素を失い、窒息するわけにはいかない。だからこそ、小説のオンライン販売に挑んでいる(決済はNOTE経由で500円・1000円・任意のサポート、もしくはPayPay経由での送付とさせていただいております)。

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ちょっとしつこいなと僕自身も思っているけれど、現状におけるジャーニージャーニーの主力商品は小説『Journey×Journey』であると確信している。あらゆる側面と、あらゆる角度から考えて、そう思っている。販売開始から10日経つけれど、販売当初よりも、「読み終えた後」のサポートが断続的に続いていることが嬉しい。ありがとうございます。勿論、お世辞や社交辞令が大半を占めていることは承知しているけれど、読後にいただくご感想からして察するに、一定の手応えについては自信を持っていいように思える。だから、読んでもらいたい。全5章から成るのだけど、とりあえず2章まで読んでいただけたら…と思う。

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といった具合で、このオンライン販売は崖っぷち店舗運営の中での「Z」としての取組みではあるのだけど、別の意味合いもある。自分自身も、お店も、小説も世界を旅したことで得た経験と、世界を旅させてもらった恩恵が礎になっているのだ。それが封じられている今だからこそ、旅に憧れる多くの人に読んでもらいたいという気持ちも、旅人として、また強くある。

 

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