Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【作品紹介】ジャーニー映画祭2018/4月28日(土)の部

今回はブログの本筋から外れて、今月末に予定している「ジャーニー映画祭」についての紹介記事となります。

4月28日、29日と2日間にわたって映画祭を開催します。前々から、「GWに何か軽いイベントやりたいね」とお店でスタッフとあれこれ話していたところ、「ヤマモトさん、カンヌ映画祭って毎年5月にやるらしいですよ。映画祭よくないすか?」というスタッフからの提案を受けて、今回初めて取り組むことにしました。

と言っても、仰々しくするつもりはなく、「なんとなく映画が流れていて、飲みながら、食べながら、なんとなく見る」という会にしたいと思ってます。なので、「集中して映画を観たい」という人向きではないのでその点については予めご了承くださいませ。

参加費は両日とも飲み放題フード付きで5,000円(16時~23時までの間、何時にご来店いただいても、ご退店いただいてもかまいません)、2ドリンク/フード付きで2,500円と致します。フードは別途お店で取り組んでいる「300品チャレンジキャラバン」の中からランダムでお出しします。ビュッフェ的なスタイルになりますので、「いろんな料理を少しずつ食べられる」というのも今回のイベントのポイントになります。


さて肝心の映画になりますが、初日の28日土曜日は下記3作品を放映予定です。

 

・16時~   『ハングオーバー!』
・18時30分~ 『ランボー
・21時~   『スワロウテイル

*なお今回は2号店BOXに貼ってあるポスターの映画群の中からセレクトにしました。

せっかくなので簡単に作品紹介いたします。まず、オープニングを飾る『ハングオーバー!』です。

 比較的最近の公開ですし、その後シリーズ化されるくらい人気のコメディー映画なので観たことある人も多いかと思います。オープニングを飾るのはこれくらいラフな方がいいかと思い、セレクトしました。ただひたすらの二日酔い(ハングオーバー)ムービー。きれいさっぱり中身なんてないのだけど、その空っぽさがたまらなく魅力的です。GW初日の夕暮れ時にふさわしい映画と言えるのではないでしょうか。

お次は、『ランボー』。

ランボー [DVD]

ランボー [DVD]

 

先日、友人と『ランボー』の話になり、「1作目がどんな内容だったか覚えてる?」と言われ、ハッとした。全然覚えてないのである。筋肉ムキムキのアクション映画という認識だが、それは2作目以降であり、1作目はかなり重厚でシリアスな作品である、とのこと。ベトナム戦争の帰還兵である主人公ジョン・ランボーPTSDを描いていると友人は言う。「えー、そんな感じでしたっけ?」と自分でも色々調べてみたけれど、何を見てもどうにもこうにも評価が高いのです。通常、他人のレビューというのは気にしないけれど、断片的な記憶と先入観とのギャップも相まって、俄然興味が湧いているのです、ランボー。というわけで、2作目にチョイスしました。ハングオーバー!との落差がけっこう激しいかもしれません、悪しからず。

そして、初日のトリを飾るのは『スワロウテイル』。

スワロウテイル

スワロウテイル

 

これはもう、僕にとっての青春そのものです。公開当時、中学1年生だったかと思いますが、この作品を通じて自分の中で初めて「芸術」という概念が生まれたような気がします。これがゲイジュツってやつだ、って思いました。岩井俊二作品はどれも好きで、どれも青春で、どれも芸術ですが、『スワロウテイル』がぶっちぎってます。

_______________

むかしむかし、円が世界で一番強かった頃、その街は移民たちであふれまるでいつかのゴールドラッシュのようだった。円を目当てに円を掘りに来る街、そんな街を移民たちはこう呼んだ。


円都《イェンタウン》


でも日本人はこの名前を忌み嫌い自分たちの街をそう呼ぶ移民たちを


円盗《イェンタウン》

と呼んで蔑んだ。


ちょっとややこしいけどイェンタウンというのはこの街とこの街に群がる異邦人のこと

頑張って円を稼いで祖国に帰れば大金持ち、夢みたいな話しだけど何しろここは円の楽園...イェンタウン。

そしてこれはイェンタウンに棲むイェンタウンたちの物語。

_______________

というところから物語は始まります。


バブル経済が崩壊した直後に公開された映画というところも面白く、「円」をモチーフに、過度に加熱した資本主義や貨幣経済への警笛やアイロニーを散りばめてるような気がします。価値経済やトークンエコノミーが叫ばれてる現代から遡って考えてみると、『スワロウテイル』は予言的なパラドックスだったのかもなあ、なんて思ったりもします。登場人物達が日本語・中国語・英語(加え、それらを混ぜた言語)を話す無国籍な世界観も現代のグローバリゼーションを表象するかのようです。

と言っても、内実、そんな難解な映画ではなく、とにかくスタイリッシュでクールな映画です。若かりし、三上博史江口洋介CHARA渡部篤郎桃井かおり伊藤歩、大塚寧々、隅から隅までひたすらカッコいい。公開から20年経ってますけど、色褪せるどころか、逆に今観たほうがぶっ刺さるのではないかと思うくらいであります。

というわけで、以上が28日(土)に放映する3作品です。近いうちに翌29日(日)に流す映画も紹介したいと思います。