Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

加藤君のタイへの冒険【後編】Written by Kato.

しかし「ビック加藤」が猛威を振るっている最中もメジャーリーガー達はいたって通常運転。

 

 

 

「カトー、アホだなぁ」

 

 

「良いね良いね♩」

 

 

「カトーくん、こーゆーのどう思う?」

 

 

 

????????

 

 

 

僕の中で「ビック加藤」は必殺技であり諸刃の剣。

 

 

 

その場を自分のものにし、強引にでも相手に自身を印象づける、素敵な時間を提供するものではなく、時間を自分のものにしてしまうもの。この必殺技で「カトー」という存在を今まで28年間相手に印象付けさせ、自分のモノしてきたつもりだった(当然、気にいられることもあれば、嫌われることもある)。

 

 

 

 

それで良いと思っていたし、それしか出来ないと思っていた。

 

 

 

 

しかし、このメジャーリーガー達は違った。

 

 

 

 

この、本人は「必殺技」と勘違いしている幼稚な戦法をいとも簡単に受け入れ、「素敵な時間を共有する行為」に変換してくれる。

 

 

 

「今度は一人でおいでよ♩」

 

 

 

 

 

最後はゲストハウスの女将の優しい言葉で締めくくられた素敵な会になった。

 

 

 

 

独りよがりに自分を《解放》し楽しむのではなく、

 

自分以外の人を《解放》させ楽しむことの大きな差を感じた。

 

 

 

カオサンですれ違い際に僕が微笑んだら微笑み返してくれた欧米人の女性も。

 

料理教室で僕の拙い英語の発音を笑いながら正してくれたステイシーも。

 

オーナーとはぐれ、不安そうにしてた時に「お前の友達いたぞ!!」って喜んでくれたバイクタクシーのお兄ちゃんも。

 

僕のアロイ!(タイ語で美味しい)に笑ってくれた屋台の女の子も。

 

 

 

 

サイズは違えど楽しみ方を知っていて、僕は28年間勘違いしていた。

 

 

 

日本に戻ったら店でこーゆー風にゲストを迎えたいという気持ちと、日本に戻ったら失敗するのが怖い「リトル加藤」か独りよがりな「ビック加藤」に戻ってしまうのではないかという不安を抱きながら帰りの飛行機の中を過ごした。

 

 

 

 

成田空港、日本帰還。

 

 

 

wifiが繋がったのでフェイスブックを確認したら、宮城の友人が僕の投稿にコメントしてくれていた。

 

 

 

 

 

彼はこう言っているが、まだまだ僕はプライドが高く、人の好意や気持ちを考えることが出来ない。

 

前に進もうとせず、ただその場で俯いていることもある。

 

 

 

 

今回の初海外が僕に何を教えてくれたのかははっきりとは分からないが、

まずはここから始めようと思う。