Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

『J×Jの冒険』への冒険vol28.【商圏マーケティング-メニュー(遠征)編-】

前回の記事に書いたようにお店の近隣の調査についてはオープンの準備の合間に進めた。その一方で、秋葉原ではないけれど、行っておきたいお店がいくつかあったので時間を取って出かけることにした。

 

 

まず、渋谷の「ガイトーンTokyo」。2014年にバンコクから東京に進出したカオマンガイ専門店。お店で出すカオマンガイは元々オーセンティックからは外れたオリジナルのものとして提供する予定だったので、直接的な参考にはならないことはわかっていたけれど、やはりチェックしておきたいお店の1つだった。僕らが行ったのは2015年の3月。オープンから半年以上経って、大分落ち着いてきた様相だが、それでも外に列ができていた。

 

 

 

 

加藤はカオマンガイも初めての体験。

 

 

 

 

ガイトーンTokyoのカオマンガイ

 

 

 

 

順当に美味しい。

 

 

食後、次の用事までの時間を潰すために昼下がりのコーヒーブレーク。宮城から出てきたばかりの加藤君、街ゆく人を眺めながら「東京」を全身に浴びていました。

 

 

 

 

そして、別の日に今度は中央線沿線の店へ。ここでは「旅」をコンセプトにしている店や、元バックパッカーの方が経営されてるお店をまわった。オープン前のご挨拶とともに、それぞれのお店にそれぞれのスタンスがあること、お店の雰囲気やメニュー、そして客層や金額感を加藤にも何となく掴んでもらいたかった。

 

 

高円寺『Smile Eearth』さんの「鯖サンド」。

 

 

 

 

そして、中野『root』さんの「仔羊の鞍下肉とスペアリブの盛り合わせ」。

 

 

 

 

両店とも自分にとっては大先輩で、スタイルもアプローチも違うかもしれないけど、今後、目標にも指針にもしたいお店。オープン前に来れてよかった。他にもまわりたいお店はたくさんあったけれど、この日は2店で断念。

 

 

と、こんなふうに書くと何だかリア充感すら漂うけれど、勿論そんなわけない。

 

 

平素においては極力節約に努め、100円ショップで最低限の調味料を買い、常温でも日持ちする食材をいくつか用意して(この頃はまだ冷蔵庫も動かしていない)、食事は在り合わせで適当に済ませていた。

 

 

 

おそらく焼うどんとか、

 

 

 

 

もはや何だかよくわからないもだとか。

 

 

 

 

 

この頃、何故か加藤の食欲が異常で狂ったように暴食していた(今はいたって普通なのだけど)。すぐに空腹感をきたしては総菜パンやサンドイッチを食べていた。なんでも空腹になると胃が痛くなるということで、その痛みを抑えるためには「つまみ食い」は必要悪とのこと。

 

 

その腐敗した食生活も心配だったが、同時に出費面の問題についても考慮し、一つ、案を投じた。

 

 

 

「加藤、食パンとハムとマヨネーズ、あと辛子を買うといいよ」

 

 

 

「何すか、それ?」

 

 

 

「俺が一周中によく食べてたやつだよ。とりあえず空腹感と出費は抑えられるし、コンビニのパンを買うよりは幾分マシだろう」

 

 

加藤は言われたとおりの手順を踏んだ。まず食パンの上にマヨネーズと辛子を乗せる。

 

 

 

 

次にスライスハムでマヨネーズと辛子をのばし、

 

 

 

 

最後にハムを乗せる。

 

 

 

 

 

これがけっこう美味い。そして、抜群のコストパフォーマンス。

 

 

 

彼もこれをいたく気に入り、毎日昼飯、晩飯とは別に3,4枚これを食べ続けていた。

 

 

 

 

しかし、「空腹時の胃痛」という抜本的な問題は解決されず、しばらくこの胃痛に悩まされていた。この症状は東京に来てからではなく、宮城の頃から長く続いてたようで「こいつとももう5,6年の付き合いっすわ」と加藤は苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

しばらくしたのち、夏くらいだったか、加藤は意を決して、病院に向かった。

 

 

原因は「ピロリ菌」だということがすぐさま判明、疾風迅雷の除菌、電光石火の完治。病院の先生は、加藤が苦笑いを浮かべながら、仕方なく5,6年付き合っていたという魔性を難なくあっという間に消滅させた。

 

 

 

 

 

 

 

僕が彼に投じるべきだった一案は食パンとハムではなく、消化器内科への診察だった。