Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

そして、「俺も頑張ろう」とか思っちゃうわけです。

「飲食業」を営んでいるのであれば、「飲食業」でこの難局を打開していかないといけない。

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色々考えたけど、これが結論。

 

言うほど影響が出ていないお店もそれなりにあると思う。商圏の属性、立地、業態、提供内容によってまちまちでしょう。自店で言えば、ランチはむしろ最近の方が忙しい気がするし、お弁当は伸びてる。問題はディナーであり、それをどうにかしないかぎり立ちゆかない。客層が複合的に構成されているお店であれば、「A層は壊滅的だけど、B層は来てくれている」という状態になり、B層に向けた施策に集中し、訴求を高めていくことになると思うのだけど、自店は特定の客層にリソースを寄せ、おまけに「シーン」まで照準を絞っていたので、そこがごそっと抜けると、ぐさっと切実だ。

 

というのは2週間前には覚悟していたこと。

 

で、どうするか。

 

なのだけど、その前に脱線。

 

今回のことを受けて、貸切と団体利用はほぼ全てキャンセルとなった。自店のモデルとしてはそのキャンセルは痛切で、そのニーズがまるごと封じこまれたことによって加速度的に危機に陥っているわけだけども、そうしたビジネス的な意味合いとは別で思うのはシンプルに「寂しい。そして、残念だ」ということ。3月の飲み会ってなんかエモいんですよ。忘年会は単純にどんちゃんやってる感が強いのだけど、3月はやはり送別会があって、お互いの労いがあったり、退職や定年のお祝いがあったりと、終わり感と始まり感が強く、なにかとエモーショナルで、そこに居合わせる僕はフツーに胸を打たれるんです。そして、「俺も頑張ろう」とか思っちゃうわけです。貸切や団体の半分くらいはリピート利用だし、5年目ともなると、新人さんからベテランの方まで顔と名前となんとなくのキャラがわかるゲストもわりといて、そうなるとスピーチとかけっこう聞き入っちゃうというか、なんなら一緒になって感動してしまうんです、黙々とフライパンを洗いながら。


翻って思うのは、ジャーニー×ジャーニーは飲食店として「お酒」と「料理」と「サービス」を提供し、その対価をいただいているわけだけども、核心はもっと別にあって、自分がお店を通して大事にしたいのはむしろそこだな、と最近改めて強く感じる。言語化は難しいのだけど、あえて凡庸で朧げな言葉を用いるのであれば、「コミュニケーション」ということになるんだろう。お店とゲストの、ではなく、ゲスト同士のコミュニケーションであり、その「時間」そのものだ。

 

だから、店は開けないといけない。ゲストに来店してもらわなくてはいけない。お弁当は伸びてるわけで、それはそれで力を入れていくわけだけども、テイクアウトだとか、オンラインだとかは詰まるところしっくり来ず(そもそもそのリテラシーもない)、「料理そのもの」やお酒も自身の本領にあらず、 必要なのはもっと違う働きかけなんだろうなと思っている。

 

ゲストが退店されるときに僕が気になるのは「美味しかったかどうか」ではなく、

 


ひとえに「楽しかったかどうか」だ。