開業に至るまでの過程を描いたこの長編も第30話まで到達。ほんとは「リアルの一周年」と「ブログ内での開業」を合わせて、パラレルな感じにしたかったのだけどどうもそれは難しそうです。なんせ、レセプションの初日は2015年の3月28日。あと一週間しかないのに、今日取り上げるのは『各種手続き編』。オープンまではまだ遠い感じです。そして、今回の『各種手続き編』、字面のとおりかなり地味だし、面白味も皆無でしょう。興味のない方はここで離脱するのが賢明かと。
飲食店開業に必要な資格となるのは「食品衛生責任者」のみ。オーナーが自ら取得するのが通常だと思うけど(特に個人店は)、従業員から選任してもいいみたいです。なので、調理師免許は必須ではありません。もっとも調理師免許を所有していれば、申請するだけで食品衛生責任者の資格を取得することができます(*ちなみに食品衛生責任者の資格は各都道府県が実施している講習に参加すれば一日で終わる)。
僕の場合、セブンイレブンに勤めていた頃に食品衛生責任者の講習は受けていたので(調理師免許はその後フリーター時代に取得)、慌てて講習を受けなければならないということはなかった。ただ、実家の奥底に眠っているのか、この修了書が手元に見当たらず、千葉にある保健センターで再発行する羽目になった。手数料は2,000円。
この修了書は保健所から営業許可をもらうために必要なものの1つ。各自治体によって微妙に違うらしいけれど、他には「営業許可申請書」、「営業設備の大要」、「水質検査成績書」などの書類の提出が必要。特に上記「営業設備の大要」が少し厄介でお店の配置図や地図を書かなくてはいけない。これに加えて、内装工事後の図面を用意する必要もある。僕は前テナントから図面を譲ってもらっていたし、工事内容が軽かったので、既存の図面を手書きで少し修正するだけで済んだ。
必要書類を用意した上で保健所からの事前のチェック(実際の施設検査の前に)が入る。ほとんど問題なかったのだけど一つ指摘されたのがトイレの洗面台の大きさ。もともと取り付けてあったものだと今の規定に引っ掛かるらしく、規定をクリアした洗面台に差し替えてくれ、と言われた。
今まで使ってたのに変えなきゃいけないのか、それも1,2㎝足りないだけで…、とちょっと思ったし、洗面台を取り換えるということは配管もいじらないといけないのかと懸念したけれど、内装業者はあっさり即日対応してくれた。
この程度で済んだからよかったけれど、タイムスケジュールや予算感がギリギリだとこれだけでもクリティカルなことになりえる。当たり前のことだし、何でもそうだけど、時間も予算も余裕を見ておくことに越したことはない。
書類提出後、後日改めて保健所の職員が施設検査に入る。ここで問題なければ営業許可がおりるし、NGをもらうと再検査となる。
自店の場合、
保健所への書類提出(届出)は3月6日、
内装工事は16日~20日、
検査は23日、
レセプションは28日、
というスケジュールだった。他のお店のことはわからないけれど、わりとタイトな方ではないかと思う。23日にNGが出てしまったら、28日のレセプションは見送ることになっていただろう。留意しなければならないのは内装工事が終わらない限り、保健所が検査に来ても意味がないということ。仮に工事がおしたとしても、保健所の検査に該当する部分だけは先行して済まさなければならない。
では保健所は検査で何を見るのか。
面積、床、内壁、区画、明るさ、換気、ネズミや昆虫の防除、更衣室、保管設備、計器類、給湯設備、洗浄設備、トイレ、手洗いなど項目は多い。基本的には統一された基準でチェックされるものだと思うけど、地域や職員によってその厳しさが微妙に異なるということも事前に聞かされていたので、どれだけ不備なく整えたとしても実際に検査が終わるまで不安は残っていた。
今考えれば、大したことなかったと思えるけれど、当日は戦々恐々としていた。
「問題ないですね」と言われ、心から安堵した。
同時に、3月23日の営業許可を以って、その5日後に控えるレセプションの現実味がぐっと重みを増した。