立地特性の他にもう一つオープン前に調べておきたかったこと、それは肝心のメニューについて。近隣の店舗がどのようなメニューをどのように出してるかを把握しておきたかった。とは言え、調べたからってすぐに自店のメニューやオペレーションに反映させることは難しいし、他店を意識しすぎてぶれるのもよくない。とりあえず、最初の想定は崩さないように、参考程度にリサーチすることにした。
まずは人の往来が激しくなる昼の12時にオフィスビルが建ち並ぶ通りに出て(自店はこの通りの裏手になる)、人の動きを観察した。
大通りである昭和通り方面に行く人、反対方向である清洲橋通り側に向かう人、オフィスビルの目の前に出ている仕出し屋で弁当を買う人、コンビニに直行する人、それぞれだ。1人で歩いてる人もいれば、大勢で練り歩くパーティーもいるが、大半は2,3人のグループ。
しばらく観察した後、駅とは反対方向にあたる清洲橋通り方面に移動。
大きな交差点で人の動きがさらに細分化される。ここからどう移動しようかと考えていると、ちょうど交差点の角地にある中華屋さん(今はもうない)の2階のお店に人が次々と入っていくのを確認した。ベトナム料理「フォー」のお店だ。
当時(2015年3月)の時点で当面の間、メニューは2種類(いずれもご飯もの)で進めることは決めていたが、ランチメニューの候補にフォーも挙げていた(現在2016年1月、フォーをメニューに加えることを再検討中)。そういういきさつもあったし、商圏のまわりにエスニックのお店は極めて少ない。ここに入ってみようと決めた。
加藤はフォーはおろか、ベトナム料理自体を食べたことがない。テーブルの上に置かれている調味料にも興味津々。
注文したのは鶏肉のフォー、
そして、牛肉のフォー。
味は勿論、価格や量や提供時間(と言うより、お客さんの滞在時間)を意識しながら食べたわけだども、その内容についてはここでは触れない。ただ、シンプルに美味しかった。
以降もタイミングを見計らって、近隣のお店をリサーチするようにした。
カレー屋さん。
中華屋さん。
お蕎麦屋さん。
お弁当を出してるお店もチェック。
と、こんな具合で合間を縫いながら。
ただし、冒頭でも書いたとおり、オープン前においては参考程度にしかならない。実際に走り始めてからでないと気付けないところは多いし、ポイントとする点も違う。今であればもうちょっと見るポイントを絞って、効果的にリサーチできると思うし、そうして浮き出た課題を自店のオペレーションに反映させることもできるだろう。ネックとなるのはそうしたリサーチの時間をどう作り出すかであり、目下の問題はまさにそこにある。