Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

中二病のジャーニーはどこに向かうのか。

J×Jは2021年2月現在、

①平日のみ本店店内ランチ営業
②平日のみ両店にてお弁当販売
③UberEats2店舗
④たまにテイクアウト
⑤EC展開(東京ロマンティックベーカリー)

をルーティンとして取り組んでいます。飲食そのものとは別になるけれど、⑥内装業も頑張っていますが、この内装業と補償を考えなければぶっちぎりの赤字です。少しでもマイナスを補填するためにも、時短でもディナーを開けたり、営業時間を拡大すれば違うのかもしれないけれど、そこは見送り、他のことをせっせと、せこせこと仕込んでいます。

現状の延長線で言えば、

⑦UberEatsの新規出店(2店舗)
出前館の新規出店(2店舗)
⑨一日に少しだけウーバーの配達員

であり、この⑦〜⑨は新たに挑戦してみようと思っている新規事業のための布石として取り組んでいます。そして、

⑩今、全く手をつけれていない2つめのECサイトの運用改善
⑪⑩に伴う「激辛コンテンツ」の育成


上記、⑪についてはSNSを活用してアプローチしていますが、ツイッターで言えばまだフォロワー26人しかいないという沈没船。とは言え、もうちょっと粘りたいと思っているのでYoutubeと新企画、新メニュー、新サービスを通して少しずつでも前進していければと。

そして、2つめのECサイトを全く運用できてないのにも関わらず、

⑫第3、第4のECサイトの制作

にも着手しています。何とか合計4つのECを運用していきたいと思っているのだけど、これに関連して、⑬「キャンプ」をキーワードにした取り組み。ECの集客導線に「キャンプ」を絡めて(というか一つのフックにして)、展開していきたいと思っているのです。長くなるので割愛しますが、ここはいずみが頑張ってくれていて、着実に成長している部分。と、そんな折に、とあるキャンプ雑誌及びWEB媒体に企画を持ち込めるチャンスが舞い込んできて、形になるかどうかはわからないけれど、キャンプ雑誌の記事制作及びコンテンツ提供も仕事として取り組んでいけるかもしれないという気配。さらにそんな折、とあるキャンプ場で行われる、とあるイベントに「飲食として出店してもらえないか」という話もあり、キャンプ関連は非常に楽しみな領域。

という具合で、EC関連だけでも派手に散らかっているにも関わらず、⑭「内装業のWebサイトをShopifyで表現できないか」の模索、にも努めていきたい。基本的にECサイト及びECプラットフォームは物販を前提としていて、⑮「飲食店×Shopify」の模索及び構築も容易ではないと思うのだけど、そういう前提があるからこそ、⑭も⑮もあまり触れられないテーマなので、冒険しがいがあるのではないかと。もし活路を見出せれば、新大陸発見さながらの可能性があるような。この点についてはアフィリエイトも準備している。これこそ素人のおままごとになるのは瞭然だけども、今のうちにとにかくなんでも体験しておきたい。

そして、OEM(外部委託生産)への挑戦。これはJ×Jにとってはけっこうなリスクを背負った冒険になりそうなんだけども、リスクなしで新しい道は拓けないし、単純にチャレンジしてみたい。今、受託してくれる工場をリサーチしていて、あと少しで商談開始。この先に進むか、引き返すかの判断を近々迫られることになる。

近々迫られることと言えば、⑱本店2階の事務所を新たに借りるかどうかも今まさに悩んでいるところで、家賃の交渉中。本当に借りるとなったら、これまたリスクを伴う転換点となる。営業スタンスやスタッフの配置はがらっと変えることになるだろうし、話が大きく膨らめば店舗の改装にも発展するかもしれない(予算はないけど)。

こうした状況を総体的に考えると、助成金補助金の申請も視野に入れて、適用できる部分は積極的に活用していきたい。しかし、これまた時間と労力と根気が必要なので悩めるところ(東京都の業態転換支援は満額承認、持続化補助金コロナ特別対応型は一度不採択、今リベンジで再申請中)。

以上、①〜⑲、今取り組んでいること、これから取り組むことが入り乱れてるけど、どれも積極的な意思があり、わりと現実路線に乗っている。内装業を除いて、これを僕と社員1人とランチ出勤のみのスタッフ2人の合計4人で走らせている。そして近いうちにディナーの通常営業も始まる。



つまり、今、最も重要な取り組みは、

⑳採用

なのだ。

そして、今、最も重要な新しい挑戦は、

㉑外注(業務委託)

なのです。


バレンタインコレクションのお知らせ

「バブカ」というパンをご存知でしょうか?東欧や中東にルーツを持ち、ユダヤ人コミュニティで生まれた甘い編み込みのパンであり、ニューヨークでの流行とともに日本でも見かけるようになりました(最近ではコンビニでも)。

シンプルに言えばチョコレートデニッシュになりますが、セブンイレブンとローソンではそれぞれ形状が違っていたりと明確な定義はないように思えます。東京ロマンティックベーカリーでもオリジナルなバブカを自分たちに作ってみようと試作してみたのですが、これがとても美味しく出来上がりました。

そんな経緯もあり、東京ロマンティックベーカリーではこの「バブカ」を中心にバレンタインデーコレクションをメニュー化することといたしました。

バブカにはオリジナルにブレンドしたマスカルポーネソースと自家製のベリージャムをお付けし、またチョコレートベーグルも2つ、このコレクションに加えたいと思います。

今年のバレンタインデーは東京ロマンティックベーカリーの「バブカ」はいかがでしょうか?

バレンタインデーコレクション(バブカとチョコベーグルのセット)tokyoromanticbakery.com

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この商品は2月12日(金)に一斉発送し、2月13日(午前着)のスケジュールでお届けいたします。もし違うスケジュールでのお届けをご希望される場合は問い合わせページにて別途ご連絡いただきますようよろしくお願い致します。

今こそ飲食店×Shopify(ショッピファイ)②「HPない問題とHPほったらかし問題」

今こそ「飲食店×Shopify(ショッピファイ)」というタイトルでブログを先日書きました。

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飲食業の人間として、webやECに全く知見のない素人として、逆にその立場を一つポイントにShopifyを考えていきたいと思っているのです。飲食業に限らず自営業全般に通ずる部分もあるかもしれませんが、少なくとも「Shopifyについて知らないけどECには触れたことがある」という方には全く役に立たない記事になると思いますので、あらかじめご了承いただければと思います。

まず第一に僕はShopifyをECプラットフォームと捉えていない部分があります。「サーバーが頑丈で、デザインとカスタマイズ性が強く、簡単にECサイトが作れるサービス」がShopifyの強みであり魅力なのだと思いますが、ECサイトという部分に捉われずに考えると「決済システムを持ったホームページ」と切り取ることができると思うのです。言い換えれば「販売能力のあるホームページ」です。

飲食店の多くがSNSを活用し、あるいは食べログなどグルメサイト内の情報をホームページ代わりとしています。実際に最低限の情報や予約受付に限ればこれで事足りますが、それがこれからもすっと継続していくかと思うと疑問です。また飲食店が店内飲食だけにとどまらず、テイクアウトやデリバリーの充実や、自社のオリジナル商品の販売、スペース貸しなどの横展開、あるいはコンサルなどを視野に入れた場合、当然SNSやグルメサイトでは情報を網羅できません。上記のような幅を目指す飲食店が多いとは思いませんが、コロナが飲食店に示唆しているのは飲食店のそうした脱皮なのではないかと感じなくもありません。少なくとも僕自身はそうだと思っているし、そっちのほうが楽しそうだなとも感じています。

そう考えると仮に個人飲食店であってもホームページは必須だと思うのですが、そこに立ちはだかるのは「HPを作ったとしても更新しない、できない問題」。個人飲食店の中で自社のHPを持っている割合はどれくらいでしょうか。今時のお店であれば持っているお店が多いと思うけれど、全体でならせば30%にも満たないのではないかと思っています。そして、HPを持っているお店でも情報更新やお知らせを継続的に配信できているのはごく一握りではないかと思います。実際にJ×Jもそうで、ほとんど放置してしまっているのが実情です。

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更新しない、できない理由は「時間がない」、「更新する内容がない」、「SNSと比べて投稿が面倒」等々、ワードプレスなどを使っていると「そもそも操作がわからない」などのパターンもあるかと。「飲食あるある」どころではない「あるある」だと思います。

でも、この「あるある」って飲食だけに限らないと思うのです。そして、それを解決するために僕はShopifyを活用してみようと企てているのです。

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Enjoy eat.vol④エンジョイベーグルパーティー

緊急事態宣言下、J×JのEnjoy eatキャンペーン。

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お弁当、店内のランチと続いて、今回は「東京ロマンティックベーカリー」においてのEnjoy eat。何ができるかなあとあれこれ考えましたが、ベーカリーにおいて一番イメージしているのは「ファミリー」なので、そのイメージに則ってEnjoy eatを表現していきたいなと。そこで思い浮かんだのは「ベグパ」。

www.youtube.com初期の段階でもご提案しているのですが、複数のジャムやソースや具材を用意してベーグルをちぎって、いろんなバラエティを楽しむというのがけっこう楽しいし、盛り上がるのです。タコパと同じノリですね。

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けれどもご家庭でジャムやソースを複数ご用意するのは少し難儀かなと思うわけです。当然余るし、そうなったら冷蔵庫のスペースも圧迫されますし、かと言って使い切りサイズで販売しているものでもないので。そこで、今回のEnjoy eat collectionでは8種類のミニミニサイズのジャムetcをご用意させていただきました。

◆チョコレートソース

◆ブルーベリージャム
メープルシロップ
◆キャラメルクリーム
◆鶏ひき肉の甘口カレー
ツナマヨコーン
◆手作りミートソース
◆自家製ベイガンバルタ(茄子とトマトのベジタブルカレー)

甘いものと甘くないものを4種類ずつですね。こちらを小瓶やプラカップにお詰めしてベーグルと一緒に配送します。これに加え、ベーグルだけでなくチャパティもご用意。チャパティはインドの薄焼きパンでカレーと合わせるのが定石ですが、クレープ感覚で甘いものと合わせるのもOKです。

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ので、正確に言うなれば、ベーグル&チャパティパーティーですね。

さらにさらに、こちらのメニュー、2月7日まで送料無料となります(商品自体は税抜きで3,000円です)。この機会に是非、東京ロマンティックベーカリーのベーグルを、そしてベグパをお試しくださいませ!下記がサイトのURL、その下が商品ページのURLです。

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Enjoy eat collection/ベーグルパーティーセットtokyoromanticbakery.com

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このセットでカップルやご家族でわいわいしながら朝食やお昼を楽しんでほしいなというのがシンプルな気持ちではありますが、あえて少し真面目なトーンなお話するなれば、今回の取り組みを通じて「こ食」について考えてみたいという想いも少なからずあります。

孤食/小食:孤独を感じる食事・子供が一人で食べる食事
◆個食:家族で食卓を囲んでいても違うものをそれぞれ食べてる
◆固食:好きなものばかり食べる

これらが絶対的な社会問題ではあるとも思っていませんが、「食」を通して代謝されるのは「食」そのものだけではなく、食事を通じて生まれるコミュニケーションもまた「食」の魅力かなと。時短と外出自粛が求められる今だからこそ、日常の食卓にはあまりないちょっとした特別感とアクセントをエンジョイしてもらえたら嬉しいなと多国籍・無国籍料理店のパン屋さんとして切に思っております。

J×Jの内装事業は実際のところどうなのか。

J×Jでは飲食業の他に内装事業も展開しています。スタートしてからもう2年半になります。

では実際、J×Jの内装業はどうなのか。

一言で言えば、健全にうまくまわっていると思います。去年一年、飲食が干し上がる中、内装に関しては案件が途切れることなく稼働し続けることができました。とは言っても僕は専らバックオフィス業務ばかりで(特に去年は)、仕事をまわしながら信頼、訴求、遠心力を高めたのはひとえに責任者・担当者であるハヤカワです。内装事業は飲食以上に横のつながりや連携に依るところが強く、コロナ禍においてもよりその性質が色濃く映し出された一年だったと思います。

コロナが暴れ始め、オリンピックの延期が決まったあたりでは「今すでに動き始めている案件はそのまま突っ走るだろうけど、そのあとはぴたりと動きが止まるんじゃないだろうか」という懸念もあったけれど、実際は動きが止まるどころか、むしろ活性化したのではないかと思うほど、多種多様な案件に取り組むことができました。

緊急事態宣言下での渋谷のイタリアンの客席増設工事、喫煙スペースの設置、テイクアウトに対応するための改装、飲食店の撤去工事、店外スペースの有効活用、換気システムの改善、お持ち帰りも可能なたこ焼き居酒屋の新店オープンなど、世相を色濃くタイムリーに反映した案件・事案が多かったように思えます。リモートの加速、オフラインビジネスのリスク、オリンピックの開催如何を考えれば今後、業界全体がどうなっていくかは未知数であるにせよ、小規模事業における上記傾向は今後も続いていくのではないかと。

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テイクアウト主体のたこやき居酒屋@新宿

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2階席増席及び個室造作@渋谷

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セントラルキッチンから実店舗への転換(塗装)@白山

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事務所のアクリル板設置@吉祥寺

J×Jの内装事業の今後の方向性としては上記のような事例を積み重ね、世の中のニーズや動きに俊敏に反応できるような「きめ細やかさ」を重要視していくことになると思う。飲食店の新規出店の減少や地方の空きスペースのリユーズの増加もさることながら、リモートが加速していく中で、オフィス利用の縮小・撤退の加速も必至であり、空いたオフィス物件がどのように活用されるのか、活用しうるのかにアンテナを張り、先行して事例を作ることにも注力していきたい。

それともう一つ。事業のスタートから2年半が経ち、その過程の中で「チーム」がぼんやりと構築でき始めている。内装事業に遠心力を持たせていく上でこれは非常に大きいことで、当然、案件を請けられる量と幅が変わってくる。根本にあるのは信頼関係で、一朝一夕では築けないものであり、2年半の成果なのだと思う。担当者であるハヤカワ自身は造作工事を得意としているのだけど、仕事の共有と共同がうまくまわっていて、いい意味で「なんでも屋さん感」が顕在化している。このチームビルディングの強化も今後の内装事業の重要なテーマ。

というわけで、飲食よりもずっとうまく運営できております、苦。J×Jの内装事業も引き続きどうぞよろしくお願いします。


今こそ飲食店×Shopify(ショッピファイ)①「素人だからこそShopify」

Shopify(ショッピファイ)については去年からちょこちょこ取り上げてきました。

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今後、自分が飲食店をベースにJ×Jを多角化、多面化していく中で欠かせないツールだと思っていて、だからこそ営業もそっちのけでショッピファイの活用に取り組んできたわけだども、正直、これもまた中途半端感が否めない。未だに毛さえ生えていない素人だ。

それでもちょくちょく「ショッピファイってどうなんですか?」と聞いてきてくれる友人や知人が何人かいて、素人ながらに知ってるかぎりは共有し、こういう活用法があるんじゃないかと提案したりしている。他のECと何が違うのかなどはネット上に溢れかえっているのでそちらをご覧いただければと思うし、繰り返すようだけども僕自身、ショッピファイならびにECの知識はほぼ全くない。けれども、ショッピファイをベースに東京ロマンティックベーカリー健康で文化的な最低限度の激辛飲食店を構築したのは事実であり、後者はこれからとして、前者はとてもよく働いてくれている。


少し前までは「もう少し知識をつけてから、あるいは実績を作ってからショッピファイについて取り上げよう」と思っていたけれど、結局、僕自身のレベルは全くアップグレードしないまま早半年が経とうとしている。多分、基本的にはずっとこのペースで、ドラスティックな正直、あまり見込めない。

そこで考え方を反転することにした。「いや、むしろこれは素人のままでいたほうがいい」と。素人だからこそ気楽だし、寄り添えるものもきっとあるだろうと。そもそもEC一本で生計を立てるのであればECの知識とテクニックは不可欠だけども、自分と同じような状況にある人にとっては、オンラインはあくまでオフラインの補完であって、その補完計画さえコミットすれば十分なのだ。ウーバーで生きていこうとするならばウーバーを極めなければならないだろうが、副業であればむしろ考えなければいけないのは「どうすればバランスをとれるか」の一点であり、あとはまあ、いい意味で適当でよいのではないかと。適当でいい人がガチのドライバーの助言を請うか、否、多分、そのへんにいる適当な人にどんなものなのかをざっくり聞く程度だろう。というわけで、僕はそれぐらいの温度感の、それぐらいのぬるま湯を真摯に目指していく。

けれど、僕はやはり小規模の飲食店は一度、触れてみてもいいのではないかと思っている。時短を余儀なくされている今であればなおさら。なんならショッピファイじゃなくてもいいかもしれないけど(他のECプラットフォームでもいいのかもしれないけど)、やっぱり総合的に考えると…。

やがてスタンダードになるものも最初は大抵、牽制される。飲食店のようなオフラインの最前線であればWeb系は特にそうだと思うけれど、今、ほとんどのお店がインスタのアカウントを持っているように、小さなお店がショッピファイのアカウントを持っていることが特別ではない時代が来るんじゃないかとどうしても感じてしまう。というか、「時代」だなんてそんな仰々しいものではなく、普通にそうなるんじゃないかと。特に先行者利益があるようなものではないけれど、今のうちに触れておくのはきっと有意義なはず。

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Enjoy eat.vol③「ダ・ヴィンチ・メニュー」と「ハングリーミュージック」

赤弁とほぼ同じ文脈で、

www.journeyjourney-blog.com店内ランチも普段よりゲストが少ないのであれば、普段はなかなか作れないもの、通常のオペレーションに乗せることができないものを出してみようという気持ちになる。加えて、そもそもディナー営業してないので、隙間の時間で新しいメニューに取り組んだりもする。

と言っても、「この機会に渾身の看板メニューを開発しよう」とかそういうテンションに達するのは稀で、むしろもっと身近なものや、ふとしたものに気が向く。「やたら無性にレバニラが食べたい、いや作りたい」、そういう具合で。

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そして、いつもいつもじゃないけれど、たまにとても上手にできたりして「いや、このレバニラ、メニューで出せるじゃん」となる。が、出すことはほとんどない。何故ならば今この状況で「へえ、J×Jってレバニラ出したりするんだ。ちょっと食べてみよう」と思うゲストはほとんどいないからだ。そもそもJ×Jのレバニラは求められていないし(レバニラが食べたければ順当に中華屋さんに行く)、さらにリモートで出勤回数が激減している中、J×Jにご来店いただいてるということは「もともとJ×Jにあるもの」をそもそも目的としてくれている。在宅でエスニックやパクチー食べる機会がないから、とか、久しぶりにジャニ丼が食べたいから、とか。刺激やトリックプレイが求められるのは淡々とした日常を前提としており、リモートによって職場に行くこと自体が特別となればジャニ丼を食べること自体がその時点で非日常だ。仮にそのレバニラが渾身の出来だったとしても、久しぶりにJ×Jを訪れるゲストにとっては解読困難な提案になってしまう。何故、レバニラ?そりゃ、そうだ。




でも食べてほしいんすよ。メニューに出したいんすよ。




というわけで、そうしたダ・ヴィンチ・メニューは通常のランチメニューより200円引きした650円にてご提供したいと思ってます。

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店内では「本日のサービスメニュー」とか「お試しメニュー」という無難な名前でお出しします。

通常より200円安いメニューがありながらも、やはりフォーやカオマンガイをお選びいただけるのであれば単純に嬉しいし、ダ・ヴィンチに流れるのであればそれはそれでJ×Jの新しい提案をお楽しみいただけるというwinwin。「私、普通にパスタ食べたいんだけどな」という女性が付き合いでJ×Jに連れられてきた場合、「あれ、パスタ出してるんじゃん」となるわけで、どこにどんなwinが潜んでいるかわからないというポテンシャルの高い施策になるわけです。


ちなみに今のところ、

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白子とスモークサーモンのクリームパスタ

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ワタリガニとプチヴェールのペスカトーレ

とか、

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五目焼きそば

とかそういう感じです。これから基本的には毎日、ダ・ヴィンチしていこうと思ってます(これがまかりとおるのが多国籍料理店のよいところ。さすがにお寿司屋さんでピザはだせない)。

そして、「食べることの楽しさ」を自分たちなりに表現するにあたり、やっぱり実際に食べてるシーンが最も訴求が高まるのかなと。JTV(Youtube)に「Hungry music」というコーナーを設けて、孤独なグルメを孤独に投稿し続けていこうと思ってます。今はほぼただあげてるだけだけど、がっつりざっくりレシピやポイントをテロップつけてみるのもいいかもとか思ったりしてます。

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ところで今日は先程写真を載せた「白子とスモークサーモンのクリームパスタ」をダ・ヴィンチしてみたのだけど、J×Jの定番メニューにご注文が集中し、パスタは華麗に空振りました。上述したように単純に嬉しいし、マーケティングの勉強にもなります。やはりお店によってそのお店の「文化」ってあるんだなと思います。


そして同時にきっと僕は、さぞ解読困難な表情で、さぞ解読困難な微笑みを浮かべていたのだと思う。

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Enjoy eat.vol②「赤弁」

前回のブログに書かせていただいたとおり、

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できることをできる範囲でコツコツ積み上げながら、留めず、留まらずに少しでも「循環」を生んでいこうと、そして同時に「食べることの楽しさ」や「飲食店ならではの楽しみ」みたいなものを表現していきたいと思っております。できることが限られているからこそできるのだろうし、今のJ×Jにとってはそれが一番かつ、ギリギリの孝行でしょう。

一番最初に考えたのは「赤弁」。赤字覚悟弁当ではなく、赤字確定弁当。言わばただの安売りです。J×Jにとって手痛いのは緊急事態宣言に伴う時短ではなく、それにリモートの再加速で、最後の防波堤であるランチや弁当販売がさらに窮地に立たされることになります。ジリ貧で切羽詰まったお弁当を販売しても仕方ないので、普段はやらない、やれないようなお弁当を作った方がこちらとしても楽しいし、ゲストも楽しみにしてくれるのではないかと。

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炙り大トロ弁当500円

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鰻弁当500円

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ミディアムレアステーキ弁当500円

こういった感じではありますが食材特化ではなく、赤たる所以はボリュームでもいいし、品目数でもいいのかなと。幸い、ほとんどが即完売するので機能していると思うのですが(カツ丼を逆転させた逆さカツ丼の売れ行きはあまりよくなかった)、中には「これ食べたら赤字になるの?」と心配してくれるゲストもいるので(当然それで売れ残った方が赤は膨れるのだけど)、もう少し赤弁が定着したら「黒弁」も展開しようかなと企てております。

勿論、力を入れているのは赤弁だけでなく、他のお弁当も工夫していきます。いつもお弁当は朝の短い時間で大量生産するので、どうしてもオペレーション重視のメニューになってしまうのですが、南米の定番メニューだとか、アフリカ料理だとか、できるだけやりたい放題やっていきたい。ので、普段J×Jでお弁当をお買い上げいただいてる方はこの機会に是非冒険していただきたく、また、不要不急の冒険はノーサンキューという方はご近所の中華屋さんが唐揚げと生姜焼きがボリューム全開でついて500円という「赤だろう弁当」を販売されてらっしゃるので、そちらをお求めいただければと存じます(ボリュームほんとにすごいっす。唐揚げだけでも赤ではないかと…)。

J×Jの赤弁ならびに台東1丁目13番地の経済をどうぞよろしくお願い致します。




Enjoy eat.vol①「極めて極めた微力ながら」

緊急事態宣言発出から早くも10日が経ちました。ディナータイムの営業が事実上なくなり、本来であれば時間はたっぷりあるはずなのに、仕事の山を切り崩せないまま足踏みしております。圧倒的に行動して、圧倒的にやっつけていきたいのに、圧倒的にやっつけられてます、困ったものです。ただまあ年明けから今に至るまで怒涛の展開だったのでそれも致し方なし、というかほぼ確定申告による忙殺(というか一年分ほったらかしにしていたのが悪い)、それもある程度片がついたので、改めてじっくり積み上げてまいります。

昔、知り合いの飲食店の経営者が「ある意味、文句言うのが自分の仕事」と言っているのを聞いて、なるほどなあと感じたのを記憶してます。運営の方法やマネイジメントはそれぞれの考え方あるでしょうから、いいか悪いかはさておき、「文句」というのが仕事になることもあるのか、と思ったわけです。同時に、でも「愚痴」は仕事にはならないだろうな、とも思いました(「愚痴を聞く」のはもしかしたら仕事になるかもだけど)。

そして、「文句」を生業やミッションにしている方々が一定数いるわけです。文句業界の大手と言えば、マスコミや野党の方々でしょうか。文句業界の筆頭格なのであれば、意義とセンスのある文句を披露していただきたいところですが、まあ毎日文句ばかりを言っていればいくら達人と言えど切れ味は落ちてくるでしょう、ただ不毛な泥仕合は避けていただきたいと切に思います。

というわけで、文句はプロの方に任せておいて、自分が何をすべきかで言えば「感謝を伝えること」や「感謝を何かに表現・還元すること」だなと思ってます。美辞麗句ではありますが、というよりは、ちょっとした気不味さの方が近いかもしれないです。補償については色々と物議を醸していますが、少なくともJ×Jは今回の補償で応急処置されたわけだから、少なくともJ×Jはその謝意を表明すべきであり、何かしらの形にしていかないと、と思ってます(文句は声高になり、感謝の声が潜まるのはいかがな世の中か)。補償をもとに仮に家でゴロゴロしているだけでも一応、感染拡大防止の一役は担っているし、クビを切らなければ「雇用維持」という意味合いで少なからず貢献している。でもそれでいいのだろうか、と個人的には感じてます。それはちょっと単純に気不味い。家でゴロゴロしているだけでは何も生まないし、何も循環されない。

では、何をするか。正直、できることは限られている。ディナーは事実上休業中だし、フルの飲食スタッフは一人しかいないし、今回の補償は手厚いと言え、そもそも去年、がっつり借金背負って、ばっちり赤字を出してるわけだから、予算もたかが知れている。けれどだからと言って、無為無策ではいられない。だから、

①平日のお弁当販売
②細々と平日店内ランチ
③東京ロマンティックベーカリー
④ほぼ全く運用できていない『健康で文化的な最低限度の激辛飲食店』
⑤ウーバーイーツ

この5つに関しては少なくとも動かせるわけだから、それぞれのセクションで自分なりの還元に取り組んでいきたい。そして、極めて極めた微力ではあるが「飲食」に循環をもたらしたい。僕個人の考えだけども飲食における最上位は「楽しい」にあると思っている。いくら感染が拡大しようとも、いくら不毛な文句が飛び交おうが、どれだけ社会が軋もうとも、というか、そうであればなおさら飲食は「楽しい」を表現しなければならないのではないか、と。「1人で外食するなら問題ないのではないか」という意見に賛同が集まっていて、飲食の人間として有難い一石だなとは思うけれど、どの店にもそれが当てはまるかというとやはりそうではない。それぞれのお店にそれぞれのお店が目指す「飲食」の在り方がある。

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ひとりでひとりを味わせてくれるお店があり、それとは違う味わいを目指す店がある。文句言ってる場合でもないし、ましてや愚痴なんて言ってる暇はない。家でゴロゴロしている場合でもなければ、確定申告に追われている場合でもない。


J×Jは緊急事態宣言中、極めて極めた微力ながらEnjoy eatキャンペーンに全力で取り組んでまいります。詳細はまた別途、追ってお知らせいたします。

 

 

親愛なる密へ-2020年1月、世界一美しい街編-

ちょうど去年の今頃、ハンガリーオーストリアチェコ、ドイツを5泊6日で爆走しました。

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2012年の世界一周以来のヨーロッパ、寒かったけれどオフシーズンということでホテルは安いし、観光客は少ないし、僕的には最高でした。

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けれども美しい風景や荘厳な建造物より何より印象的だったのはチェコの「世界で一番美しい村」と称されるチェスキー・クルムロフでふらっと入った酒場です。ここでの時間が最も楽しくて、心から心打たれました。

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最初は静かに飲んでいたのですが、そこにふらっと流しのバンド(と言うのかなんというのか)がやってきて、

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徐々に場があったまってきます。

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そして、狭い店内でお客さんが踊り始めます。

最終的には、このどんちゃん騒ぎ。

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一年経った今、これを見るといろんな感情を通り越して、何だか悲しくなってしまいます。密閉、密集、密接の三冠達成、おまけにはち切れんばかりの大声と、今であればオールNG、全員、国賊扱いになるでしょう。


この一年で在り方は劇的に変わり、ニューノーマルと折り合いをつけることが正解で、それに寄り添っていくしかないのが現状。その過程の中で、物理的な距離とは別の領域を通して(デリバリーやECなど)、新しい発見や感謝を見出せたのは事実であり、それはとても嬉しいことではあったのだけど、でもやっぱり、興奮とか感動というのは往々にして、密なるものから生まれてくるのではないかと思ってしまいます。


距離を取れ、
声を潜めよ、
動きを止めよ、


と言われ続けた一年、それはまだしばらく続くだろうし、酒場の店主としては非常に堪えることではあるけれど、だからこそより耳を澄ませていきたい。ニューノーマルに隠れて脈打つ「密」の大切さが枯れないように、粛々と働く。


俺ははやくあの密な酒場で、また密なビールが飲みたいよ。恥ずかしくて踊れなかったけど、今度は思いきって踊ってみようと思うよ。酔って、踊って、伸びきったディスタンス、縮めようじゃないか。