Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

ジャーニー×ジャーニーはパン屋さんをはじめます。

J×Jは9月よりパン屋さんをはじめます。お店の名前は「東京ロマンティックベーカリー」。J×Jからスピンオフしたオンラインベーカリーです。

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パンを焼いてくれるのはスタッフのゆかさん。ゆかさんは長年、パン作りに携わってきた方で、去年の夏からJ×Jの2号店でお弁当作りを担当してもらっています。パン屋さんの経歴が長いゆかさんにとって、多国籍料理店のメニューは新鮮で、ものすごいスピードで料理を習得していったのですが、同時にゆかさんのパンを大々的にリリースする機を伺っていました。

年明けから、2号店のお弁当の一つとしてメニュー化し、、これをECサイトで展開しようということになったのが5月頃。他の取り組みや助成金の活用などと並行しながら準備を進めてきました。まだまだブラッシュアップの余地はあるものの、いったん完成させました、「東京ロマンティックベーカリー」。

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こちらはスマフォで開いた場合のTOPページ

店名の由来だとか、パンのラインナップについてはサイトをご覧いただければと存じます。

tokyoromanticbakery.com

一点、お知らせになりますが、8月末現在、焼き手であるゆかさんが家庭の(幸せな)事情で一時離脱しています。9月の第3週に復帰予定ですが、復帰を待たずにお店をオープンすることになります。それまでの間はメニューは「自家製ベーグル6個セット」のみとなります。メニューが一つしかなくて恐縮ではありますが、

オープニング記念として、

①送料無料

②自家製の燻製帆立ジャム(ミニサイズ)

の特典付きとさせていただきます。

自家製ベーグルは今後、「東京ロマンティックベーカリー」のスタンダードアイテムとして推していく予定のメニューでございます。この機会に是非、ご賞味くださいませ。J×Jのオンラインベーカリー「東京ロマンティックベーカリー」をどうぞよろしくお願い致します。

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今まで何をしてきたのか②

自分なりに粘ってみようと思ったものの、貸切がどうとか、なんとか打開策を、とかそういう話ではなく、飲食店運営そのものが立ちゆかない。そうした重大局面に直面した。この時はまだ補償も曖昧で、そうしたフォローの部分の極めて不透明であった。自力でなんとかするしかない。

この時、同時に起こっていたのはトイレットペーパーの買い占め騒ぎだった。そして、ロックダウンや東京封鎖という言葉が独り歩きしながら横行していた頃で、スーパーマーケットに押し寄せる様をメディアはこぞって取り上げていた。こうした動きを横目に見ながら、「そうか、モノは売れるのか」と強く感じ、ここに活路を見出そうと考えた。「モノ」を作ろう、と。もうこの頃には飲食店のテイクアウトへのシフトも取り上げられるようになっていたが、それについてはあまり考えなかった。今ここでテイクアウトを打ち出しても埋もれるだろうという懸念と、もう一つは店内体制的に難しかったということ。それまでいた社員が退職し、4月1日付けで飲食未経験の社員が入社することが確定していた。限られた条件で乗り切っていかなければならない。

という流れの中から「物販」を始めた。オリジナルの調味料を作って、おうちごはんやSTAY HOMEに訴求しながら、お店にすでにあるモノを買ってもらうためにはどうすればいいかを考えた。そして、自店の商品だけでなく、店外の人にも関わってもらいながらプロダクトを広げていった。海外ビールやワインなどの酒類(免許取得)、レシピ本、アチャール、エコバッグ、エアコン清掃、Tシャツ、小説など。そのようにして「商品」をある程度作ったのち、日程を絞って、デリバリーを始めた。デリバリーには当然、物販だけでなく、FOODメニューも含みながらであり、「おせち」など特別メニューを用意した。

GW明けはオンライン販売をどうすれば構築できるかに集中していったが、これについてはスピード感を持つよりも助成金を活用した方がいいと考え、少し慎重に考えることにした。どの助成金を、どのように活用するかを考えながら、2,3か月先を見据えて、どのような体制を組むのがいいのかを模索した。4月からの取り組みの中で思ったのは店舗運営という枠の中で活用できないまま、手つかずだったものが多いということ。こうしたリソースを咲かせるにはどうすればいいかが主題であり、すこし話を膨らませるならば「自分の経済を自分で作り、自分で循環させる」ということになる。と言うと、少し話が抽象的になるけれども、スタッフがそれぞれ自分の強みを生かして自分の商品を作り、売り、それを通じて通常営業やオンライン販売につなげていく、これが入口となる。そして、その試金石を7月25日の5周年を兼ねたフリーマーケットに据えた。


6月から7月時点の検討項目は「通常の店舗営業をどうするか」という飲食店としての前提について。最も大きな選択となるのは2号店のディナータイムをどのタイミングで開けるか。そもそも開けないという選択肢もあったが、結論、7月下旬に再開することとした。いずみの調理習得や本店を含めたグランドメニューの変更、コンセプトのマイナーチェンジ、コンテンツの策定など、7月はこうした部分に注力した。

 



こうした流れの中、今、8月を迎え、気付けばあと一週間。どこにどうアクセルを踏み、どこにどうハンドルを切るか。今が最も悩ましい。少年時代を経て、思春期なのだろう。

https://jjakihabara.thebase.in/items/32492327

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今まで何をしてきたのか①

先週、3連休だし、お盆だしということでまあ暇だろうと見越して、今後どうなるんだろうなということをちょっと文章に起こしてみようと書いてみました。実際にはマクロが今後どうなるかなんていう見立てにさほど意味性はないのだけど、あえてそういうところから掘り下げて、それを踏まえ、自店はこれからどうすべきか、みたいな部分にアプローチしたかったのです。

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電通さんはコスト削減効果で6月中間で157億円の黒字とのこと。失礼しました。

楽天さんは売上収益は過去最高の前年同期比15.4%増とのことでしたが、携帯電話事業などの先行投資が響いて、274億円の赤字とのこと。失礼しました。

でも実際にはそもそも先週、何気に忙しくて、というか長期休暇中ということで旧友がけっこう飲みに来てくれて、大分酔っぱらないながらの記事となってしまいました。

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というわけで、今のムードがだらだらと続くかぎり、けっこうシビアなんじゃないのかと、わりと僕は悲観的です、日本経済も、店舗運営も。で、じゃあどうするか、なのだけど、その前にこの半年の流れをちょっとエクストリームに振り返ってみようと思います。

職業柄、そして1月中旬に僕自身がヨーロッパを旅行していたから特に、だと思うのだけど、1月下旬には「コロナやばそうだなあ」と意識してました。2月に入って、屋形船から東京での最初の感染者が確認され、それから一週間経たないうちに2月後半の貸切のキャンセルが発生。これを皮切りに既存の貸切予約がほぼ全て消失。これが2月15日〜20日の間の出来事で、社員採用をどうするかの真っ只中だったということも相まって、この半年間の中で最もシビアな局面だったと言える。さらに言えば、この時まだ僕は「事業所立地で、かつ団体利用をメインにしているお店」だけが業火に焼かれると思っていて(まさかここまで広範囲にわたり、甚大な被害をもたらすとは思わなかった)、それがまた一層と精神に響いた。

一方、コロナ禍の初期においてホワイトアウトしたことが逆に幸いして、2月最終週の時点で融資を取り付けることにできた。この点は非常に大きい。ここでの初動が遅れれば、僕はもっと深刻に追いつめられることになったと思う。融資をめぐる2月末の攻防は僕の中ではかなりインパクトがあって、今年一年を象徴するかのような一週間だった。この時に何が起こったかについてはまた別の機会に記したい。

融資の実効を受けた3月上旬、J×Jの主力商品である「貸切」を見切るか、否かの判断を問われる。難しかったのはまだ楽観論もあり、少なからず貸切の問い合わせがあり、少なからず予約が入っていたことだ。脱貸切に踏み切るのであれば、荒業を繰り出さなければならなかったが、ここで少し二の足を踏んだ。電光石火で振り切ればよかったとも思うが、さほどの抵抗にならなかっただろうとも思う。結局、3月以降に入った貸切予約も程無くして全てキャンセルとなった。「これはもうあかん」と腹を括った。

一の矢は「20毛作レストラン」。

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この取り組みはプレスリリースまで使った(広告費まで使った)。そして時同じくして、下記のような動きも見られた。

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僕自身はここで初めて「三密」という概念を知った(この記事ではまだ「三原則」と呼ばれている)。大阪府による公的な発言だったこともあり、もしかしたら風向きが変わるかもしれないと思った。そして、「換気と、一定の距離と、大きな声さえ回避すればいいのではないか」という算段のもと、貸切は貸切でその線は残すことにした。貸切がNGなのではなく、「密」がネックであり、人数の問題ではない、と。30人規模のスペースに30人が集まることが問題であり、30人のスペースを10人が使うことはそれほどリスクではないのではないか。この流れの中で、20毛作とともに貸切の人数の緩めるという対応をした。

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この時点では20毛作と貸切人数緩和を中心に、何とか乗り切っていこうと思っていたが、翌週、脆くも崩されることになる。

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貸切がどうとか、なんとか打開策を、とかそういう話ではなく、飲食店運営そのものが立ちゆかない。まさに重大局面だった。


【アキバ系路地裏経済論】丸い刃はなお痛い編

「怖いのはウイルスではなく人間だ」だとか、「これはもはや人災だ」だとか言うけれど、ヒトの一つ一つの言動や表現が怖いというよりも、その手前にある「ムード」(気分・情調・雰囲気)の方がよっぽど厄介に感じる。そのムードを何が作っているかと言えば、それはやはり政治であり、メディアであり、SNSなのだろう。テレビやワイドショーが槍玉に挙げられるが、現状、ネットだって同じようなものだ。

東京都が飲食店に対して22時までの時短営業を要請することそれ自体や、実際に都内の飲食店がその要請に従ったり、無視することはそれほど問題ではなく、むしろこれは飲食店に向けた要請というよりも、ゲストの行動制限を喚起するものであり、実際、効果覿面だ。22時に飲食店がシャッターをおろすかどうかは感染予防の肝ではなく、この時短要請により「そもそも飲みに行くこと自体が気まずい」というムードを間接的に作れる方が有効であり、実際にそうなってる。大学生の時に(もう20年前だ)、男女2:2の4人で飲んでいて、A君はBさんを狙っていたのだけど、A君は飲みの間、Bさんにアプローチはせず、徹頭徹尾、僕を酔わそうとしていた。俺を酔わせてどうするんだろうなと思っていたけども、僕はあっというまにAに酔わされてしまい、またCさんも道連れで酔っ払い、僕とCが沈没したのち、AはBさんと二人きりの時間をゆっくり楽しんだ、ということを後日Aに聞かされ、僕はなるほどねえ…と感じた。

今のこの時短要請もまた、まさにそういう感じだ。そして今後も行政はそのような方策を取り、そのような方策を取られることになるだろう。直接的な働きかけをするとその分、角が立つが、間接的に「ムード」を作るのであれば、それは自然発生的な現象として認知される。丸い刃はなお痛い。

新型コロナウイルス自体もまさに同じようなもので、実態を飛び越えて、ムードによって思考や行動が支配されているような感がある。実際に未知のウイルスなので、イメージが先行してしまうことは仕方ない。けれど、ひとえに新型コロナウイルスと言っても、武漢型、ヨーロッパ型、東京型などの説が唱えられているように、それぞれに特性があり、おまけに変異していくものである以上(明確ではないけど多分そうでしょう)、掴みようがない。対応しようがない。もう早くも半年が経っているのにも関わらず、対抗策は未だにマスクとアルコール消毒のみであり、逆に言えば、マスクとアルコール消毒のみで超過死亡を抑えられているとも言える。


8月16日時点での新型コロナウイルスによる国内の死亡者数1093人。アメリカは16万人、ブラジル10万人、メキシコ、イギリス、インドが5万人前後。この数字をどう捉えるか。と言うか、日本はどこを出口としているのか。感染者ゼロなのか、集団免疫なのか、医療崩壊の回避なのか(崩壊とは何を指すのか、回避とは何を指すのか)、超過死亡なのか。逆に言えば、今の日本にとってどうなることが「最悪」であり、今の日本にとって何が最も忌むべき「恐怖」なのか。把握しているだけですでに解雇や雇い止め4万人、実際はもっとたくさんいるだろうし、これからもっとたくさん出てくるだろう。それにこれは失業者の数ではない。「ちゃんと届け出を出してる、ちゃんとした会社が、ちゃんと解雇した人数」だ。ここに該当されない人なんてごまんといるだろう。

当然、失業や廃業は実体経済に直結するので、この動きを阻止するためにあれこれ手を打っているのだろうけども、それよりも優勢となる概念はやはり「死亡者数」であり、「超過死亡」。しかし一時流布されたように、コロナが感染即重症化、感染即死亡という無差別殺人ウイルスではあればともかく、現状、少なくとも日本においてその様相はない。これからまた後遺症がフォーカスされてきそうな気配はあるが、現時点においては「致死率は持病の有無や合併症とともに高まる。一方、若年層の重症化傾向は見られず、感染力は強いが回復もする」というのが一つ、明確な事実だろう(30歳未満での死者は基礎疾患のあった力士の方1名のみ)。そして単純な統計で見るならば、どういうわけか日本の超過死亡は各国と比べて歴然と少ない。と考えれば、現状における最上位は超過死亡者数を抑えるというよりは「高齢者がコロナによって寿命を縮めれることを回避する」だ。今、前代未聞のこの禍いの中心に位置しているのはこの点に集約されている。


では、今の世の中のムードは「高齢者がコロナによって寿命を縮めれることを回避する」という至上命題に基づいているだろうか。おそらくは否だろう。テレビやネットはともかく、何故か政治すら、このムードを主導しない。なんでもかんでも政治に委ねるのは適切ではないと思うけれど、目標が明確なのであれば、照準を絞り、課題をクリアするための施策を打てばいいのではないかと思う。というか、政治以外、それを決断することも、促すこともできない。が、しかし、誰も明確なステートメントを出さない、出せない。叩かれなくないし、責任を取りたくない。というわけで、一体何がどうなってるのかよくわからないまま、全体のムードはいっこうに上向かないまま淀んでいる。高齢者の餅や小児の誤飲などが該当する「不慮の窒息」による年間の死者8,000人、これに対して、炎上も自粛もなく、排斥もボイコットもなく、メディアは特集も組まず、社会問題にもならないまま、きっちり8,000人が亡くなり、我々は毎年、何も考えずに餅を食べる。そして、餅はいつも美味しい。

シルバー世代は「お金の使い道がない」と言う。「代わりに相続について考える時間が増えたよ」。これでいいのだろうか。生ビール1杯200円の居酒屋に若者が押し寄せたところで経済はまわらない、叩き売りしている宿に宿泊したところでびくともしない。消費税を下げたところで、貧困層はそもそもお金を使わない、というか使うお金がない。消費税を上げたところで、不動産や土地を始めとした、ありとあらゆる「ブランド」の価値が曖昧な中で、増税は有効だろうか。オンラインマーケットと巣籠り需要が飛躍したとて、廃業と解雇を食い止めることができるだろうか。一刻も早く、お金を使える人がお金を使えるムードを作らなければならなくて、今の中途半端は結局、全てを中途半端にして、全てが中途半端にマイナスであり、中途半端にネガティブだ。丸い刃はなお痛い、のだ。

お盆が明けて、少しはムードが変わるだろうか。それともこのまま中途半端なムードだろうか。それはわからないけれど、僕は僕でやれることをしたいということで、新たなに取り組みに挑戦している。

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チャゲアスの『YAH!YAH!YAH!』の一節、「丸い刃はなお痛い」という歌詞をTシャツにしてみた。

 

https://jjakihabara.thebase.in/items/32745608


世の中のムードは作れないが、J×Jのムードは少なくとも僕が作っていかなければならないのだ。丸い刃に弄られるわけにはいかないのだ。



【アキバ系路地裏経済論】今後どうなるだろうか③

前回、前々回の記事で書いたのはウチとはほぼ関係のないような、馬鹿でかいスケールでの話だけども、この路地裏の小さな飲食店も大体同じような展開をすでに辿っている、あるいはこれから辿ることになるんじゃないかと思っている。未曽有の危機に直面し、政府が一定の補償を出す、銀行が積極融資を打ち出す、その間に自分たちにできることに努める、けれども自力には限界がある、銀行も渋り始める、政府や公的機関も「あとは個々で工夫を…」となる。こういう軌跡を描くことになるだろう。

小さな個人飲食店に限ってもう少し具体的に言うと、順番は個店差こそあれ、「一体どうなってしまうんだろうか?」という不透明な状況から、雇用調整助成金→持続化給付金→感染拡大防止協力金という一定の補償とともに、6月から7月にかけての小康状態においていったん安堵し、おまけに家賃補助の受付も開始され、とりあえず大丈夫そうかなと算段したところに、今度は記録的に長引く梅雨、そして感染再拡大、7月、8月でマイナスを取り返そうとしていたお店の意気込みを摘むには十分ではないかと思う。仮に今の再拡大が収まったとしても、またすぐに同じようにぶり返すだろうと想像するのはもっともで、家賃補助を受給した時点で見切る店が増えても何らおかしくはない。「雇用調整助成金が打ち切られ、この先新たな補償は期待できない、融資額はまだ口座に残っていて、家賃補助はおりた」、ここが最も傷口が浅いタイミングであり(勿論お店によると思うが)、ある意味、最も適切かつ妥当な潮時とも言えるのかもしれない。

経済的な理由だけでなく、経営者や主体者の気力やシンプルなモチベーションにも大きく左右される。まっすぐで、感情量が多ければ多いほど、この不透明かつ流動的な状況はこたえると思う。それに「三密と飛沫こそ大衆居酒屋の醍醐味」と考える店主だって多いと思うし、そういう方々からすれば新しい生活様式や、ニューノーマルなんてクソくらえであり、存続させる意味そのものが削がれたとしても、もっともな話だ。政治家が第三者機関に「政治家の新しい仕事は未知の感染症を抑止することです、それが今の時代のニューノーマルなんです」と一方的に言われたら、一体誰が政治家を続けるだろうか。誰が政治家を志すだろうか。政治家の仕事は国を治めることであり、居酒屋の仕事はお店でお酒を飲んでもらうことだ。

「コロナは感染症というよりは、むしろコロナという時代である」と言う人がいる。そうなのかもなと思うところもあるけれど、一方で、いやいやコロナはあくまで病気の一つだし、コロナが時代を作るのではなく、時代を作るのはあくまで今を生きる人々であり、とりわけ若い人たちでしょ、と思う。どれだけもっともらしいことを言ったとしても、若い人たちが自分の目標なり夢なり積み上げてきたものを一つの病気に振り回された挙句に下方修正したり、取り下げたり、無気力になってしまうことが社会として最も痛切であり、深刻なのではないだろうかと感じてならない。

というわけで、結局のところ、どうなるだろうかを考えても仕方なく、どうしたいか、どうでありたいかを突きつめ、それに即した努力と工夫を積み上げていくしかない。結局、シンプルだ。


【アキバ系路地裏経済論】今後どうなるだろうか②

前回記事、

www.journeyjourney-blog.comというわけで、パツパツとまではいかないまでも、かと言ってあまり余裕もないのではないかと何となく感じます、日本経済。ダムの決壊はありうるし、浸水も起こりうる。少なくともそう思っていた方が無難な気がする。杞憂であることに越したことはない。たとえ国内が乗り切ったとしても、どこかが激震が走ればその津波は日本にも到達する。そもそもアメリカは今実際どうなのだろうか、というかその前に中国は今、何を考えているのだろうか。グローバリゼーションは世界を発展させる強固な矛でもあり、同時に、世界を切り裂く矛でもある。のだろう、多分。

世界は勿論、僕は国内のマクロなこともわからない。が、今、底を支えてるものの一つに雇用調整助成金が挙げられると思う。何故かあまり取り上げられないけど、今の国内の混乱を抑制しているのはきっとこれで、1月より始まったこの助成金は何度となく改訂され、今はかなり充実した内容になっているし、大企業にとっても、中小にとってもフェアな仕組みだ(残念ながらJ×Jは規模が小さすぎてこの恩恵は受けていない、そもそも休業してないし)。

おそらくは雇用と社会基盤の下支えになっているこの雇用調整助成金、9月末で期間を終える。一部からは延長を要請する声も上がっているが、緊急事態宣言も休業要請も見送られている状況で、延長されるのかどうか疑わしい。すでにリーマンショックの影響を受けた2009年度1年分の支給額をたった5か月で上回っている。予算的にどうなのだろうか。また、不正に受給している事業者も少なくないだろう。それは厚労省も承知の上だろうし、いつまでも無視はしないはず、きっと。さらに言えば、仮に延長されたとしても、経営者の気力が尽きたら意味がない。

そして、もう一つは融資。今の積極姿勢にも当然いつか潮目が来る。どこでどう豹変するかは正直わからない。銀行が貸し剥がしたり、貸し渋ったら終わり、そんな企業も少なくないはずだし、そこまでならともかく、嵐が過ぎたあとの回収は烈火を極めるのではなかろうか。

いよいよの長期化がいよいよの現実味を帯びれば、大手は損切に走り、既存事業を見放し、新規事業に乗り出すだろう。しかし、そこにはいくつもの中小や零細がぶら下がっている。ニューノーマルと言えば聞こえはいいが、脱皮には必ず抜け殻が生じる。それに今は旧態依然が残っているからITやAIが映えるが、大船団がこぞってそこに押し寄せれば、そこに本当に拓けた海原はあるだろうか。

STAY HOMEに伴うテイクアウトの盛り上がりの中で、いやデリバリーで差別化だ、いやいやデリバリーも飽和だ、であれば自社のECサイトだ、いやいやいやECサイトは店舗を持たない個人ですでに埋め尽くされてるわ、といった具合で、行く先々でレッドオーシャンを航海して疲弊、これは飲食店の話だけど、ストーリーラインはどこも同じだろうし、むしろ大手で起こるであろうことが今もうすでに起きている、と言ったほうが正しいのかもしれない。勿論全ての業態に当てはまるわけではないけれど、同じような閉塞感が同じように待ち構えているんじゃないかと思う。結局、イチ飲食店として考えれば、酒を飲む余裕、外食する余力があるから飲食店が成り立つのであって、世の中がどん詰まれば当然、飲食もどん詰まる。

こう書いてしまうと何とも暗澹な内容になってしまうけれどもそんなことを書きたいわけじゃない、あくまで「ではどうするか」、なのだけど、その前にもうちょっと深くまで、もうちょっと暗くまで潜ってみたいと思う。


【アキバ系路地裏経済論】今後どうなるだろうか①

3連休とお盆が重なり、世の中的には長期連休、事業所立地に位置するJ×Jはまた一段と暇になるし、今あれこれ取り組んでいることもここで一呼吸置いて、イチ飲食店の立場で今までの振り返りと今後どうなるかを考えてみようと思い立ちました。

けれど「イチ飲食店の立場」、の前に、あえてマクロから入ってみようかと。暇だしね。とは言え、僕は経済のことも、金融のこともほぼさっぱりなので、分析でも考察でもなく、下記はイチ店主が思うただのなんとなくの感想に過ぎません。

8月17日(月)に内閣府が「第2四半期(4〜6月)の国内総生産(実質GDP)」を発表します。GDPというのは「国内のモノやサービスの付加価値の合計金額」。ここもあえて細かくいくのであれば「GDP=民需(フツーの「消費」+企業の「投資」)+政府支出+貿易収入」の合計。正確に言うとなるともっと細かくなるけれど、キリないのでやめます、というか僕自身、よくわかってないっす。ちなみに日本は未だにGDP、世界第3位。人口が多いから。国民1人あたりでいくと25位くらい(中国はGDP世界2位、1人あたりでいくと74位)。

8月17日に発表されるGDP、民間の予測調査では-23%となる見通しとのこと。2011年の東日本大震災では-4%くらい、12年のリーマンでは-17%くらいなんでぶっちぎりで戦後最悪(あくまで予測だけども)。そして、この民間予測では7月〜9月の第3四半期は9%のプラスに転じるんじゃないかと見立ててるけど、6月時点の予測なんで、どうなんだろうなと。

そして同4月〜6月期の大企業の赤字額、JR東日本1500億、三越伊勢丹300億、オリエンタルランド250億、ANA1500億、JAL1000億、こうした企業は直撃系なんでまあそうだよなあというところだけども(にしてもとんでもない額だが…)、電通36億、博報堂30億、CANON88億、パナソニック100億、ホンダ800億、日産2800億、三菱自動車2300億と超ヘビー級の数字が並ぶ。逆にざっと調べた感じ、自動車業界が大混乱の中トヨタは黒字確保(すごい…)、ゲームが堅調なSONYは増、任天堂爆増、ハウス、味の素、森永など食品会社も増収増益、ヤフーは爆上げ、楽天の発表はちょうど今日みたいだけど、間違いなく激増でしょう。

がっつり赤字をたたき出してるところもあれば、この機に伸びてるところも当然あるのだけど、東証一部全体で見ると、数字を発表した250社のうち、71社が赤字、去年と比べて損益が79%減(前年対比21%)らしい。17日のGDP、発表を待たずとも間違いなく絶叫系であり、今さらインパクトなんてないと思うけれどどうなんでしょ(ちなみに日経平均は3月19日の16,500円くらいを底値にその後回復して22,000円台を基本キープ。なんでやねん、と思うけれど、まあそれだけ外部からぶっこまれてるということでしょう。株価は実体経済とは関係ないと言うけれど、にしても露骨では、と思う)。

でも飲食店の多くが「まあ、元通りにはならずとも、夏にはある程度持ち直すでしょ」と思っていたのと同様に、大企業にとってもこの矢継ぎ早の第2波というか、だらだらと続くこの状況は傷をぐりぐりと抉られているような感じなのではないかと思えてならない。大企業だって無限ではないし、公的資金も限りはある。

一方、よく取り沙汰される倒産件数や自殺者数は去年と比べて増えていない。色々あるだろうけれど、この要因を「思考停止ではないか」と書かれた記事を読んで、「まあ言えそうだなあ」と個人的には思った。台風も大雨も警戒こそすれど、かと言って、自宅を出て体育館に泊まりに行く人は少数派で、家の中に浸水してから慌て、「まさか家の中に入ってるとは…」となる。多分、そういう意味ではまだ「真に受けてない」人の方が多数じゃないかと思う。家に閉じこもっていればそのうち過ぎるでしょ、むしろ難しいこと考えなくて楽だわ、みたいな感じなのではないだろうか(これは感染への個々の警戒度や自粛度とは別の話)。

今はまだ嵐による大雨をダムが守ってくれているけれど、降りやまない限り、いつか臨界点が来る。経済のことは全然わからないし、僕自身は楽観主義派で、「まあなるようになるっしょ」と思っているけれど、同時に「でも、このダム、間もなく決壊するんじゃないか」とも思っている。

真に受けても、受けなくても、楽観主義だろうが、悲観論者であろうが、どうにもできない部分が多い一方で、どうにかできる部分も少なからずある。その局地戦で「自分なりに考えて、自分なりに動くこと」が大切で、それが全てであるように思える。その「自分なり」をちょっと掘り下げていきたい。暇だし。


マジカルリターン実施のお知らせ

本日8月8日(土)より2号店にて、Go To Curryキャンペーンをスタート(14日まで)。通常1,700円の世界一周燻製カレーを500円オフの1,200円でご提供しております。

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「燻製」×「スパイス」×「多国籍」の中々のの意欲作でして、この機会に是非お試しくださいませ!!

そして、そのGo To Curryキャンペーンとともに今日、ご来店分から並行して実施するのが「マジカルリターンキャンペーン」です。お店をオープンした1年目の12月〜2月の間に打ったことのある施策で、今回は約5年ぶりのリバイバルになるということです。

マジカルリターンというのは、ポイント還元の一種なのですが還元率50%です。つまり、4,000円のご飲食をされた場合、50%相当の2,000円分のポイントを付与したチケットをお渡しします。その上で、

①初回のお会計以上のお支払いによってチケット利用が可能となります。
②チケットの有効期限は2020年9月末までとなります。

以上2点がマジカルリターンのご利用条件となりますのでご留意いただければと思います。

つまり、今日、燻製カレーとおつまみとビールを何杯か飲んでお会計が3,000円だったとすると、今日のお会計時に1,500円のマジカルリターンをお渡しします。9月末までにもう一度ご来店いただき、3,000円以上ご飲食いただればマジカルリターンが使用可能となり、その2回目のお会計は1,500円引きになるということです。3,000円であれば1,500円、5,000円であれば3,500円になります。

大枠のルールとしては以上のようになりますが、詳細についてはまたご来店時にご説明致します。マジカルリターンの配布はGo To Curryと同様8月14日までとなります。ご来店、心よりお待ち申し上げます!!

Go To Curry キャンペーン実施のお知らせ

7月末より2号店のディナー営業を再開し、8月上旬より世界一周燻製カレーをお店のイチ押しとして掲げております。

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燻製砂肝のダルカレー、燻製海老のタイインドカレー、燻製サバの夏野菜のカチュンバル風、燻製帆立のスパイスコールスロー

おススメのポイントは、①燻製×スパイスという独特なテイスト、②多国籍な内容・構成の2点であり、ここを前面に打ち出していくわけですが、補足するならば、③「燻製ゆえ、おつまみとしてもGOOD」、そして、④「追い飯1杯無料」ということでがっつり食べたい方にもご満足いただける内容になっているのではないかと思っています。

明後日8日(土)から長期休暇に入られる方も多い中、GoToに踏み切る方もいれば、大人しくじっとしている方もいらっしゃるかと存じます。そうした中、J×J2号店では8月8日(土)から8月14日(金)までGo To Curryキャンペーンを実施します。上記、世界一周燻製カレー、通常1700円のところ、キャンペーン中は1200円でご提供致します。これを機に「燻製」×「スパイス」×「多国籍」の独特な世界観をお楽しみいただきたいと思っております!!

注意点といたしましては、

◆8月10日(月)はお休み

◆8月8日(土)、8月9日(日)は13時〜21時までの営業 *本店はお休みです

◆8月11日(火)〜14日(金)の平日ランチは通常営業となり、カレーの提供は致しておりません(通常のとおり、お弁当販売のみです)。

◆上記8月11日(火)〜14日(金)はディナータイム18時〜22時までの間でのご提供となります。*本店は通常営業の予定ではありますが状況により、早めにクローズ致します。


そして、キャンペーン中もカレーの提供だけでなく、通常のディナー営業を実施しておりますので、「カレーには特に興味なくてただ飲みたいだけなんだけどな」という方も勿論、問題ございません。飲みましょう。

以上のようなスタンスで、キャンペーンを展開していく予定ではありますが、いかんせん状況が流動的であり、また2号店の席数が限られているため、事前にお席の確認などお電話いただくことを強く推奨致します。お手数おかけして恐縮ではございますが、よろしくお願い致します、そしてご来店心よりお待ち申し上げます!!

Go to Curry,Welcome to Curry!!

世界一周デリバリーJourney×Journey Uber店OPEN

年明け、2020年の新しい取り組みとしてUberを始めたのですが、急な人手不足とその他諸々の問題が重なり、あっというまに辞めてしまいました。ほどなくしてコロナ禍が始まり、解約せずにアカウントだけ持っておけばよかったと後悔しましたが、あれだけの数の新規出店とドライバーが街に溢れてしまえば仮にアカウントを持っていたとしても、どうせ埋もれるだろう、とやり過ごしていたのが3月、4月。

しかし、6月以降の一時の緊張緩和に伴うテイクアウト、デリバリー熱の沈静化とともに「やっぱり今のうちにウーバーのアカウント、再取得しよう」と思い至り、他の取り組みと連動させながら少しずつ進め、タイミングを見計いました。世に再び漂う自粛ムード及びお盆に差し掛かるNO GOな今が妥当だろうということで、今月からリスタート。

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ここでも「世界一周」というのをテーマに、アイテムを絞って展開してます。メインは世界一周ガパオライス/タコライスキーマカレーに南米のフライドポテト「チョリジャーナ」を付け合わせたコンボセット、1,400円です。単価としては高いかもしれませんが、それに見合うボリューム感はあるので、複数人でシェアしながらでもご満足いただけるかと。

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ちなみに何が「世界一周」かと言うと、ベースは普通のガパオ、キーマ、タコなのですが、多国籍な3種類のトッピングを乗せていて、一皿で様々な味変をお楽しみいただける仕様になっています。

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始めたばかりなので、まだまだこれからにはなりますが、Uberでは「Uberならでは」であったり、「Uberだからこそ」という意味合いと側面を持たせながら、色々と可能性を探っていきます。それにこの仕組みを活用して、単にフードのデリバリーだけでなく、何か新しいことができるんじゃないかとちょっと企んでたりもします。世界一周デリバリーJourney×Journey Uber店をどうぞよろしくお願い致します。

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