2011年11月22日、ニューヨークへ。
世界の食文化や料理をテーマにした僕の世界一周がニューヨークから始まりました。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港でホイッスルとともに早速詐欺に遭い(80$巻き上げられた)、予約をしておいたホテルが見つからず、おまけにこの日のマンハッタンは土砂降りで(傘も雨具もなく)、もうほとんど半べそになりながらのキックオフでした。散々な初日で、ほんとに世界一周なんかできるのか、真剣に不安になりました。
けれど、ニューヨークのグロサリー(食料雑貨店)で食べたベーグルの1皿目を皮切りに、一年後、母親が作った金目鯛の煮つけ(1165皿目)を以って僕の世界一周は無事にクランクアップしました。
1皿目、「ニューヨークベーグル」
1165皿目、「金目鯛の煮つけ」
当時、書いていたブログはこちらです。観光情報どころか、写真も一枚も貼っていない、ひたすら文章のみのなかなかにロックなブログです。世界の料理についても全く触れていません。
料理に関しては旅行中に別で記録し続け、帰国後、1165皿のうちの300皿を一冊のアルバムにまとめました。
このアルバムをきっかけに『地球の歩き方』を発行するダイヤモンド・ビッグ社さんとのお付き合いがはじまり、その1165皿の一部を紹介するサイトがローンチしました。山本ジャーニーの世界一周旅食紀「Vendi,Vidi,Comedi 来た 見た 食べた」です。現在もライティング中で、このサイトで紹介した料理からインスパイアされた料理をお店でも提供しています。
他にコカ・コーラ社の「太陽のマテ茶」のフェイスブックページに記事を寄せたり、台湾の情報誌『HERE!』に旅と食に関する連載を書いたりもしていました。
こうした取り組みを続けながら、一年間ITベンチャーに勤めていました。いわゆる「ビジネス」というものが僕は全くわかっていなかったし、この先何をどうするにもwebまわりの最低限の知識はマストだと思ったからです。
この間、料理そのものは隙間を縫って、イベントを開いたりしながらスポットで続けていました。店名にもある「旅食」は元々イベントの名前です。
そして、一年前、秋葉原にあるPUSHUPでの勤務が始まりました。お店のコンセプトやサイズ感も自分がイメージするお店とつながるところが多く、そして独立支援のスタンスを取っていたことから、自分のお店を始める前の最後の職場はここにしようと決めました。
メニュー内容から数字の管理まで全体的なマネイジメントに携わることができたこの一年間で、店舗経営についての輪郭を学ぶことができたと思っています。今こうしてこのブログを書けるだけの時間があるのもPUSHUPでの経験の賜物です。
2014年11月、繁忙期である12月を乗り切って、年明けから物件探しを始めようと思っていた最中、今の物件の話が持ち上がりました。物件探しの一軒目(正確に言えば探してすらない)で即決、そして契約に至るとは思いませんでした。
一応の自己紹介が長くなりましたが、物語をこの先に進めていく上で必要なことだと認識しています。『Journey×Journeyの冒険』はここより思いもよらぬ航路をとって展開していきます。あまり一般的なパターンとは言えないと思います。参考にはならないかもしれません。でも、こういうパターンもあり、そして、それが僕の身に起こったということは事実です。