Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

商売不繁盛論ならびに路地裏経済論「コロナウイルス編」⑥FIN

一か月前はスタッフ不足問題が焦眉の急で東奔西走していたのだけど、結局、求人広告を出す前に、思わぬところであれよあれよと繋がりが繋がりを生み、問題収束に向けて盤面は急速に展開していった。今回はちょっとマジでやばいなと思っていたし、長期的な耐久レースになることを覚悟していたので、目まぐるしく動く状況に自分自身が追いつかないほどった。それどころか、一連を通じて、想定外の化学反応が方々で起こり、別問題として捉えていた課題も解消されていった。虎穴に突き落とされ、虎子を得るという思わぬ順風、そして満帆。

 

のはずだったが、そうした劇的なビートに並行して、コロナウイルスが台頭。予約はことごとくキャンセルとなり、電話は絶望的に沈黙し、採用の問題が解決していくとともに、今度は採用そのものが問題になるのでは、と恐怖が逆流した。

 

けれども、2月21日に4月1日からの社員雇用が決まった時点で、腹を括った。この状況では「拡大」はできない、しかし「縮小」もない。コービット君に対して抗戦するしかない。「どうしよう?」という暗中模索や、「どうなるんだろう?」という五里霧中は体力と精神を恐ろしく消耗する。しかし、やるしかないのだ。やるしかないとなればやるしかなく、というわけで、やるしかない。ここまで物事がシンプルに削ぎ落されることもそうはない。シンプルになれば元気になる、「元気があれば何でもできる」。ちょっとサディスティックがすぎるぜ、とは思うけれど、そうでもない限り危ぶむばかりで道はない。そういう側面ではこの境地、君のおかげだよ、ミスター・コービット・ナインティーン。

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では「何」をやるか。そして「どう」やるか。


こういう時のために「飲食営業そのもの」以外の事業や副業がポイントになってくる。勿論、その必要性はわかっている。有事の際にはその別領域に注力すればいい。だから、ことごとくジャブを打ってきた。そして、そのジャブはことごとくジャブにとどまり、ことごとくその拳は何らに到達していない。


①デリバリー/ケータリング→Uberはスタッフ不足問題を受けて解約したばかり。

②ブログの広告収入→収益化まであと4,000年くらいかかる。

Youtubeの広告収入→収益化まであと1万2,000年くらいかかる。

ストアカで料理教室→開設とともにコロナ戦争開戦。

⑤自社商品のOEMからのEC展開→もはやどれだけ大変かもわかってない。

 

現在取り組んでいる中で最も有効なのは内装事業なのだけど、案件は降ってこないし、フロー的に間に合わない。オンラインで言えば、クラウドファンディング、課金、投げ銭、サブスク、あれこれあるでしょう。けれども万に一つ、マネタイズできるものがあったとしてもそれは個人レベルの気休めにとどまり、一か月後に渡すスタッフのお給料や家賃にははるか遠く及ばない。

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そうじゃない。

 

今後の課題としてはともかく、「今」はそんなんじゃない。

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勿論、情報や技術は味方につけなきゃいけない。時代や趨勢の風向きを読まなくてはならない。頭はどこまでも柔らかく、身体はどこまでも軽くしなければならない。

けれど、結局は現状、僕は飲食店の店主だ。ほとんどの飲食店の店主がほとんど飲食店の店主であるように、それっぽいことを取ってつけたかのように持ち出したとしても、イチ店主に過ぎない。「飲食業」を営んでいるのであれば、「飲食業」で打開していかないといけないと思う。政治家が政治で問われるように、医者が医療で問われるように。難しいけれど、そこを突き抜けていかなければならない。全霊を以て臨まなければならない。

 

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これもううざいですよね。てか痛いですよね。わかってるんだけどやめられなくなっちゃたよ。当記事における画像は全て『HUNTER×HUNTER』より拝借させていただいております。

ただコービット君は手強い。


未だにトイレットペーパーを心配しないといけないほど常軌を逸していて、政治に見向きもしなかった人々が急に政府の一言一句に夢中になるほど狂気で、隣の人の咳にあたかも正義かのように悪意を剥き出すほど傾いている(かぶく=異様)。

 

だから、僕も常軌を逸してみようと思います。正気の沙汰のままだとお店が潰れそうなので、この機に思いきって傾奇者に転じて、狂気に突っ走ってみようかと。飲食店のイチ店主として。

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この記事のタイトルに「商売不繁盛論ならびに路地裏経済論」という言葉を用いたのはこの「不繁盛」に対して「何を思い、何ができるか」と、この「路地裏」で「何を考え、何を起こせるか」がテーマだから。でも「コロナウイルス編」はこれで終わり。実際のところコービット君が手強いというよりも、同氏がもたらす集団心理と右に倣えの現象の方がよっぽど厄介だ。だから、ジャーニー×ジャーニーはジャーニー×ジャーニーにとってのウルトラCに挑戦してみようと思う。常軌を逸し、狂気を以っての冒険だ。

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