Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

『Journey×Journeyの冒険』への冒険vol5.【物件探し編②】

本格的に物件探しに乗り出す前に、その厳しさと難しさをひしひしと感じていた10月のある日、新しい物件情報がネットで公開、通知されました。住所は「台東区台東」(狙っていた秋葉原界隈)、坪数14(ちょうどいいサイズ)。家賃は表記されていませんでしたが、記載された内装写真を見るかぎり、雰囲気も良さ気。それまでネットで閲覧していた中では最も条件に適した物件でした。

 

 

ですが、こんな物件、瞬く間に他に抑えられてしまうだろうとそれほど気にはかけていませんでした。この段階では「こういう物件が空くこともある」ということがわかっただけでも収穫でした。10月はスタッフの人数も少なかったので、勤務しているお店の営業だけで精一杯で、他のことを取り組む余裕はありませんでした。

 

 

そんな中、勤務後オーナーと他のスタッフとおしゃべりしていた時に物件の話になりました(オーナーもスタッフも年明けに僕が独立に向けて乗り出すことは承知していました)。

 

 

「いい物件あった?」

 

 

「なかなかないですね、秋葉原は難しそうです。あ、でもそう言えばこの前…」

 

 

という具合に上記物件の情報を見せると、

 

 

「え、これ良さそうじゃん。場所はどこなの?」

 

 

「住所は台東です」

 

 

「ってことはうちと昭和通り挟んで反対側だね。俺、そのへんけっこう把握してるつもりなんだけどこんな店知らないなあ…。“台東区台東 飲食店”で調べてみれば場所わかるんじゃない?」

 

 

そこで限られた情報と内装写真を手掛かりにパソコンで検索しながら、どの店なのかを探っていくと、しばらく調べているうちにそれっぽいお店がヒットしました。

 

 

「ここですね、きっと…」

 

 

Cafe rg。ネットを見る限り、どうやらカレー屋さんのよう。

 

 

「明日、行ってみれば?」

 

 

オーナーのそんな後押しもあり、少し迷いながらもとりあえず行くだけ行ってみようと思いました。

 

 

翌日、ランチ営業を終え、急いで駆けつけるとまだお店はまだ営業中でした。店内に入ると、お客さんは一組、そして店のオーナーが厨房に立ってました。これが橘さん(仮名)との出会いです。

 

 

僕は今まで生きてきた中で多くの変人の方と出会ってきたつもりでしたが、橘さんは他の誰よりも変わった人だと今でも思っています。