Journey×Journeyと山本ジャーニーの冒険-独立・開業と「旅食」の航海日誌-

秋葉原の多国籍・無国籍のダイニングバー「Journey×Journey」。独立開業までの過程とオープン後の日々を綴る、山本ジャーニーの営業日報。

【2018年下半期の事業計画⑩総集編】

 

これだけ色々なことを一気に始めることもないので、一度整理しようと7月から下半期の事業計画を書き始めたが、気付けばすでにその下半期も半分が過ぎようとしている。あれよあれよ、そして、あれよ。すでにそれなりに成果を出している項目もあれば、まったく追いついていないものもある。まあ、そんなもんだろうと思う。色々ありすぎて、自分でもよくわからなくなってきたので、総集編として、整理したことをもう一回整理したい。

まず、内装業を始めた。まだまだピヨピヨだけども、J×Jにとっては大きなゼロイチ。

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そして、それに伴い、車を購入。本当は内装業だけでなくケータリングやイベント出店にも活用したいのだけど、当面は内装業として走らせる。ゆくゆくは売上の落ち込む土日に飛び道具として使えたらそれでいい。

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本店の新しい取り組みとしては、お弁当の販売を始めた。今後はもっとエッジのきいた面白弁当をどんどんリリースしていきたい。

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2号店は「パン飲み」の確立し、本店との差別化を目指す。

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お店全体としては値下げにここにきて値下げに踏み切った。値下げというよりは今まで意図して背伸びしていたことをやめた、というほうが近い。

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それとお店としてYoutubeチャンネルを始めた。元スタッフあかねの生存確認は是非ここで。

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以上が、J×Jが今後取り組んでいくこととなる。正直、かなりわちゃわちゃのモリモリなのだけど、アクセル全開で突っ走ろうと思っていた矢先、主要スタッフが肘の故障で長期離脱が確定的に。

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なんともエグい時になんともエグいことが起こってしまったのだけど、不思議と開きなおれている。このエグ味もきっとどこかで何かにつながる。もうわかってるんだから。

とは言え、我らがエース、しっかり静養、そして早期の復帰を願う。

 

【2018年下半期の事業計画⑨パン飲みへの冒険】

あと一つ、今後注力してきたいと思っているのが2号店BOXでの「パン飲み」の展開だ。「パン飲み」というのは言葉のとおり、「パンを食べながら飲む」ということなんだけれども、今これがじわじわきていると言う。

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パン飲みが今後ブームとなるのかどうか、それはわからないけれど、流行ってからでは遅いし、仕掛けるのであれば上記記事にあるように「じわじわ」しているうちだ(もっとも東洋経済さんに取り上げている時点ですでにじわじわの域は超えているのだが)。でもまあいずれにせよ、爆発的というほどではない。であれば先行する価値はある。

とは言え、J×Jにパンを作る能力はない。だから、パンそのものではなく「パンを使った料理」に照準を絞っていきたい。

今までまったく気にも留めていなかったが、年始の嵐ツボで「2018年に絶対に流行るほぼ未上陸グルメ」で世界のサンドイッチをご紹介させていただいた以来、何かとパンを使った料理に触れることが多くなった。

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春先に自店で取り組んでいた300品チャレンジキャラバン(1.5か月で300品の新メニューを作ることに挑戦)においても多くのパン料理に触れることができた。

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チュニジアの「ラブラビ」

 

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南アフリカの「バニーチャウ」


このキャラバンは本来別の目的で始めたことで、その目的は現状コミットできていないのだけど、今回のパン飲みチャレンジにつながったのであれば、よかったなと改めて思う。自分の知らない「パン料理」が世界にはたくさんある。

こうして得たバラエティを一度体系化して、ちゃんとした形に起こし、2号店のコンテンツとして育てていきたい。2号店もオープンしてちょうど一年になる。あれこれ試してきたけれど、今ひとつ、アイデンティファイできていないのが現状だ。こうした課題を解決するためにも、このパン飲みへの冒険を推し進めていきたい。

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【2018年下半期の事業計画⑧】お弁当販売への冒険

7月の中旬からお弁当販売を始めた。

本来は8月のお盆明けからのスタートを考えていたが、諸々の状況により、予定よりもかなり前倒しで始めたことになる。予定が遅れるということは多々あっても、スタートが一か月も早まるなんていうことは本当に稀で、それだけ今のお店にとって重要でかつ切実な取り組みであったということを示している。

勢い余った付け焼刃の取り組みが失敗するのは往々にしてあることであり、実際、販売初日は全く売れなかった。そして、事業主は拡張のためにあれこれ手を打つのは往々にしてあることだが、その大半が失敗に終わることもまた往々にしてあることだ。少なくとも僕自身はそうだ。いろんなことを試みるけど、その多くは大体失敗に終わるか、もしくは期待値を大きく下回る。

けれど、そんな中、この本店での弁当販売は数少ない成功事例と言える。販売初日こそ売上は立たなかったけれど、徐々に認知は広まり、今では想像を超えた実績を作れている。

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ただこれがこの先もずっと続くとも思っていない。競争はあくまで厳しい。

 

J×Jは普通のお弁当屋さんにできないことや埋めれないことをただひたすらに、ただひたむきにやっていくしかない。弁当は弁当であるがゆえに表現を狭まられることもあるけれど、弁当だからこそできるアソビの部分も多くある。その上で近隣会社員の昼食の選択肢の一つになりえれば、それで十分幸せだ。

「カプサロン」という商品がある。今後育てていきたいアイテムだ。オランダ発祥のメニューではあるがメインにトルコ風に味付けしたケバブチキンを用い、ソースはかつて植民地であったインドネシアのサンバルを用いる。そして「カプサロン」とは「床屋」という意味だ。なんのこっちゃ、というアイテムではあるけれど、このボーダレス感であったり、出鱈目感がウチっぽくていい、という緊張と自信が同時に走る。

とにかく、できるだけ自分たちにしかできないことをやっていきたい。

例えば、自分たちが作る弁当だってそうで、
例えば、カプサロンだってそうだ。

普段、タコライスを狙ってご購入いただけるゲストが「今日はじゃあ、カプサロンで」と注文する。


それでいい(それがありがたい)。


これがいい(これがありがたい)。


来週もJ×Jにしか作れない弁当を作る。

 

【2018年下半期の事業計画⑦】ジャーニーカーの冒険

7月上旬、お店用に車を買った。けっこう走りこんでる車ではあるけれど、新しい仲間が加わったみたいで嬉しい。

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前々からお店用に車があったらいいなあと思っていたけれど、なんとなく考えるだけで、ずっと先送りにしてきた。そもそも、俺、運転苦手だし。けれど、スタッフが増えるにつれて、販売チャネルをもっと増やさないとな、とか、売上の落ち込む土日に飛び道具的に使えないか、とかを真剣に考えだすようになり、本腰を入れ始めた。

でもまあ、なかなか駐車場が空かない地域だし、空いたとしても店から離れた場所じゃ不便だし、ていうか店から離れてるのに高い駐車場代払うのも癪だし、とか本腰を入れた途端にぐだりはじめ、やっぱいーやと思い始めたと同時に「ヤマモトさん、お店の隣の駐車場空きましたよ」との連絡。よいしょと腰を下ろしたとマジすかとた立ちあがり、「でもやっぱ店の真隣りのスペースじゃないとなあ」なんて思っていたら、「ヤマモトさん、スペース、交換してくれるって言ってますよ」となり、「でも5月って売上落ち込むんだよなあ」と再度ぐだりはじめた矢先に、どういうわけか超絶閑散期の5月が何故かうまいこと埋まり…。「ち、ちなみにお店の横の駐車場ってけっこう意外と入れ替わりあるもんなんですかね?(タイミング的に今しかないんですかね?)」と聞くと、「前に空いたのは3年前ですかねー」とのこと。

やれやれ、千載一遇か。これはもう意を決するしかない。

という感じで、駐車場を契約したのはいいものの、肝心の車がない。と言うか、相当好条件の車が出てこない限り、車を買うお金もない。まあ致し方なし、当面は寝かせようと思いつつ、とりあえず下調べだけでも、と店舗用の車を持っている先輩にちょっと聞いてみたところ「ちょうど車検切れるし、新しいのに買い替えようとも思ってたし、ジャーニーが使ってくれるなら…」という僥倖。「車検っていつ切れるんですか?」と質問すると、「来月」という邂逅。というわけで、トントントン拍子でどんどんどんどん進み、今、湧いて出てきたかのように2号店の隣にある。

うっすら勘付いていたものの、あまり直視しないようにしていたのが、「内装業に車はマスト」ってこと。まあとりあえずは車なしでなんとか…、と数か月前は思っていたけれど、今これでもかってくらい活躍してます、ジャーニーカー、100%、内装業車両として。僥倖と邂逅がなかったらどうなっちゃってたんだろうと恐ろしく思う。

ただ当初思い描いていた飲食業としての活用はまだできていない。


というわけで、今後はデリバリー、仕出し、ケータリング、出張シェフ、出張料理教室等々、飲食分野でも稼働させられるよう、領域を広げていくつもりです。そっち系のお仕事は今まで特に決め事もなく都度都度でやってきたけど、ちゃんとした事業として育てていくつもりです。

駐車場の契約にしても、車の購入しても、売上が落ちる5月、6月が予想に反してよかったから決めたのに、買った途端、本来そこそこの売上をたたくはずの7月が暗転するという、ペラい個人事業主には切実なナシナシなアルアル。なので、どうにかジャーニーカーに頑張ってもらわないといけないのです。というか、頑張らなきゃいけないのです、俺。

まあそれもひっくるめて、然るべき僥倖だったのだろう、必要な邂逅だったのだろう、とそんなふうに思う。俺、まだ、一回も運転してないけど。

【2018年下半期の事業計画⑥】たっちゃんのJ×Jへの冒険

というわけで、J×Jにたっちゃんが加わり、たっちゃんとともにJ×Jに内装業が加わることになりました。前回の記事にも書いたように、まだまだこれからなのだけど、営業しながら少しずつ認知を広げていきます。何かあった時に「あ、そう言えば、J×Jが内装業を」と頭の中に思い浮かべてもらうようにするのが当面の目標です。

たっちゃんはこの6年間、千葉で内装業に従事していました。「内装業」と言っても言葉が示す範囲は広いのだけど、たっちゃんの場合、デザインやプランニングをする立場で、案件に応じて施工内容を決定し、必要な業者を手配し、現場でディレクションするという仕事。ただ社長と2人三脚でまわしていたので、作業の割当に明確な境界線はなく、大工さんの仕事を手伝うこともあれば、クロス屋さんと一緒にクロスを張り替えることもある、そういうスタンスで6年間、働いていました。だから、いわゆるの「職人」さんではなく、何かの専門家ということもなく、内装に関わる仕事全般における「何でも屋さん」であり、ジェネラリストでもあります。クライアントも飲食店に限らず、多岐にわたります。

J×Jとしては自社でプランニングから施工までワンストップでできる案件を増やしていきたいのだけど、いきなり受注できるものでもないので、現段階では飲食業のJ×Jとしての仕事を習得しながら、他社さんの案件のフォローに行ったり、同行させてもらいながら仕事の幅を増やしている状況です。たっちゃんが「何でも屋さん」であることが逆に利いてる感じです。

例えば、居酒屋さんのリニューアルの現場監督案件だったり、

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看板屋さんのフォローだったり、

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空調工事の手元のお手伝いだったり、

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といった感じで軽快なフットワークで、小気味よく動いております。

たっちゃんにはもう一つ側面があり、それは「書」に精通しているということ。下記、たっちゃんの書道活動を紹介したサイトです。

GAHO -Calligraphy

作品の一部を紹介させていただきますと…、

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という感じでかなり本格的にやりこんでます。年に一回、師匠(重鎮)に同行して、書道を通した文化交流のお手伝いで海外に出かけることもしばしば(イラン、レバノンカザフスタン、インドなどなど)。なので、ロゴ制作や看板表記、メニュー表作りなどそのあたりのクリエイティブはお家芸です。

J×Jとしてもそうだけど、たっちゃんとしてもJ×Jを母体にこういった働き方をするというのはかなりの冒険です。どんな風景が待ってるかはやはりわからないけれど、乗ったからには楽しんでもらいたいし、乗ってもらったからには楽しませたいと思うのです。

【2018年下半期の事業計画⑤】内装業への冒険-後編-

J×Jは実は内装業を始めてます。

と、ちょっと前に、ブログで書きました。

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J×Jの中ではDo it ourselfとして「DIO事業」と呼んでいますが、7月に始まったこの内装事業、勿論全然まだまだなのだけど、先日、自社案件として初受注。営業して、見積もりして、受注し、施工する、という仕事を久しぶりにしてとっても沸きました。小さな一歩ではあるけれど、確かなゼロイチ。やはり新しいことを始め、新しいことものが生まれる、というのはエキサイティングなものです。

その記念すべき初案件は居酒屋さんの壁面修繕。経年劣化した壁を新しく貼り直すという作業です。

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内見し、シミュレーションし、対応策を考え、スムーズに作業に取り掛かれるよう、事前に準備し、当日の朝9時に、現場入り。

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そして、夕方16時。

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綺麗に仕上がりました。こうして、DIO事業は初めての任務を終えました。

で、このDIO、当然、僕がやっているわけではありません(僕は絶望的に不器用だし、精微な仕事はてんでダメなのです)。

7月から新しくJ×Jに加わった新入社員がこのDIO事業を担っております。

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改装前の若かりしジャーニージャーニー

お店の中では「たっちゃん」と呼ばれています。たっちゃんがDIO事業の事業部長というわけです。彼とは世界一周前からの付き合いで、もともとは同じ飲食店で働く同僚でした。その後、彼は内装業に没頭し、僕はそのまま飲食業に邁進したのですが、J×Jをオープンするのにあたって、たっちゃんに内装を担当してもらいました。

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プランニングから始まり、

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カウンターを作り、

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その他色々あって、ジャーニージャーニー完成!!

その後、何度かリニューアルしたのだけど、全てたっちゃんが担当してくれています。つまり、たっちゃんもまたJ×Jの生みの親でもあるのです。

そんなたっちゃんが2018年7月に内装担当としてJ×Jにジョイン。DIOは別事業というより、飲食業を母体とした内装事業なので飲食の仕事もパラレルで進めていきます。なので、皆様、内装業だけでなく飲食業の方でも新入りの部長をよろしくお願い致します。

DIOがどうなっていくのか、ほんとに両立ができるのか、これによってJ×J全体にレバレッジをかけることができるのか、全ては未知数だけれども、凝り固まらず、新しい可能性やニュートラルな働き方、他にはない事業の在り方を模索し続けていきたいと思ってます。

小説『Journey×Journey』の冒険

2017年1月、「年内中に小説『Journey×Journey』を書ききる」ということを新年の抱負とした。

その理由と意気込みを1年半前、下記のように書いている。

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「反証作業はできるだけ実利的でないほうがいい。かつ、店舗運営と直接的でないほうがいい。より地道で、よりクラフトでなければ、反証としての価値はない。そして、店舗の運営者でありながら、プレイヤーでもある今取り組むからこそ意味がある。万が一、出版されたとしても、さして利益は見込めないだろう。と言うか、実利はほぼないに等しい。でも、書く。ありったけのエネルギーを注いで、書く」

と書いたけれど、いやはや、本当に地道だった。そして、本当にありったけのエネルギーを注ぐことになった。目標としていた一年内にはおさまらなかったけれど、とにもかくにも書ききることができた。

一年半前の時点で、構成はもう出来上がっていて、

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あとは頭の中にあるものをとにかく書き起こしていく作業だった。このブログの中にもあるように、タイのバンコクボリビアのアマゾン、オーストラリアの「12人の使徒」、エチオピアのアワサ、インドのプリーを舞台に5人の旅人がそれぞれ旅をする。

それぞれが独立した旅(物語)ではあるが、それぞれの旅はそれぞれに繋がっている。

旅人は旅において、他の旅人とすれ違うことなく旅をすることはできない。東に向かう旅人と西に向かう旅人と道ですれ違った時、それぞれの旅がその後どのように展開したのか、そうした群像を俯瞰して捉えた物語を書きたかった。

僕はこの小説を4月末までJ×Jで働いてくれていたスタッフにまず贈った。彼女は今月より世界一周の旅に出る(出た)。もともと世界一周したいと思ってJ×Jにジョインしてくれた彼女だったが、働いてくれていた2年間、ほとんど旅の話はせず、もっぱら仕事の話ばかりだった。だから、最後の最後の滑り込みで自分の旅の全てを詰めた小説を渡せたことにほっとしている。せめてもの罪滅ぼしであり、同時に、できるかぎりの激励でもある。

というわけで、ここで一区切りついたのだけど、小説『Journey×Journey』の冒険は終わったわけではなく、むしろ、ここから始まる。今のところ、読者は世界中でまだその元スタッフの一人しかいない。今後は生みの親として、この生まれたての赤ん坊をどう旅させるかを考えていかなければならない。

ひと昔前において、書き上げた「小説」の旅先(形にするための)というのは新人賞に応募するか、もしくは自費出版(あるいは共同出版)するか、しか選択肢はなかった。けれど、webが発達し、身近になった今、「形」に固執する必要はないようにも思える。一方で、パブリックなものとして何とか流通に乗せたいという気持ちもやはりある。

逆に言えば、「必ずこうしたい」という明確な意思も希望もないので、この小説の旅先と旅のスタイルは旅先で培っていく旅人のように自然に育んでいければいいなと思っている。きっと然るべき時に、然るべき形をこの冒険は纏うはずだ。

【2018年下半期の事業計画④】「値下げ」への冒険

「価格設定」というのはどんな業態であれ、経営・運営における最も悩ましい点の一つであることは言うまでもない。「上げるのは難しいけど、下げるのは簡単」とよく言うけれど、下げるのだって難しい。いずれにせよ、一度変えてしまうとなかなか元に戻せない部分が「価格設定」をより困難にさせる。

J×Jは2018年8月より、「値下げ」に踏み切ります。そして、様子を見ながら段階的かつ局所的に価格を商圏の適正価格に合わせて馴染ませていこうと考えてます。

そもそも、商圏内(昭和通りを渡ったエリア)において、J×J本店の生ビール580円は最も高い価格設定であり(2号店は480円)、他店は大体450円~480円、安いところだと350円前後で提供しています。料理と飲み放題がついたコース(世界一周スタンダードコース)は2.5H/4,500円、これも他店と比較して一番高い単価設定。競合の価格調査は勿論しているし、オープン当初からわかっていたことで、3年間の間にいろんな新しい店ができたけど、依然、J×Jが最も高い。

この価格は様々な兼ね合いの中で最初から意図して設定し、継続してきたものだったけれど、そうした高単価設定の分、他の部分はできるだけ調整したり、セールやフェアを打ってバランスを取るように努めていた。一方、値下げはもともと視野に入れていたことでもある。然るべき時が来たら、もうちょい抑えた設定にしようと思っていた。本当はもう少し前に対応すべきだったと反省しているのだけど、諸々の準備が進み、ようやく体制が整ってきたので、舵を切ろうかと。正式に8月1日より値下げを行います。

まずは、「2.5H飲み放題・世界の料理8品」の「世界一周スタンダードコース/4,500円」より、少しお求めやすくした「2H飲み放題・世界の料理7品」の4,000円のコースを新たにラインナップに加えます。これは「値下げ」というよりも「新プラン」ですね。ご予約なしでもご利用いただけますのでどうぞお気軽に☆

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そして、貸切については今までと同様、16名様から承ります。

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一方、2号店はしっかり値下げ、さらにお手軽に、お求めやすくということで、

「1.5H飲み放題・世界の前菜盛り合わせと他料理4品」のLCCコース2,980円

をスタートします。


・短い時間でさっくり、ふらっと

・ご飯はおつまみ程度で

・でも気兼ねなく飲みたい

という方におススメです、LCCコース。

J×Jにとって初めてとなる「値下げ」及び「価格改定」はまずはここから始めてみます。重複になりますが、様子を見ながら段階的かつ局所的にさらに調整をかけたり、お得なオプションやプランを設けて、「お手頃感」を強めていこうかと。便宜上、8月1日からとしますが、7月中でも新プランで対応できますので、気兼ねなくお申しつけいただければと思います。よろしくお願いします!!

【2018年下半期の事業計画③】「JTV」への冒険

「なりたい職業ランキング」にユーチューバーがランクインする時代の潮流に、J×Jも遅ればせながら馳せ参じようとYoutubeチャンネルを開局することに致しました。「J×J」の「TV」ということで「JTV」(ジェイ・ティー・ヴィー)。

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JTVを通して、「飲食業とは別の収益の柱を」とか、「集客の新たな導線を」とか、そういう夢見がちなことや鼻息の荒いことを目指しているのではなく、店側もゲスト側も肩の力を抜いて楽しめるゆるいコーナーがほしいなあ、というそれぐらいの軽いノリです。

ざっと見た感じ、飲食店が飲食店としてYoutubeの動画サービスを活用しているところはまだまだ少ないし、あってもマジめのノウハウやハウトゥーを提供・アピールしているか、もしくは酔っぱらって楽しそうにしている光景をなんとなく流しているところがほとんど。飲食店なのだから、「飲食」に直結するコンテンツを作るのは自然なことなのだけど、できればそれだけでなく、それと同じくらい「飲食に関係ないコンテンツ」を用意していきたいと思ってます、ゆくゆくは、ぬくぬくと。

ぬくぬくと、まずはJTVの紹介VTRです、どぞ。

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こんなゆるい中でも、意識していきたいのは各スタッフのキャラクタライズ。各スタッフが持っている個性や持ち味をJTVを通して発信・ストックしていきたい、と、そういう思惑は少なからずあります。飲食業という動的な環境下でスタッフのパーソナリティーを出していくというのは言うほど簡単なことではない。カウンターメインのレイアウトで、ドリンクとトーク中心の営業スタンスであればもっと開放できると思うけど、そこはウェイトとバランスで、あくまで場面による。言うなれば、ランチタイムのバチバチのピーク中にでもスタッフの個性を表現したい(そして認知を広めたい)となると、その場でとりうるコミュニケーションというのは極めて限定的で、断片的になる。ましてや、今自店では本店・2号店・間借り3号店の3店舗でスタッフを固定せず、状況に応じて、意図的にポジションをシャッフルするようにしているので、余計に難しい。

そうした非属人的なシチュエーションの中で、少しでも個々の性格や嗜好を際立たせるとなると、営業内だけでなく、営業外のスペースも有効活用する必要が出てくる。その「営業外のスペース」にJ×JはYoutubeを利用することにしました。インスタでもいいのかもしれないけど、店として取り組む総体的なメディアとして、かつ、一過的なものでなくコンテンツを体系的にストックしたアーカイブとするなればYoutubeの方が適しているような気がする。

ってことで、簡単に言えば、継続的な自己紹介メディアです、JTV。

例えば、海外ビールやクラフトビールに詳しいダースーであればこういう感じ。

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カレー好きの希実であればこんなコンテンツになります。

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こんなような感じでラフなコンテンツをラフにあげていければいいな、と。

「飲食以外のもの」を、と言いながら、飲食にまつわる動画しかまだ上げれてないけれど、色々試しながら試行錯誤していきたいと思ってます、ラフに。

というわけで、JTVのチャンネル登録、皆様どうぞよろしくお願いします!!

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【2018年下半期の事業計画②】「内装業」への冒険<前編>

J×Jは2018年7月より、飲食業に加え、内装業をスタートすることになりました。

内装業と言っても、大掛かりなものではなく、

・改修したいけど、やり方がわからない
・やり方はわかるけど、時間がない
・時間はあるけど、コストをかけたくない
・そもそも、何をどう修繕すればいいのかわからない

そういった、

「業者に依頼するほどではないが、個人で対応するレベルを超えている」作業領域を、プロの協力、指導のもとに対処します。

勿論、ここで言うプロというのは僕ではないし、今までの僕らのうちの誰かでもありません。7月より新しくJ×Jにジョインしたスタッフが担います。彼自身のことはまた別の機会にご紹介しますが、プロの内装屋さんです。J×Jに新しくフランキーが加わりました。

この新規事業(とあえて大袈裟に言いましょう)に名前をつけようと話になりました。内装業と言うとちょっと仰々しいし、軽内装業だとみすぼらしい。DIYの延長線上なんだけど、かと言って、DIY事業ってそれって事業じゃないしな、ということで、DIOと名付けました。Do It Ourself。略して、DIO(ディー・アイ・オー)。J×JはDIO事業を始めます。

僕自身、飲食店を運営している中で、日々、様々なストレスを感じます。

わかりやすいところで言えば、「収納」。もっと収納スペースを増やしたい、棚ぐらいであれば自分でつけることができる、でもこれって強度は大丈夫なのか、総重量はどれくらいまでいけるのか、もし落ちてきたらどうなってしまうのか。

「収納」以外にも、

雨の日でも入りやすいようにエントランスに屋根をつけたい(ユーザビリティ―)、

段差をなくして手すりをつけたい(ケガ防止やバリアフリー)、

隙間風をなくしたい、

水回りの環境整備、

防音、

電気代の最適化、


ボロボロになったクロスを張り替えたい、塗装を塗り替えたい、

もっと店っぽいファサードにしたい、通行客の目をひく装飾にしたい、

荷物置きのスペースを整えたい、上着をまとめるクロークを設置したい、

などなど、日々の営業の中で感じるストレスはピンからキリまであり、キリからピンまであります。

けれど、こうした問題の多くは業者に頼むほどではなく、かと言って、DIYがどうにかできるのを超えている(もしくは何らかのリスクを孕む)ものが多いのが現状だと思います。僕自身がそうでした。

「まあ、今のままでとりあえずなんとかなってるし…。でも直した方がいいよなあ」

「外部に頼んだらお金かかるしなあ」

「かと言って、自分でやったらそれはそれで人件費も時間も使うことになるしなあ」

「ていうか、そもそも危ないし」

「じゃあやっぱ業者か。でも業者選びも見積もりも、相ミツとるのもめんどくさい」

その繰り返しで問題を先送りしてしまいがちです(まあ、現状のJ×Jも多くの物理的な問題を抱えているのだけど)。

そうした隙間をJ×JのDIO事業は解決したいと思ってます。DIOはあくまで内装業ではなく、飲食業を母体にした上での「内装事業」の一部なので、フットワークも人工も軽いです。内装屋さんは内装のプロではありますが、飲食業に精通しているわけではありません。飲食業の一部であるDIOは「より飲食業に寄り添った内装改善」を提案できると思っております。

長くなるので、「内装業への冒険」<前編>はいったんここまで。前編以降はより具体的にDIOが何を実現しうるかに踏み込んでいきたいと思います。